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コスプレイヤーから政治家

コスプレ職員誕生
北九州市育ちのJさんは、高校卒業後に18歳で北九州市役所に就職する。

一般的な社会人は入社したら働いて経験を積む。Jさんは入社後結婚して、子供3人出産、子育てというパターンだった。

本格復職した時は25歳。そんな折、市のPRや広報の活動をする観光課に部署異動になった。この異動が実は人生の転機となった。

上司から「市のPRのために何かのキャラのコスプレをして、門司区を全国区にできないか?」と無茶ぶりされる。

それは、Jさんが個人的に出場したハロウィンの仮装大会のイベントで優勝した実績があり、そのことが所内でも広まっていたからだった。

バナナ姫を作る
「じーも」「ていたん」などのゆるキャラはいるものの、それをコスプレするのには無理があった。

そんな時、門司港名物「バナナの叩き売り」にちなんだキャラクターとして、「バナナ姫ルナ」の完成していたイラストを発見する。

バナナの素晴らしさを伝える妖精だ。Jさんはバナナ姫のコスプレをすることに決める。

1.まず衣装がない。
予算がついていないので自分で作るしかない。

2.そもそも明確なキャラがない。
取材の時年齢をあえて伏せると「年齢は食べ頃」と書かれたり、設定がブレブレだった。

3.誰も知らない。
ある偶然によって解決した。門司港にある「関門海峡ミュージアム」の中に『バナナ資料室』ができるというローカルイベントに「バナナ姫ルナ」がかりだされた。

そこにはNHKの地方局、地元メディアが来ていて、翌日知り合いから「ニュース見たよ」のもの凄い量の連絡が来たという。

全国的に大きなニュースがなくて超平和はな日で、全国ネットのニュース番組で「バナナ姫ルナ」が取り上げられ、世間から大きな注目を集めたようだ。

市役所職員が大スターに
全国のメディアから問い合わせが殺到、1年で100回以上もメディア出演することになった。

コスプレ公務員として、九州スポーツの新聞に大々的に取り上げられた。

公務員がスポーツ紙に広告を打つことはないので、公務員が掲載されたことで反響が大きかったようだ。

バナナ姫の知名度が上がり有名になると、Jさんのことを探り始めた。

そこでJさん自体のキャラ設定を行った。天然でコスプレ好き、好きなものは本来はパクチーだがとにかくバナナ、三児のママなのに独身彼氏なし。

なぜ引退、なぜ政界へ?
平日は三児の子育て市役所職員、休日はバナナ姫ルナの2刀流を2年間続けた。

ママじゃないフリをするのが苦しい、そんな時部署の人事異動も重なり、バナナ姫引退を決意する。

NHK地方支局が旗を振ってメディアを集め、引退イベント開催する。2018年3月末バナナ姫引退。

しかし引退から半年で、個人的なボランティア活動として復活する。

その後北九州市の市議会議員としてトップ当選、2021年現在市議会議員として活動している。