子どもの近視増加の推移や年代別の状況について、具体的なデータを交えて詳しく説明します。
【年代別の近視有病率の推移】
文部科学省が行った調査によると、小中学生の近視の割合は年々増加しています。
・小学生
1984年 25.0%
2020年 35.8%
・中学生
1984年 53.7%
2020年 67.0%
特に最近10年間で近視の割合が急増しており、原因として生活環境の変化が大きいと考えられています。
【年代別の近視割合(2020年)】
・6歳児 14.8%
・小学4年生 38.2%
・中学2年生 65.0%
低学年から徐々に増加し、中学生になると6割を超えています。
【地域別の近視割合】
近視の割合には地域差もあり、都市部の方が高い傾向にあります。
・東京都区部の中学生 71.6%
・北海道の中学生 61.6%
都市部と地方部など生活環境の違いが影響していると考えられています。
※このように、日本の子どもの近視は小学生の頃から急増し、中学生になると7割近くが近視になっている深刻な状況です。
スマホやゲームなどの影響で近くを見る機会が増え、屋外活動が減ったことが主な原因とされています。
早期からの対策が急務に迫られています。
子どもの近視 原因
子供の近視の主な原因については、以下の点が挙げられます。
1.遺伝的要因
両親が近視の場合、子供が近視になる確率が高くなります。
遺伝的素因があると考えられています。
2.生活環境・習慣
・近くを見る機会が増えた(スマホ/ゲーム/読書など)
・屋外での活動時間が減少
・睡眠不足
・栄養バランスの悪い食生活
近年の生活環境の変化が、近視のリスクを高めていると指摘されています。
3.調節機能の過剰な使用
近くを見る際に眼の調節を過剰に行うと、眼球が伸び近視になりやすくなります。
上記の生活習慣と関係があります。
4.屈折異常
眼球の構造的な異常(眼球が長すぎる等)があり、光が正しく網膜に結像できない場合に近視になります。
5. 眼精疲労
長時間のパソコン作業等で眼が疲労すると、一時的に近視症状が出る場合があります。
※このように、遺伝と生活環境の両面から原因が指摘されています。
特に最近は生活習慣の変化が大きな要因となっており、屋外活動の増加、近視作業の控え目、眼へのリフレッシュ等の対策が重要視されています。
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子どもの近視 治療
子供の近視の治療法には、主に以下のようなものがあります。
1.眼鏡、コンタクトレンズ
最も一般的な治療法です。
近視の程度に合わせた度数の眼鏡やコンタクトレンズを処方し、視力を補正します。
しかし、これは症状の進行を遅らせる効果はあまりありません。
2.治療用コンタクトレンズ
コンタクトレンズの特殊な設計により、近視の進行を抑制する効果があります。
代表的なものに、ナイトコントロールコンタクトレンズ、オルソケラトロジーコンタクトレンズなどがあります。
3.視力矯正手術
レーシック手術は成人向けですが、最近では子供に対しての適用例も出てきています。
ただし、眼球が成長する子供への安全性は十分検証されていないため、一般的ではありません。
4.屈折矯正眼内レンズ
強い近視の場合、眼内に特殊なレンズを入れる手術もあります。
しかし、子供への適用は現状困難です。
5.調節矯正眼内レンズ
近視の進行を抑制するレンズを眼内に入れる最新の治療法ですが、まだ研究段階です。
6.眼筋訓練
近視の原因の一つである眼の調節機能の異常を矯正する運動療法です。
※このように、子供の近視に対する完全な治療法はまだありませんが、進行を抑制する手段はいくつか存在します。
軽症から中等症の場合はコンタクトレンズなどが、重症の場合は将来的に手術治療の適用が期待されています。
子どもの近視 予防
子供の近視を予防するための主な対策は以下の通りです。
1.屋外活動を増やす
屋外で過ごす時間が長いほど近視になりにくいことがわかっています。
日光を浴びること自体に近視抑制効果があると考えられています。
1日2時間以上の屋外活動が推奨されています。
2.近くを見る時間を控えめにする
スマホ、ゲーム、読書などの近くを見る活動を長時間継続すると近視のリスクが高まります。
1時間に15分程度の休憩をとり、遠くを見るようにするのがよいでしょう。
3.適切な照明環境を確保する
部屋の照明が暗すぎたり、照明と画面のコントラストが強すぎると眼が疲れ近視が進行しやすくなります。
明るすぎず暗すぎない適切な照度を保つことが大切です。
4.睡眠を十分にとる
睡眠不足は近視のリスクを高める一因とされています。
就学前は11時間以上、就学後は9時間以上の睡眠が推奨されています。
5.バランスのよい食事をとる
ビタミンA、C、Eなどの抗酸化物質を多く含む食事は眼の健康に良いとされています。
6.定期的に眼科検診を受ける
近視の早期発見と適切な処置をするために、定期的な検診が重要です。
※このように、子供の生活習慣を見直し、外遊びや休憩をしっかりとる、適切な環境を整えることで、近視を予防することができます。
家庭と学校が連携し、子供の視力低下リスクを減らすことが求められます。


