大腸がんのステージ4は、がんが最も進行した段階であり、周囲の組織や他の臓器に広がっている可能性が高いです。
ステージ4の大腸がんは、通常、リンパ節や他の遠隔部位に転移していることが特徴です。
以下は、大腸がんのステージ4の特徴的な要素と治療の一般的なアプローチについての情報ですが、具体的な状況によっては異なる可能性があります。
個々の症例に対する最適な治療は、患者の健康状態、がんの性質、および他の要因に基づいて決定されます。
医師との相談が必要です。
1.転移の有無
ステージ4の大腸がんは、通常、他の臓器に転移しています。
肝臓、肺、腹膜などへの転移が一般的です。
2.治療オプション
・手術
がんが局所的で、手術が可能な場合、手術が行われることがあります。
ただし、他の臓器への広がりが進んでいる場合、手術が難しいことがあります。
・化学療法
化学療法は、がん細胞を破壊するための薬物を使用する治療法です。
ステージ4の大腸がんでは、通常、全身性の治療として行われます。
・標的療法
特定のがん細胞を標的とする薬物を使用する治療法もあります。
・放射線療法
がん細胞を破壊するために放射線を使用する治療法です。
3.サポートケア
患者は、治療の副作用やがんに関連する症状の管理のためにサポートケアを受けることが重要です。
これには、疼痛管理、栄養サポート、精神的なサポートなどが含まれます。
※重要なのは、ステージ4の大腸がんに対する治療計画は個々の患者に合わせて決定されるべきであり、患者と医療チームの協力が欠かせません。
医師に相談し、詳細な情報を得ることが重要です。
大腸がん 予後
大腸がんの予後とは、大腸がんの診断から一定期間後に生存している割合や平均余命などを示す指標です。
大腸がんの予後は、大腸がんの種類や進行度（ステージ）によって大きく異なります。
一般的に、ステージが進むほど予後は悪くなります。
大腸がんの予後を表す指標の一つに、5年生存率というものがあります。
これは、大腸がんと診断された人のうち、5年後に生きている割合を示します。
5年生存率は、性別や年齢などの条件を同じにして、大腸がん以外の原因で亡くなる人を除いた相対生存率というものを用います。
5年生存率が高いほど、治療効果が高いと考えられます。
大腸がんの5年生存率は、2006～2008年のデータでは、男性で72.2%、女性で69.6%とがん全体と比較してやや高い数値でした。
ステージ別での5年生存率は、
ステージ1と2あわせて96.6%
ステージ3で72.1%
ステージ4で15.8%
と報告されています。
ステージ4の大腸がんは、他の臓器に転移があるため、予後が最も悪いとされています。
ステージ4の大腸がんの平均余命は、九州大学病院のグラフによると約20カ月です。
しかし、平均余命はあくまで目安であり、個人差が大きいことに注意が必要です。
また、転移の部位や数、治療の効果や副作用などによって、予後は変わる可能性があります。
大腸がんの末期症状としては、大腸の病変が大きくなることによる腹痛、吐き気、便秘、下痢、腹部膨満感などがあります。
また、腸閉塞や出血、腹水などの合併症も起こりやすくなります。
大腸がん末期のケアについては、症状や合併症に応じて、薬物療法や放射線療法、手術などの治療が行われます。
また、緩和医療やホスピスケアなどのサポートも必要になります。
大腸がんの予後は、早期発見・早期治療が重要です。定期的に大腸がん検診を受けることや、食生活や生活習慣の改善に努めることが予防につながります。
大腸がん 原因
大腸がんの原因は、一つではなく、複数の要因が重なって発生すると考えられています。
具体的には、食生活や生活習慣、遺伝的なリスクなどが挙げられます。
1.食生活
赤肉（牛・豚・羊の肉）や加工肉（ベーコン・ハム・ソーセージなど）を多量に摂取することや、食物繊維の摂取量が少ないことが大腸がんのリスクを高めるとされています。
これらの食べ物は、便に含まれる発がん性物質の影響を受けやすくしたり、便の通過時間を長くしたりすることで、大腸の粘膜にダメージを与えると考えられています。
2.生活習慣
喫煙や過度の飲酒、運動不足や肥満などが大腸がんのリスクを上げるとされています。
喫煙や飲酒は、発がん性物質を体内に取り込んだり、腸内の細菌叢を変化させたりすることで、大腸がんの発生を促進すると考えられています。
運動不足や肥満は、内臓脂肪が増えたり、インスリンや炎症性サイトカインなどの分泌が増えたりすることで、大腸がんの発生を促進すると考えられています。
3.遺伝的なリスク
家族性大腸腺腫症や遺伝性非ポリポーシス大腸がんなどの遺伝性の疾患がある場合や、家族内に大腸がんの罹患者が多い場合などが挙げられます。
これらの場合は、大腸がんの発生に関与する遺伝子に異常があることが原因で、大腸がんの発生率が高くなります。
※以上のように、大腸がんの原因はさまざまですが、食生活や生活習慣などは自分で改善できるものもあります。
大腸がんの予防のためには、バランスの良い食事や適度な運動、禁煙や節酒などを心がけることが大切です。
また、定期的に大腸がん検診を受けることも、早期発見・早期治療のために重要です。
大腸がん 検診
大腸がん検診は、便に混じった血液を検出する便潜血検査が一般的に行われています。
便潜血検査は、自宅で便を採取し、検査用のスティックに付けて送付する方法や、検査機関で直接便を採取する方法があります。
便は2日間分を採取することが推奨されています。
大腸がん検診は、40歳以上の健常者が対象となっており、毎年定期的に受診することが推奨されています。
便潜血検査で異常が見つかった場合は、精密検査として全大腸内視鏡検査を受ける必要があります。
全大腸内視鏡検査は、下剤で大腸を空にした後に、内視鏡を肛門から挿入し、大腸の全体を観察する検査です。
大腸がん検診は、自治体や保険組合などが実施する住民検診や、医療機関が実施する個人検診のどちらでも受けることができます。
住民検診は、自治体によって実施方法や費用が異なりますので、事前に確認してください。
個人検診は、自由に医療機関を選ぶことができますが、費用は自己負担となります。
※大腸がん検診は、早期発見・早期治療のために重要な検査です。
大腸がんの予防のためにも、食生活や生活習慣の改善に努めてください。
