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モンテ・クリストは巌窟王が原作だった

私はフジテレビのモンテ・クリスト伯を観てどツボにはまってしまいました。録画していますので今でも時々繰り返して観ます。レクサンドル・デュマの原作は『Le Comte de Monte-Cristo』です。

「巌窟王」というのは翻訳のタイトルなのですね。小説で読もうとすると翻訳本が全7巻になりますので、ちょっと私には無理ですね。原作から映画化された「The count of MONTE CRISTO」をDVDで観ていますので比較してみたいと思います。

映画のモンテ・クリスト伯
無実の男が投獄される → 脱獄 → 巨万の富を得る → 復讐の流れになりますが、映画では原作とはかなり違った脚本になっているとの評価もあります。

船乗りのエドモンは船長の具合が悪くなったので、小舟に乗り換えてある島に向かいました。そこにはフランス皇帝のナポレオが投獄されていました。

ナポレオに同行していた医者がいましたが、船長はすでになくなっていました。ほどなくしてナポレオから手紙をある人に渡して欲しいと依頼されました。この手紙が原因で投獄されることになります。

帰港してから行政官だったと思いますが、友人の通報によってナポレオとの接触した件で尋問されます。エドモンは字が読めないので特段問題になりませんでした。手紙を誰に渡すのかという問いに、行政官の父親の名前を出します。

家まで送るからといわれ、そのまま島の牢獄に送られます。そこにはもう一人老人が投獄されていました。エドモンとその老人の2人で脱獄するために石を削ってトンネルを掘っていきます。

老人は博識で、エドモンは彼から字や歴史や語学を学び、ひいては剣の使い方まで教わります。手作業で進めていたトンネルがもうすぐのところまで来た時、老人が最後を迎えることになります。

死ぬ間際に、ナポレオがモンテ・クリスト島に隠した財宝があることを教えられます。そしてそのありかが書かれている地図を貰います。その後老人の死体と入れ替わって脱獄します。13年の幽閉生活から脱出したのです。

財宝を発見するとお城を買い、モンテ・クリスト伯と名乗り復讐を開始していきます。ラストの裏切った友人との決闘までテンポ良く進んでいきます。かなり引き込まれましたね。

婚約者のメルセデスは、エドモンを裏切った友人のフェルナンと結婚したのですが、心変わりした訳ではありませんでした。当時エドモンの子を妊娠したことが分かり、子供を守るためのものでした。

フジテレビのモンテ・クリスト伯
こちらは、主人公の柴門暖(ディーン・フジオカ)が守尾漁業で一緒に働く仲間達(大倉忠義、新井浩文)に陥れられ、テロリストの汚名を着せられます。そして刑事(高橋克典)に逮捕され、その後異国の牢獄に15年間も閉じ込められてしまいます。

その牢獄にはある国の国王(田中泯演じるモンテ・クリスト)が幽閉されていました。現代版でも脱獄のために、2人で穴を掘り続けていきます。また国王から様々な教養を授けられていきます。そんなおり落盤して重症になります。

死ぬ前に、シンガポールの銀行の隠し金庫のパスワ-ドを教えて貰うことになります。このへんは現代版ならではですね。そして、中世版の映画のように死体と入れ替わって脱獄します。

手に入れた巨額な資産を背景に、モンテ・クリスト真海と名乗り、自分を陥し入れた人物に罠を仕掛け復讐をしていきます。ワクワクしましたね。しかし一生の愛を誓ったはずのすみれ(山本美月)が、暖を陥れた南条幸男(大倉忠義)にはしったことは割り切れなかったです。

しかも幸男は、香港でお世話になっていた俳優を裏切って死なせていました。その後彼は日本で有名な俳優になりました。復讐の対象として申し分ない設定ですね。しかし、幸男が自殺をはかるのですが、幸男のマネージャー(香港の俳優の娘)が助けるくだりは残念でした。

中世版と違って現代版は、登場人物が多く複雑に絡み合い危ない人達ばかりでした。入間公平(高橋克典)の妻・瑛理奈(山口紗弥加)は、親子3人にとって邪魔な人を何人も毒殺していました。神楽清(新井浩文)の妻・留美(稲森いずみ)と息子の安堂完治(葉山奨之)は近親相姦していました。

そんな中でも、守尾漁業の長男の守尾信一郎(高杉真宙)と入間公平の娘美蘭(岸井ゆき)との純愛がありました。壮絶な復讐劇ですが、中世版にはない設定で日本ならではの心配りを感じました。脚本が素晴らしいですね。

ラストは暖が自宅に火を放ち、この世から消えようとします。同席していた裏切り者達は、警察で暖は死んだと証言しました。しかし、海辺を歩く暖とそのそばに佇む女性の姿がありました。もしかしたら、かつての友人が助けたのかもしれませんね。

まとめ
私は元々リベンジ(復讐)もののドラマが好きです。今まで沢山の復讐劇を観てきましたが、モンテ・クリスト伯は秀逸だと思います。中世版も現代版も両方とも素晴らしいです。それぞれの時代背景を楽しんで頂けると思います。

中世版は131分です。お時間がある時に、テンポが良いので一気に楽しめると思います。日本版では、約15年後に再会する設定です。すみれが初めてモンテ・クリスト真海に会った時、暖だと気がついたといっていました。

しかし、他の昔の知り合い(復讐の対象者達)が全く気づないのは不自然過ぎます。でもこころところはスルーしましょう。純粋に復讐劇を楽しみましょう。そして、中世版と現代版を比較することで更に楽しむことができると思います。