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子宮腺筋症 症状

子宮腺筋症は、子宮内膜組織が子宮外に生じ、それが月経周期に伴って増殖、剥がれることで引き起こされる疾患です。

主な症状として以下のようなものが挙げられます。

1.月経不順
月経周期が乱れたり、不規則な出血があることがあります。

周期が短くなったり、長くなったりします。

2.激しい月経痛
子宮腺筋症の特徴的な症状の一つで、通常の生理痛よりも強い月経痛があります。

腰痛や下腹部の痛みも感じることがあります。

3.排尿障害
膀胱や尿管に影響を及ぼすことで、排尿困難や頻尿の症状が出ることがあります。

4.排便障害
腸や直腸を圧迫することで、排便が困難になることがあります。

便秘や排便痛が出ることがあります。

5.性交痛
性行為時に腹痛や深部の痛みを感じることがあります。

6.不妊症
子宮腺筋症が重度の場合、卵管や卵巣、子宮に影響を及ぼし、不妊の原因になることがあります。

7.その他の症状
その他にも、腹部の腫れ、腹部の圧迫感、体重増加などの症状が出ることがあります。

これらの症状は個人差があり、症状の程度も異なります。

また、月経周期や生活環境、ストレスなどの要因によっても症状が変化することがあります。

診断は主に症状と内診、超音波検査、MRIなどの画像診断によって行われます。

子宮腺筋症 原因
子宮腺筋症の正確な原因は完全には解明されていませんが、いくつかの理論や要因が提案されています。

一般的には以下のような要因が関与していると考えられています。

1.子宮内膜組織の逆行
通常は子宮内に存在するべき内膜組織が、子宮外に広がってしまうことがあります。

この組織が月経周期に応じて増殖、剥がれることで、炎症や組織の異常が引き起こされます。

2.遺伝的要因
子宮腺筋症は家族歴がある場合により頻繁に見られます。

遺伝的な要因が関与している可能性があります。

3.免疫系の異常
免疫系の異常が子宮腺筋症の発症に関与しているとの研究結果もあります。

免疫系の機能が異常を起こし、子宮内膜組織の子宮外への移動を促進する可能性があります。

4.ホルモンバランスの異常
子宮腺筋症はエストロゲンとプロゲステロンのホルモンバランスの影響を受けることが示唆されています。

これらのホルモンが子宮内膜組織の成長と剥離に影響を与え、症状を引き起こす可能性があります。

5.その他の要因
環境的要因やライフスタイル、栄養、ストレスなども子宮腺筋症の発症に関与する可能性がありますが、これらの要因の詳細な関連性はまだ明確ではありません。

症状や疾患の進行には個人差があり、複数の要因が組み合わさって発症することが考えられます。

子宮腺筋症の原因については、さらなる研究が行われることで理解が深まる可能性があります。

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子宮腺筋症 治療

子宮腺筋症の治療法は、症状の重症度や患者の希望に応じて異なります。

一般的な治療法には以下のようなものがあります。

1.薬物療法
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
炎症を軽減し、月経痛やその他の症状を和らげるために使用されます。

・ホルモン療法
経口避妊薬やホルモン補充療法を用いて、月経周期を調整し、内膜組織の成長を抑制することで症状を管理します。

・ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アナログ
生理活性を抑制し、子宮内膜組織の成長を抑えるために使用される場合があります。

2.手術療法
・子宮内膜摘出術(子宮内膜切除術)
子宮腺筋症の症状が重度であり、他の治療法が効果的でない場合に行われることがあります。子宮内膜組織を除去する手術です。

・子宮筋腫摘出術(ミオマ摘出術)
宮筋腫を取り除く手術ですが、子宮腺筋症の症状も緩和する場合があります。

・子宮全摘出術
重度の子宮腺筋症や合併症がある場合に行われることがあります。子宮を完全に摘出します。

3.その他の治療法
・アロマセラピー
アロマオイルやマッサージを用いて症状を緩和することが試みられることがあります。

・食事療法
健康的な食事や栄養補助食品を摂取することで、炎症や症状の管理に役立つことがあります。

治療法は患者の症状の程度や個々の状況に応じて選択されるべきです。

また、治療法の選択には将来的な妊娠の希望も考慮されるべきです。

医師との相談の上で、最適な治療法を見つけることが重要です。

子宮腺筋症 予防
子宮腺筋症は、子宮内膜に類似した組織が子宮平滑筋組織の中にできる疾患で、月経痛や月経血量の過多などの症状を引き起こします。

エストロゲンという女性ホルモンが子宮腺筋症を進展、増悪させるため、月経がある限り、子宮腺筋症は進行します。

以下は、子宮腺筋症の予防や改善に役立つ方法です。

1.バランスの良い食事
・野菜、果物、全粒穀物、健康的な脂肪、タンパク質を含む食品をバランスよく摂取しましょう。

・ビタミンB、ビタミンD、マグネシウム、鉄、亜鉛、オメガ3脂肪酸など、健康に必要な栄養素も摂るようにしましょう。

2.運動
・有酸素運動は、血流を増やし、体内の酸素を増やすため、子宮腺筋症の症状を軽減することができます。

・ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などがおすすめです。また、ストレスを軽減する効果もあります。

3.定期的な検診
・婦人科での検診を受けて、子宮の状態を確認しましょう。

・内診や経腟超音波検査などを通じて、子宮腺筋症の病変を早期に発見できます。

4.ストレス管理
・ストレスはホルモンバランスに影響を与える可能性があります。リラックス法やストレス軽減の方法を取り入れましょう。

5.適切な治療
・症状が強い場合は、医師の指導のもとで適切な治療を受けましょう。

・鎮痛剤、鎮痙剤、止血剤、ホルモン療法、子宮内膜焼灼術、子宮全摘術などが考慮されます。

子宮腺筋症は個人差がありますので、具体的な対策は医師と相談しながら進めていくことが大切です。

子宮腺筋症 子宮筋腫 違い
子宮腺筋症と子宮筋腫は、子宮の筋層に異常が起こる病気ですが、それぞれの違いがあります。

1.子宮筋腫
・できやすい年齢: 20代~50代

・できる場所: 子宮内部のどこにでも

・特徴:コブのような筋肉の塊ができ、徐々に大きくなります。多発することが普通です。

・自覚症状:おもに過多月経

・治療法:薬物療法、摘出手術。筋層との境目が明瞭なため、筋腫核のみ取り出すことは比較的容易です

2.子宮腺筋症
・できやすい年齢: 30代~50代

・できる場所: 子宮筋層

・特徴:子宮内膜組織が子宮筋層内にでき、月経のたびに出血し、子宮が肥大します

・自覚症状:過多月経、強い月経痛(月経困難症)、月経日数の延長など

・治療法:薬物療法、摘出手術。筋層との境目が不明瞭のため、病巣のみ摘出するのは特殊な方法です

3.子宮内膜症
・できやすい年齢: 20代~40代

・できる場所: 子宮以外のどこにでも(特に卵巣にできたものは「チョコレート嚢胞」と呼ばれます)

・特徴:子宮内腔以外の場所で子宮内膜組織ができ、月経のたびに増殖を繰り返して出血します

・自覚症状:月経痛(月経困難症)、慢性骨盤痛、性交痛、排便痛、不妊など

・治療法:薬物療法、病巣摘出手術。癒着が強い場合や病巣が深い場所にあると摘出が難しいこともあります

これらの違いを理解することで、適切な対処法を選ぶことができます。