子宮体がんの原因については、いくつかの要因が関与していますが、完全に明確にされているわけではありません。
しかし、以下に一般的に考えられているいくつかの原因を挙げてみます。
1.ホルモンの影響
子宮体がんの発症には、女性ホルモンであるエストロゲンの影響が関与していると考えられています。
特に、卵巣からのエストロゲンが過剰に分泌される状況が、子宮体がんのリスクを増加させる可能性があります。
このため、閉経後の女性や、エストロゲン補充療法を行っている女性にとってリスクが高まることがあります。
2.肥満
肥満はエストロゲンの生産を増加させることがあり、その結果、子宮体がんのリスクが増加する可能性があります。
3.年齢
子宮体がんは一般的に閉経後の女性によく見られます。
年齢が上がるにつれて、リスクが増加する傾向があります。
4.遺伝
子宮体がんは家族歴がある場合に、遺伝的な要因が関与している可能性があります。
遺伝的な変異や家族内での遺伝的な傾向が子宮体がんのリスクを増加させる可能性があります。
5.子宮内膜増殖症
子宮内膜増殖症は、子宮内膜の異常な増殖を特徴とする状態であり、子宮体がんのリスクを増加させることが知られています。
6.糖尿病
糖尿病と子宮体がんの発症リスクの間には関連性が示唆されています。
特に、2型糖尿病の患者は子宮体がんにかかるリスクが高くなる可能性があります。
※これらの要因は、子宮体がんのリスクを増加させる可能性がありますが、個々のケースにはさまざまな要因が関与しています。
定期的な健康診断や医師との相談を通じて、リスク因子を理解し、予防措置を講じることが重要です。
子宮体がん 検査
子宮体がん検査にはいくつかの方法がありますが、最も一般的な方法は子宮頸部細胞診(パピローマ試験)と子宮内膜細胞診(エンドメトリアルサイトロジー)です。
以下にそれぞれの検査について詳しく説明します。
1.子宮頸部細胞診(パピローマ試験)
パピローマ試験は、子宮頸部から細胞サンプルを採取して、細胞の異常を検出する検査です。
医師または看護師が子宮頸部にスペキュラム(器具)を挿入し、子宮頸管の細胞を特定の手技で子宮頸部表面から採取します。
採取された細胞は顕微鏡で検査され、異常があれば再検査や治療が行われます。
パピローマ試験は、子宮頸部の前がん病変やがんを早期に発見するために行われます。
2.子宮内膜細胞診(エンドメトリアルサイトロジー)
子宮内膜細胞診は、子宮内膜から細胞サンプルを採取して、異常を検出する検査です。
通常、子宮内膜を採取するためにエンドメトリアルサンプラーと呼ばれる器具を使用します。
採取された細胞は顕微鏡で検査され、異常があれば再検査や治療が行われます。
子宮内膜細胞診は、子宮内膜がんやその前がん病変を検出するために行われます。
※これらの検査は、子宮がんの早期発見や予防に非常に重要です。
異常が見つかった場合、早期に治療を開始することで治療成功の可能性が高まります。
定期的な検査を受けることが推奨されています。
子宮体がん 治療
子宮体がんは、子宮の内側の子宮内膜から発生するがんで、日本では年間約13,600人が発症しています。
子宮体がんの治療法は、がんの進行期や組織型、再発リスクなどによって異なりますが、基本的には手術が第一選択となります。
手術では、子宮と卵巣・卵管を取り除くことがほとんどですが、将来の妊娠を希望する場合や手術が困難な場合は、薬物療法や放射線治療などを行うこともあります。
手術の方法としては、開腹手術のほかに、腹腔鏡下手術やロボット支援下手術(ダヴィンチ)が保険適用されています。
これらの手術は、傷が小さく出血量が少なく、回復も早いというメリットがありますが、現在は初期の子宮体がんに限られています。
また、手術の技術や経験によっても結果が変わる可能性があるので、治療を受ける病院や医師をよく選ぶことが大切です。
