喜多川歌麿の最初期作品、婦人相学十躰 ポッピンを吹く娘が約43年ぶりに再発見され、東京国立博物館で特別公開されることになりました。
作品の概要
・タイトル: 婦人相学十躰 ポッピンを吹く娘
・制作年: 寛政4~5年(1792~93年頃)
・版元: 蔦屋重三郎
・判型: 大判錦絵
・特徴
婦人相学十躰シリーズの一部で、10通りの女性を描き分けることを目的とした作品。
後に「婦女人相十品」へと改題され、8図が刊行された時点で制作が中断されたと考えられています。
再発見の経緯
この作品は1981年に競売にかけられた後、長らく行方不明となっていました。
しかし、2025年3月に都内の美術商から東京国立博物館へ連絡があり、研究員が真作であることを確認しました。
本作は保存状態が非常に良好で、鮮やかな色彩とシャープな輪郭線を保っています。
特別公開の詳細
・展示期間: 2025年5月20日~6月15日
・展示場所: 東京国立博物館 平成館
・特別展名: 「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」
・開館時間: 9:30~17:00(金、土は20:00まで)
・休館日: 月曜日
・入館料: 一般 2100円 / 大学生 1300円 / 高校生 900円 / 中学生以下無料
この作品は、ホノルル美術館に所蔵される1枚のみが現存すると考えられていましたが、
今回の発見により、世界的にも貴重な作例として注目されています。
歌麿の美人画の魅力を堪能できる貴重な機会ですね。
興味があれば、ぜひ足を運んでみてください。
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蔦屋重三郎は、喜多川歌麿の美人画を出版することで大きな成功を収めました。
特に寛政年間(1789~1801年)にかけて、歌麿の「大首絵」シリーズが爆発的な人気を博し、蔦屋の版元としての地位を確立しました。
具体的な収益額は記録に残っていませんが、蔦屋は歌麿の作品を大量に刊行し、江戸の町人文化の中心的な存在となりました。
彼の出版戦略は、豪華な摺りや雲母(きら)を使った背景など、特別な技法を用いることで高価格帯の作品を販売するものでした。
また、歌麿の美人画は遊郭の宣伝にも使われ、スポンサーとして妓楼が関与することもありました。
蔦屋は歌麿の才能を見抜き、彼を専属絵師として育てましたが、寛政5年(1793年)頃から関係が悪化し、歌麿は他の版元からも作品を出版するようになりました。
それでも、蔦屋の出版した歌麿の美人画は、江戸の浮世絵市場で圧倒的な人気を誇り、莫大な利益を生んだと考えられています。
天明から寛政年間(1780年代〜1790年代)にかけて、蔦屋は歌麿の作品を含む出版事業で「目黒の隠居」と呼ばれるほどの富を築いたと言われています。
蔦屋の出版事業は、単なる浮世絵の販売にとどまらず、江戸の文化を牽引するメディア戦略の一環でした。
彼の成功は、歌麿の才能と、巧みなマーケティングの融合によるものだったのです。

