NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』では、主人公である蔦屋重三郎と関わりの深い「黄表紙(きびょうし)」が重要な要素として登場します。
黄表紙は、江戸時代に流行した大人向けの絵入り読み物で、現代の漫画や風刺画のルーツとも言える存在です。
劇中に登場したり、関連番組で紹介されたりする黄表紙作品は多岐にわたりますが、特に注目される作品を以下に詳しくご紹介します。
〇『金々先生栄花夢(きんきんせんせい えいがのゆめ)』
*作者: 恋川春町(作画)
*刊行年: 安永4年(1775年)
*版元: 鱗形屋孫兵衛(当初)
*特徴
黄表紙というジャンルを確立した記念碑的な作品とされています。
地方出身の青年が偶然財産を手にし、夢のような暮らしを送るが…というストーリーで、当時の社会風俗を風刺しています。
*劇中での扱い
第8回「逆襲の『金々先生』に登場」で取り上げられ、黄表紙第一号として重要な位置づけで紹介されます。
また、関連ミニ番組「べらぼうな笑い 黄表紙、江戸の奇想天外物語!」の初回でも放送されます。
〇『無題記(むだいき)』
*作者: 恋川春町(作画)
*特徴
恋川春町が江戸の未来を予想して描いたとされる作品です。
現代の漫画家が未来の物語を描くように、江戸時代にも未来を描く発想があったことに驚きが表明されています。
*劇中での扱い
関連ミニ番組「べらぼうな笑い 黄表紙、江戸の奇想天外物語!」で取り上げられる予定です。
〇『桃太郎後日噺(ももたろうごじつばなし)』
*作者: 朋誠堂喜三二(作)、恋川春町(画)
*特徴
有名な桃太郎の物語の「後日談」を描いたパロディ作品です。
既存の物語を下敷きにし、滑稽な展開で世相を風刺する黄表紙の特色がよく表れています。
〇『見徳一炊夢(みるがとくいっすいのゆめ)』
*作者: 朋誠堂喜三二
*特徴
夢の中でさらに夢を見るという二重の夢の構造を描いた作品。
尾美としのりさん演じる朋誠堂喜三二が、下半身が荒れ狂う大蛇になった夢を見たことが着想のヒントになったとされています。
史実では「金々先生栄花夢」のパロディとして作られました。
大田南畝が「菊寿草」でイチオシした作品でもあります。
〇『御存商売物(ごぞんじのしょうばいもの)』
*作者・画: 北尾政演(山東京伝)
*版元: 鶴屋喜右衛門
*特徴
詳細な内容は不明ですが、山東京伝の黄表紙作品の一つとして、関連ミニ番組で紹介される予定です。
〇『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』
*作者: 山東京伝
*画: 北尾政演(山東京伝)
*版元: 蔦屋重三郎
*特徴
「そんなバカな」という話の連続で笑いを誘う作品と評されています。
山東京伝が作者と画を兼ねた作品で、蔦屋重三郎が版元であることから、ドラマ内で重要な位置を占める可能性があります。
*劇中での扱い
関連ミニ番組「べらぼうな笑い 黄表紙、江戸の奇想天外物語!」で紹介される予定です。
〇『箱入娘面屋人魚(はこいりむすめ めんやのにんぎょ)』
*作者、画: 山東京伝
*特徴
作品冒頭で版元の蔦屋重三郎自身が登場し、口上を述べて本を宣伝するという、当時の商業出版における工夫が凝らされた作品です。
これは現代の出版における「編集者による宣伝」の先駆けとも言えるでしょう。
〇『菊寿草(きくじゅそう)』
*作者: 大田南畝(おおた なんぽ)
*特徴
黄表紙の評判記であり、蔦屋重三郎と大田南畝(桐谷健太さん演じる)が交流を始めるきっかけとなった作品とされています。
黄表紙作品そのものではありませんが、黄表紙文化を語る上で重要な位置を占めます。
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〇その他の関連作品
*『化物大江山(ばけものおおえやま)』 – 恋川春町作画
*『親敵討腹鼓(おやのかたきうてやはらつづみ)』 – 恋川春町作
*『辞闘戦新根(ことばたたかいあたらしいのね)』 – 恋川春町作
*『案内手本通人蔵(あなでほんつうじんぐら)』 – 恋川春町作
*『吉原大通会(よしわらだいつうえ)』 – 恋川春町作
*『鸚鵡返文武二道』 – 恋川春町作
*『娘敵討古郷錦(むすめかたきうちこきょうのにしき)』 – 山東京伝が作家デビューした黄表紙。
*『的中地本問屋(てきちゅうじほんとんや)』 – 十返舎一九作
*『亀山人家妖(かめやまじんかよう)』 – 朋誠堂喜三二作、北尾重政画
これらの作品は、江戸時代の風俗、思想、ユーモア、そして当時の出版事情を色濃く反映しています。
大河ドラマ『べらぼう』を通じて、これらの黄表紙がどのように描かれ、当時の人々がどのようなものを楽しんでいたのかを詳しく知ることができるでしょう。
特に、蔦屋重三郎という稀代のプロデューサーが、いかにしてこれらの作品を世に送り出し、文化を築き上げていったのかがドラマの大きな見どころとなります。