手術後には、がんの組織型や拡がりによって再発リスクを評価し、必要に応じて化学療法や放射線治療などの治療を行います。
化学療法では、ドキソルビシンとシスプラチンの組み合わせ(AP療法)が推奨されていますが、副作用が強いため、パクリタキセルとカルボプラチンの組み合わせ(TC療法)も選択肢の一つとなっています。
最近では、免疫チェックポイント阻害薬という新しいタイプの薬物療法が注目されています。
これは、がん細胞によって抑制されている免疫システムを活性化させて、がん細胞を攻撃する仕組みです。
2018年12月に、子宮体がんに対して日本で初めて保険適用された免疫チェックポイント阻害薬はキイトルーダ(一般名ペムブロリズマブ)で、特殊組織型の子宮体がん(漿液性がんや明細胞がん)に効果があることが報告されています。
※ただし、この治療はまだ臨床試験の段階であり、全ての患者さんに効果があるわけではなく、副作用も起こる可能性があることに注意が必要です。
子宮体がん ステージ
子宮体がん ステージとは、がんが子宮のどの部分にあるか、子宮の外に広がっているか、リンパ節や他の臓器に転移しているかなどを示す指標です。
子宮体がん ステージは、手術で摘出したがんの組織を調べて決定されます。
子宮体がん ステージは、ローマ数字でⅠ期からⅣ期まで分けられます。
数字が大きくなるほど、がんの進行が進んでいることを意味します。
また、Ⅰ期からⅢ期の中には、さらにaやbなどの小分類があります。
子宮体がん ステージは、治療の選択や予後の判断に重要な役割を果たします。
一般的に、子宮体がん ステージが低いほど、治療の効果が高く、予後が良いといわれています。
しかし、子宮体がん ステージだけでなく、がんの組織型やグレード、患者さんの年齢や体の状態なども、治療や予後に影響します。
そのため、担当医とよく相談して、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
子宮体がん ステージの分類
ステージ 説明
Ⅰ期 がんが子宮内膜から発生し、子宮体部の壁に浸潤しているが、子宮外には広がっていない。
Ⅰa がんが子宮体部の壁の内側の1/2以下に浸潤している。
Ⅰb がんが子宮体部の壁の内側の1/2を超えて浸潤している。
Ⅱ期 がんが子宮頸部に広がっているが、子宮外には広がっていない。
Ⅲ期 がんが子宮外に広がっている。
Ⅲa がんが卵巣や卵管に広がっている。
Ⅲb がんが腟や子宮周囲の組織に広がっている。
Ⅲc がんが骨盤内や腹部のリンパ節に転移している。
Ⅳ期 がんが膀胱や直腸などの隣接する臓器に浸潤しているか、肺や肝臓などの離れた臓器に転移している。
Ⅳa がんが膀胱や直腸などの隣接する臓器に浸潤している。
Ⅳb がんが肺や肝臓などの離れた臓器に転移している。
子宮体がん 生存率
子宮体がんの生存率は、がんのステージや種類によって異なります。
一般的には、早期のステージであれば高く、進行したステージであれば低くなります。
子宮体がんのステージは、がんの大きさや子宮への浸潤度合い、リンパ節や他の臓器への転移の有無で分類されます。
以下に、ステージごとの5年生存率の平均値を示します。
ステージⅠ:約90%
ステージⅡ:約70%
ステージⅢ:約50%
ステージⅣ:約20%
また、子宮体がんの種類としては、類内膜がん、漿液性がん、明細胞がんなどがあります。
類内膜がんは最も多く、予後も良好です。
漿液性(しょうえきせい)がんや明細胞がんは比較的少ないですが、悪性度が高く、予後が悪いです。
※子宮体がんの予後は、生存率だけでなく、日常生活の質や心理的な側面も重要です。
治療に前向きに取り組み、医師や看護師などの専門家とよく相談することが大切です。


