ヘッドホン難聴、またはイヤホン難聴は、ヘッドホンやイヤホンを使って大音量で音楽などを長時間聞き続けることにより、音を伝える役割をしている有毛細胞が徐々に壊れて起こる難聴です。
以下に主な症状をあげてみます。
1.聴力の低下
少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていきます。
2.耳鳴り
キーンという金属音のような高い音が聞こえたり、ブーンという虫が飛んでいるような音が聞こえることもあります。
3.耳閉感
耳が詰まった感じや、耳の中にゴミが詰まったような、蚊やハエなどの虫が入ったような感じがすることもあります。
これらの症状は人それぞれで、一時的な聞こえにくさなど軽度な症状から、持続的な耳鳴り、重度の聴力低下など深刻な症状に至るまで幅広い範囲にわたります。
ヘッドホン難聴はじわじわと進行し、初期には自覚しにくいことが特徴です。
そのため、耳の違和感に気づいたら早めに受診することが大切です。
ヘッドホン難聴 原因
ヘッドホン難聴の主な原因は、ヘッドホンやイヤホンを使って大音量で音楽などを長時間聞き続けることです。
具体的には以下のようなメカニズムが関与しています。
1.有毛細胞の損傷
耳から入った音は、内耳の蝸牛（かぎゅう）という器官にある「有毛細胞」という細胞で振動から電気信号に変換され、脳に伝わることで聞こえるようになります。
しかし、自動車の騒音程度である85dB（デシベル）以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して、有毛細胞が傷つき、壊れてしまいます。
2.直接的な音の影響
特にヘッドホンやイヤホンは耳の中に直接音が入るため、周囲に音漏れするほどの大きな音で聞いていたり、長時間聞き続けたりすると、難聴が起こります。
一度有毛細胞が壊れてしまうと、基本的にこれをもとに戻すことはできません。
そのため、早期の予防が非常に重要となります。
具体的な予防策としては、大きすぎる音量で聞かない、長時間連続して聞かずに定期的に耳を休ませるなどが重要となります。
ヘッドホン難聴 治療
ヘッドホン難聴の治療については、以下のような方法が一般的に行われます。
1.耳の安静
有毛細胞が壊れる前であれば、耳の安静を図ることで回復します。
そのため、初期には耳栓を使う、定期的に耳を休ませるといった指導が行われます。
2.薬物療法
大音響などを聞いたあとに急に耳の聞こえが悪くなったときは、突発性難聴の場合と同様に、内服や点滴のステロイド剤による薬物療法が中心になります。
血管拡張薬（プロスタグランジンE1製剤）やビタミンB12製剤、代謝促進薬（ATP製剤）などを使うこともあります。
ただし、これらを行っても聴力が十分に改善しないこともあります。
また、一度有毛細胞が壊れてしまうと、基本的にこれをもとに戻すことはできません。
そのため、早期の予防が非常に重要となります。
ヘッドホン難聴 予防
ヘッドホン難聴を予防するためには、以下のような対策が効果的です。
1.適切な音量の設定
長時間ヘッドホンを使用する際は、音量を適切に調整しましょう。
音量が大きすぎると、耳への負担が増えるため注意が必要です。
一般的には、周囲の騒音を聞き取れる程度の音量に設定することが推奨されています。
2.定期的な休憩
長時間のヘッドホン使用後は、定期的に休憩を取ることが重要です。
耳への負担を軽減し、休息を与えることで健康な耳を保つことができます。
3.耳栓やノイズキャンセリング機能の活用
騒音の多い環境でヘッドホンを使用する場合は、耳栓を併用するか、ノイズキャンセリング機能を備えたヘッドホンを選ぶことで、耳への負担を軽減できます。
4.耳の清潔を保つ
耳の中を清潔に保つことも重要です。
耳垢や汚れが溜まると、聴覚に影響を与える可能性があります。
定期的に耳の清掃を行いましょう。
5.適切なヘッドホンの選択
耳にフィットし、長時間使用しても快適なヘッドホンを選ぶことも大切です。
耳への圧力が少ないタイプや、イヤーパッドが柔らかいタイプなどを選ぶと良いでしょう。
これらの対策を実践することで、ヘッドホン難聴を予防し、耳の健康を守ることができます。
これらの予防策を実践することで、ヘッドホン難聴のリスクを軽減することができます。
ただし、一度有毛細胞が壊れてしまうと、基本的にこれをもとに戻すことはできません。
そのため、早期の予防が非常に重要となります。
