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乾癬 症状 初期

乾癬は、慢性的な炎症性皮膚疾患で、初期の症状は非常に多様です。

主な初期症状は以下の通りです。

1.赤い斑状の皮疹
最初は小さな赤い斑点から始まり、次第に大きな赤い斑状の皮疹になります。

この皮疹は、時間とともに厚くなり、銀白色の鱗屑(フケ)ができます。

2.かゆみ
乾癬の皮疹ができると、その部分はかゆくなることがよくあります。

かゆみの程度は個人差が大きいです。

3.皮膚の乾燥
乾癬患部の皮膚は非常に乾燥しやすく、ひび割れを起こすこともあります。

4.関節痛
乾癬は関節症状を伴うこともあり、初期には関節の軽度の痛みや腫れが出ることがあります。

5.爪の変化
爪に白い斑点ができたり、爪が肥厚したり、はがれたりする症状が出ることもあります。

初期の乾癬は、他の皮膚疾患と見分けが付きにくいこともあります。

症状が進行すると、より典型的な乾癬の皮疹が現れてきます。早期発見と適切な治療が大切です。

症状が気になる場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。

乾癬 悪化すると
乾癬は皮膚の慢性炎症性疾患ですが、全身性の疾患でもあり、脳や末梢神経にも影響を及ぼす可能性があります。

1.脳への影響
乾癬患者では、健常人に比べて認知機能の低下や抑うつ、不安症状のリスクが高いことが報告されています。

乾癬による慢性炎症が、脳の神経伝達物質の異常や神経細胞の損傷を引き起こす可能性が指摘されています。

2.末梢神経への影響
乾癬性関節炎を伴う場合、関節の炎症により末梢神経が圧迫されて神経障害(しびれ、痛み等)が生じることがあります。

また、乾癬自体による血管炎で神経が障害される場合もあります。

3.脊髄への影響
非常にまれですが、乾癬に関連して脊髄炎(脊髄の炎症)を発症し、下半身の感覚障害や運動障害が出現する例が報告されています。

このように、乾癬は単なる皮膚疾患ではなく、全身性の炎症性疾患であり、中枢神経や末梢神経にも影響を及ぼす可能性があります。

重症例や合併症が疑われる場合は、専門医への受診が推奨されます。

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乾癬 原因

乾癬の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が複雑に関与していると考えられています。

1.遺伝的要因
乾癬には明らかな遺伝的素因があり、両親のどちらかが乾癬の場合、子供が発症する確率は約10%と高くなります。

特定の遺伝子変異が関与していることが分かっています。

乾癬の発症に関連する主な遺伝子変異は以下のとおりです。

*PSORS1遺伝子変異
PSORS1は最も密接に関連する乾癬感受性遺伝子座であり、HLA-C領域にあります。HLA-Cw6アリルと呼ばれる特定のHLA-C遺伝子変異が乾癬のリスクを高めます。

*IL12B遺伝子変異
IL12Bは炎症性サイトカインIL-12/23の一部をコードする遺伝子です。

この遺伝子の特定の一塩基多型が乾癬のリスクに関与すると考えられています。

*IL23R遺伝子変異
IL23Rは炎症性サイトカインIL-23の受容体をコードする遺伝子です。

この遺伝子の特定の非synonymous変異が乾癬のリスクを高めることが分かっています。

*IL36RN遺伝子変異
IL36RNはIL-36シグナル伝達経路の阻害タンパク質をコードしています。

この遺伝子の機能喪失変異は汎発型の重症乾癬に関連します。

*CARD14遺伝子変異
CARD14は皮膚ケラチノサイトで発現するタンパク質をコードしています。

この遺伝子の獲得変異は肥厚性乾癬の原因となります。

2.免疫異常
乾癬は、自己免疫疾患の一種と考えられています。

体の免疫細胞が過剰に活性化され、皮膚の新陳代謝が過剰になることで生じます。

サイトカインなどの炎症性物質も病態に関与しています。

3.外的ストレス
身体的、精神的ストレス、外傷、感染症、薬剤などが、免疫異常のトリガーとなり、乾癬発症や増悪の引き金となる可能性があります。

4.生活習慣
喫煙、過剰な飲酒、不規則な生活リズム、肥満などの生活習慣も、乾癬のリスク因子となり得ます。

炎症を起こす食品としては、

・動物性の飽和脂肪が多い食品(肉、乳製品など)

・精製された炭水化物(白米、白パンなど)

・トランス脂肪酸を含む加工食品

例えば、マーガリン、ショートニング、ベーカリー製品(クッキー、クラッカー、パイ生地など)、フライドポテト、フライドチキンなどの揚げ物、スナック菓子(ポテトチップス、プレッツェルなど)、ケーキミックスなどがあります。

これらの食品は体内の炎症を促進し、乾癬の症状を悪化させる可能性があります。

5. その他の要因
乾癬は、代謝異常や内分泌異常、特定の薬剤の使用なども原因の一つとされています。

このように、乾癬には遺伝と環境の両方の要因が関与していると考えられています。最近は、マイクロバイオーム(体内共生微生物)の異常も注目されています。発症機序の解明が進めば、より適切な治療法の開発につながると期待されています。

乾癬 治し方
乾癬の治療には、様々な方法があります。

症状の程度や病型、合併症の有無などにより、最適な治療法が選択されます。

主な治療法は以下の通りです。

1.外用治療
ステロイド外用剤、ビタミンD3外用剤、タール製剤などの外用薬が第一選択肢として用いられます。

炎症を抑え、フケを除去する働きがあります。

2.光線療法
紫外線療法は、中等症から重症例に有効です。

ナローバンド紫外線B(NB-UVB)療法や、再発を予防するためのホーム光線療法なども行われています。

3.全身療法
重症例や関節症状を伴う場合に、メトトレキサートなどの従来の全身療法や、近年開発された生物学的製剤による治療が選択されます。

4.ビオロジクス(生物学的製剤)
IL-17、IL-23、TNF-αなどの炎症性サイトカインの働きを抑える分子標的治療薬です。

注射や点滴で投与されます。

5.ヤヌスキナーゼ阻害薬
JAK阻害薬は経口薬で、サイトカインのシグナル伝達を遮断することで炎症を抑制します。

6.食事、生活習慣の改善
抗酸化作用の高い食事、適度な運動、禁煙、ストレス対策なども併せて行うことが重要です。

抗酸化作用のある食品は、

・野菜、果物

・魚介類(EPA、DHAを多く含む)

・緑茶

・ナッツ類

これらには抗酸化作用があり、炎症を抑える働きがあると考えられています。

症状がコントロールできない場合は、段階的に強力な治療法を選択していく必要があります。

早期から医師と相談し、自身に合った最適な治療法を見つけることが大切です。