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夏休みの宿題がいつもギリギリ!?

夏休みの宿題はイオレ2017年の調査によると、計画的48.6%、自力で終わらない24.2%、最後に慌ててやる23.6%、終わらないまま新学期を迎える3.6%で、自分の力で予定通り夏休みの宿題を終えられなかった子供が半数以上だったという。

なぜ夏休みの宿題がギリギリになってしまうのだろうか?

<明治薬科大学 駒田陽子准教授>
睡眠が不足すると自分自身や社会全体にどういうリスクが生じるか、良い睡眠をとらために何をしたらよいのかというような睡眠学を研究している。

学生達に緊急アンケートを実施したところ、57%が夏休みの宿題はいつもギリギリだったという。

説「ちゃんと寝ていないから
社会的時差ボケ=週末は寝だめをして睡眠負債を解消するというような新たな問題がある。これは、平日の睡眠中央値と休日の睡眠中央値ずれで把握することができる。

夏休みだからといって夜更かしや朝寝坊をすると、体のリズムが乱れ社会的時差ボケになってしまう。深夜まで起きている、朝まで起きているみたいになってしまう。

2020年ハーバード大学の公衆衛生チームの研究によると、社会的時差が大きい人ほど先延ばし行動が多くなるという。

平日の睡眠時間が短い人ほど、先延ばしすることが判明。夏休みの宿題がギリギリになってしまう人は、平日の睡眠時間が短い、社会的時差ボケを起こしていると考えられるという。

また成人30人を対象に、ぐっすり眠った、徹夜のそれぞれギャンブル時の脳を測定したところ、徹夜の方が勝ちに対する脳の反応が大きかった。

この結果は、睡眠不足では勝つことばかりに意識が向いてしまい冷静に判断できない。ぐっすり眠っていないと正常な判断ができない。宿題をやらなくても「何とかなるかな」という楽観的な見方をしてしまう。

<一橋大学 竹内幹准教授>
人が「困った!」に最適化のヒントを探るという行動経済学が専門。経済実験を重ねて分析。

説「1週間先しか見えないから
どの地域でも夏休みは1か月以上ある。それに対して締め切りを守れというのはかなり難しいのではないか。現在バイアス=将来の大きな利益よりも、目の前の小さなれ益を優先してしまう心理傾向。

現在バイアスの例として、夏休み開始直後 → 誘惑の木 → 夏休み最終日、誘惑の木に近づくにしたがって夏休み最終日が見えなくなる。

自信過剰バイアス=自分の能力や直感を根拠なく過大に評価してしまう心理傾向。これが働いて、自分はスーパーパワーを持っているかのように思ってしまいがち。やってみるとできない。

対策として、タスクを細分化すること。読書感想文のタスクは、本を選ぶ → 本を買う → 半分読む → 全部読む → 内容を考える → 読書感想文を書く

<國學院大學栃木短大 伊藤准教授>
日本文学が専門。室町から江戸時代の「お伽草子」を研究。現代のアニメ、漫画、ライトノベルなどエンタメ作品に通じるところがあるという。

説「人類700年の夢があるから
「物くさ太郎」がヒントになるかもしれない。物くさ太郎は夢と希望が詰まったアバターのようなもの、怠け者やダメ人間が大成するという物語。

現代の日本においても空前の大ブームが巻き起こしている「異世界転生」もの、現世ではパッとしない主人公が異世界に生まれ変わる、異世界ではヒーロー。

もの凄く楽をして英雄になる。小学生達も楽して英雄になりたい。宿題を実はやれると思いたい昔からの夢と願望があったから。宿題をする子供達の心の問題。