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心アミロイドーシス 症状

心アミロイドーシスは、アミロイドたんぱく質が心臓に異常沈着することによって生じる病気です。

主な症状は以下のようなものがあります。

1.心不全症状
・息切れ、息苦しさ

・むくみ(下肢、腹部など)

・易疲労感

2.不整脈
・動悸

・めまい

・失神

3.その他
・胸痛

・食欲不振

・体重減少

症状は徐々に進行し、初期には軽微な症状しか現れないことが多いため、発見が遅れがちです。

進行すると重症の心不全や伝導障害などが生じ、予後は不良となります。

原因疾患によって、アミロイドたんぱく質の種類や沈着部位が異なり、症状の現れ方も多様です。

早期に専門医による正しい診断と治療を受けることが重要とされています。

詳しくは、医師に相談されることをおすすめします。

心アミロイドーシス 原因
心アミロイドーシスの原因は大きく分けて2つあります。

1. 原発性(AL)アミロイドーシス
この場合、アミロイド線維の主な構成成分は異常に産生された免疫グロブリン軽鎖と呼ばれるたんぱく質です。

骨髄の形質細胞(plasma cell)が異常増殖することによりこの軽鎖が過剰に産生されます。

2. 老年性全身アミロイドーシス(野生型 transthyretin (TTR) アミロイドーシス)
この場合はTTRという正常たんぱく質が異常凝集し、アミロイド線維を形成します。

TTRは主に肝臓で産生されるため、この病気は後天的に起こります。高齢者に多く見られます。

その他に、遺伝子変異によるTTRアミロイドーシスなども原因になり得ます。

いずれの場合も、過剰に産生または異常な構造を持ったたんぱく質が全身の臓器に沈着することで臓器障害を引き起こします。

心臓への沈着が心アミロイドーシスにつながります。

早期発見と的確な原因診断が重要視されています。

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心アミロイドーシス 治療

心アミロイドーシスの治療は、原因となるアミロイドたんぱく質の種類によって異なります。

1. AL(原発性)アミロイドーシスの場合
・化学療法
異常形質細胞を減少させるため、メルファラン、ボルテゾミブなどの抗がん剤を使用

・自家末梢血幹細胞移植
高用量の化学療法で異常形質細胞を破壊し、健常な造血幹細胞を移植

・分子標的治療薬
プロテアソーム阻害剤など

2. TTR(遺伝性/老年性)アミロイドーシスの場合
・TTRテトラマー安定化療法
タファミディス、アグラホなどの経口薬剤

・RNA干渉(RNAi)療法
パトリシランなどのTTR産生抑制薬

・肝移植
TTR産生臓器を置換

3. 対症療法
・利尿薬、強心薬による心不全治療

・ペースメーカー/ICD植え込みによる不整脈治療

・肺高血圧治療薬

早期発見、治療開始が予後改善に重要です。

進行した場合は心臓移植が最終的な選択肢となります。

根治が難しい疾患ですが、近年新薬の開発などで治療法は進歩しつつあります。

専門医との緊密な連携が不可欠です。

心アミロイドーシス 余命
心アミロイドーシスの余命は、原因疾患の種類、重症度、治療の有無などによって大きく異なります。

一般的には、診断から中央値で約3-5年程度といわれています。

しかし、早期発見で適切な治療が行われた場合は、生存期間を延ばすことができます。

1.AL(原発性)アミロイドーシスの場合
・治療なしで1年未満が多い

・化学療法や自家移植で、一部の患者は5年以上生存

2.TTR(遺伝性/老年性)アミロイドーシスの場合
・緩徐に進行するため、発症から10年以上生存することも

・新薬の登場で更に予後が延長される可能性

重症の心不全や不整脈を合併すると、余命は大幅に短くなる傾向にあります。

定期的な心エコー検査などでフォローし、進行度を把握することが重要とされています。

まだ治療に難渋する面もありますが、早期診断と積極的な治療介入で生存期間の延長が期待できる病気ですので、専門医に相談することをおすすめします。

心アミロイドーシス 予防
心アミロイドーシスは、原因となるアミロイドたんぱく質の異常によって引き起こされる病気です。

従って、完全に予防することは難しいのが現状です。

しかしながら、リスクを低減させる対策はいくつかあります。

1. 遺伝性アミロイドーシスの場合
家族歴があれば、遺伝子検査を受けることで発症リスクを事前に知ることができます。

発症前に定期的な心臓検査を受け、初期症状に注意を払うことが重要です。

2. AL(原発性)アミロイドーシスの場合
原因は不明ですが、免疫異常が関与していると考えられています。

免疫力を高める生活習慣(適度な運動、バランスの取れた食事、禁煙など)が予防につながる可能性があります。

3. 老年性TTRアミロイドーシスの場合
加齢に伴う異常が原因なので、健康的なライフスタイルを送ることが予防策となります。

適度な運動、食事療法、生活習慣病の予防管理などが大切です。

いずれのタイプでも、定期的な健康診断で早期発見に努め、専門医と相談しながら経過観察を行うことが肝心です。

ハイリスク群では、予防的な治療介入が検討される場合もあります。