尿路結石の初期症状は、個人差がありますが、一般的には以下のような症状が現れる可能性があります。
1.背中や腹部の鈍痛
尿路結石が移動したり尿管を通過したりすると、背中や腹部に鈍痛が生じます。
痛みは一定ではなく、時折増強することがあります。
2.血尿
結石が尿路を擦過すると、尿に少量の血液が混ざることがあります。
赤黒っぽい尿が出る場合もあります。
3.頻尿、残尿感
結石が尿管を通過する際に尿路が刺激され、頻尿や残尿感が生じる可能性があります。
4.悪心、嘔吐
激しい痛みに伴い、悪心や嘔吐を伴うこともあります。
5.発熱
結石による尿路感染症を併発すると、発熱を伴うことがあります。
※初期症状が軽微な場合は見逃されがちですが、上記のような症状が現れた場合は早期に医療機関を受診し、精査を受けることが大切です。
放置すると結石が大きくなり、疼痛が激しくなったり、重症化するリスクがあります。
尿路結石 原因 食べ物
尿路結石の原因の一つとして、食事内容が関係していると考えられています。
特に以下の食品が尿路結石のリスクを高める可能性があります。
1.動物性たんぱく質の多い食品
赤身肉、鶏肉、魚介類など動物性たんぱく質を多く含む食品を過剰に摂取すると、尿酸値が上がり尿酸塩結石のリスクが高まります。
2.塩分の多い食品
加工食品や濃い味付けの料理などに多く含まれる塩分は、カルシウムの尿中排泄を増やし、それによってカルシウム結石のリスクを上げます。
3.酸化したビタミンCの多い食品
フルーツジュースなどに多く含まれる酸化したビタミンCは、尿酸値を上げて尿酸塩結石のリスクになります。
4.オキサラート(シュウ酸塩)の多い食品
ナッツ類、コーヒー、チョコレートなどにはオキサラートが多く含まれ、カルシウムオキサラート結石の原因になり得ます。
※一方で、水分をしっかりと摂取したり、食物繊維の多い穀物や野菜を適量食べることは、結石のリスクを下げる効果があります。
バランスの良い食事を心がけることが大切です。
尿路結石 治療 薬
尿路結石の治療において、薬物療法が選択されることがあります。
主な薬剤と役割は以下の通りです。
1.鎮痛剤
結石に伴う激しい痛みを和らげるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やオピオイド系鎮痛剤が処方されます。
2.尿路結石溶解剤
一部の結石は薬剤で溶かすことができます。
・クエン酸製剤:シュウ酸カルシウム結石に効果的
・アロプリノール:尿酸結石に効果的
3.alfa-遮断薬
結石の排出を促進するため、alpha-遮断薬が使用されることがあります。
これらは尿管を拡張させ、結石の通過を容易にします。
4.抗生物質
合併症として尿路感染症を起こした場合は、抗生物質の投与が必要になります。
5. 利尿剤
利尿剤は結石の排出を促進する目的で使用されますが、一時的な対症療法に留まります。
※これらの薬物療法は、結石の種類、大きさ、症状の程度などにより選択されます。
結石が大きく排出が難しい場合は、体外衝撃波結石破砕術や内視鏡手術などの外科的治療が検討されます。
症状に応じた適切な薬物治療が重要となります。
尿路結石 石を早く出す方法
尿路結石の自然排出の目安は結石の大きさによります。
以下に一般的な目安を示します。
・結石の長径が1mm以下の場合、約87%が自然に排石され、平均的な排石までの日数は8.2日です。
・結石の長径が2mm~4mmの場合、約76%が自然に排石され、平均的な排石までの日数は12.2日です。
・結石の長径が4mm以上の場合、約39%が自然に排石され、平均的な排石までの日数は22.1日です。
また、結石の位置も排出の確率に影響します。
尿管結石の部位が膀胱に近ければ近いほど、排出する確率が高くなります1。
ただし、これらの数値は一般的な目安であり、個々の症状や体質により異なる場合があります。
結石が自然排出されない場合や、痛みが続く場合は、医療機関での治療が必要となることがあります。
尿路結石を早く排出するための一般的な方法には以下のようなものがあります。
1.十分な水分補給
1日2リットル以上の水分を摂取することで、尿量を増やし結石を尿と一緒に排出しやすくなります。
2.運動を心がける
歩行や軽い運動を行うことで、排尿時の腹圧がかかり、結石の排出が促進される可能性があります。
3.温かい飲み物をとる
体を温めることで尿管が柔らかくなり、結石の排出がスムーズになるかもしれません。
4.尿路拡張剤の服用
医師からアルファ遮断剤などの尿路拡張剤を処方されることがあり、尿管を柔らかくして結石の排出を助けます。
5.体位の工夫
仰向けや横向きの体位をとると、重力の影響で結石が下へ落ちやすくなります。
6.マッサージ
腹部や背中をマッサージすると、尿路の蠕動運動が促進され、結石排出に役立つ可能性があります。
※ただし、結石が大きすぎたり痛みが激しい場合は無理な排出は避け、速やかに医師に相談することが大切です。
尿路結石 予防法
尿路結石が一度形成されると厄介な理由は、結石が尿の流れを妨げ、強い痛みを引き起こすこと、また再発しやすい性質があること、そして結石の大きさや位置によっては積極的な治療が必要となることなどが挙げられます。
尿路結石の予防法としては、以下のようなことに気をつけることが重要です。
1. 十分な水分摂取
1日2リットル以上の水分を摂取し、尿をサラサラの状態に保つことが大切です。
尿が濃くなると結石がたまりやすくなります。
2.食事に気をつける
・動物性たんぱく質を控えめに
・塩分を控えめに
・食物繊維の多い食品を意識的に摂取する
・ビタミンCのサプリメントは避ける
3. カルシウムの過剰摂取を避ける
カルシウムは結石の原因になりますので、過剰に摂取しないよう気をつける必要があります。
4.肥満を避ける
肥満は尿酸値の上昇や尿の濃縮化を招き、結石のリスクが高まります。
適正体重を維持することが大切です。
5.運動を心がける
適度な運動を続けることで、体内の老廃物を効率よく排出できます。
6. アルコールを控えめに
アルコール摂取は尿酸値を上げ、結石の原因になるため控えめにすることが賢明です。
7. 定期的な健康診断
結石の早期発見のために、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
※生活習慣の改善と、バランスの良い食事を心がけることが、尿路結石を予防する上で重要なポイントとなります。