五十肩は正式な病名ではありません。
日本肩関節学会は2019年に「原因不明の痛みが急に発症し、肩関節が拘縮して動かしづらいものを凍結肩と定義する」と宣言しました。
凍結肩は、肩関節の動きが徐々に制限されていく状態を指します。
主な症状は以下の通りです。
・肩の痛み
最初は軽度の肩の痛みがあり、徐々に強くなっていきます。
夜間や動かした時に増悪することが多いです。
・可動域制限
肩を上げたり、横に持っていく動作が徐々に制限されてきます。
慢性的に動かせる範囲が狭くなります。
・筋肉痛や硬直感
肩周りの筋肉が緊張し、筋肉痛や硬直感を自覚するようになります。
・寝付きが悪い
夜間の痛みで寝付きが悪くなることがあります。
※原因は、肩関節の構造がゆっくりと変化することにあります。
関節唇(関節窩の縁を囲むように付着している靭帯成分)の肥厚、関節包の肥厚、粘液の減少などが起こり、可動域が狭くなっていきます。
発症のきっかけとしては、外傷、過剰な運動、姿勢の悪さなどがあげられます。
凍結肩 原因
凍結肩の原因については、はっきりとわかっているものはありませんが、主に以下のような要因が関係していると考えられています。
1.加齢による変化
40代以降で発症しやすく、年齢とともに関節の可動性が低下することが一因とされています。
2.外傷や手術
肩関節への外傷や、肩の手術後に凍結肩になるケースがあります。
3.糖尿病
糖尿病患者に凍結肩が多く見られることから、代謝異常が影響している可能性が指摘されています。
4.その他の基礎疾患
甲状腺機能低下症や心臓病などの全身性疾患が原因になるケースもあります。
5.肩を動かさない生活習慣
長期間、肩の動きを制限する生活習慣が続くと、凍結肩になりやすくなります。
6.精神的ストレス
強いストレスを受けている人に発症が多いことから、心理的要因も関与していると考えられています。
※このように、単一の原因ではなく、様々な要因が複合的に関係して発症すると考えられています。
特に加齢による可動域の低下が大きな要因といえるでしょう。
凍結肩 治療
凍結肩の治療には主に以下のようなものがあります。
1.安静と薬物療法
初期段階では、まず安静と消炎鎮痛剤の内服で症状を和らげることが重要です。
炎症を抑え、痛みを和らげることで関節可動域の悪化を防ぎます。
2.ステロイド注射
関節周囲へのステロイド注射は、強い炎症と痛みを短期間で抑えることができる有効な治療法です。
注射は数週間おきに数回行われます。
3.理学療法(リハビリ)
可動域訓練や筋力強化、電気治療、温熱療法などの理学療法が中心になります。
徐々に関節の動きを取り戻し、筋力の低下を防ぐことが目的です。
4.手術療法
長期化した難治性の症例に対し、最終的に手術による関節の癒着剥離や可動域拡大術が検討されます。
低侵襲の関節鏡手術が一般的です。
5.その他の療法
最近では、超音波や低出力レーザー、足底マッサージなども補助的に行われる場合があります。
※治療は長期に渡るため、痛みの管理と並行して地道にリハビリを続けることが大切です。
個々の症状や重症度に合わせた集学的な治療アプローチが必要不可欠です。
凍結肩 予防
凍結肩を予防するための方法として、以下のようなポイントが挙げられます。
1.適度な運動
肩関節の可動域を維持するため、日頃から適度な運動を心がけましょう。
肩の柔軟性と筋力を保つことが大切です。
2.ストレッチング
肩甲骨周りの筋肉をストレッチングして柔らかくしておくと、肩の可動域が保たれます。
就寝前などに習慣づけるとよいでしょう。
3.正しい姿勢
猫背や反り腰は肩周りの筋肉に負担がかかるので注意が必要です。
できるだけ正しい姿勢を保つように心がけましょう。
4.適切な休息、睡眠
十分な休息とよい睡眠をとることで、筋肉の緊張がほぐれ、肩への負担が軽減されます。
5.環境配慮
長時間の同一姿勢作業は避け、こまめに姿勢を変えるなど、無理のない動作に気をつけましょう。
6.外傷予防
転倒や肩への強い衝撃を避けることも大切です。
歩行時の足元注意や、スポーツ時の怪我予防に心がけましょう。
7.生活習慣病の予防
糖尿病などの生活習慣病の予防と管理も、凍結肩のリスク軽減に役立ちます。
※無理な動作はしない、肩関節に無理な力や動きがかからないよう、日常生活での動作に注意を払いましょう。
できる範囲で動くことが大切です。


