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急増する 1型糖尿病

なぜ、子供や若者に増えているのか?

1型糖尿病とは
1型糖尿病は、膵臓のインスリンを分泌するβ細胞が破壊されることで、インスリンがほとんど出なくなる病気です。

・1型糖尿病の原因
1型糖尿病は、主に自己免疫によって起こります。

自分の体のリンパ球が、誤ってインスリン工場である膵臓のβ細胞を破壊してしまうことで発症します。

・1型糖尿病の治療
1型糖尿病は、インスリンを分泌するβ細胞が破壊されているため、インスリン注射が必要となります。

インスリン注射は、食事や運動に合わせて調整する必要があります。

1型糖尿病の増加についてはいくつかの要因が考えられます。

以下に詳しく説明します。

1.生活習慣の変化
新型コロナウイルスのパンデミックにより、子供たちの身体活動や運動が制限され、在宅時間が長くなり、間食が増えたことなど生活習慣の乱れが2型糖尿病の増加につながったとの見方があります。

2.ウイルス感染
1型糖尿病の発症とウイルス感染との関連を示す報告もあります。

エンテロウイルス、ムンプス、麻疹、サイトメガロウイルス、レトロウイルスなどの感染が引き金になってインスリンを産出する膵臓のβ細胞の死を誘発して発症したことが報告されています。

3.遺伝的要素
1型糖尿病は特定の遺伝子と関連するとの見方があります。

特定の遺伝子を持つ人は家庭内発症が認められています。

・HLA遺伝子
HLA(ヒト白血球抗原)は、自己と非自己を識別する役割を担っています。

特定のHLA遺伝子型を持つことで1型糖尿病の発症率が高くなることが報告されています。

・インスリン遺伝子
インスリン遺伝子の多型と1型糖尿病との関連が認められています。

・CTLA4遺伝子
CTLA4は、抗原提示細胞によるヘルパーT細胞の活性化プロセスに対するブレーキ役を担っています。

CTLA4遺伝子の多型と1型糖尿病との関連が報告されています。

・PTPN22遺伝子
PTPN22遺伝子も1型糖尿病の発症に関与すると考えられています。

これらの遺伝子は「疾患感受性遺伝子」と呼ばれ、それぞれが1型糖尿病の発症に影響を与えると考えられています。

ただし、これらの遺伝子を持つからといって必ずしも1型糖尿病を発症するわけではなく、遺伝的要素はあくまで一部であり、環境要素や生活習慣などと組み合わさって発症すると考えられています。

4.新型コロナウイルス感染
新型コロナウイルス感染者は感染直後、とくに感染後3カ月で糖尿病を発症するリスクが高くなり、23週後には元に戻るという報告があります。

これらの要因が組み合わさることで、1型糖尿病の発症が増加していると考えられます。

しかし、これらの要因はあくまで一部であり、1型糖尿病の発症は個々の生活習慣や遺伝的要素、環境要素など複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

そのため、具体的な発症メカニズムはまだ完全には解明されていません。

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1型糖尿病 予防方法

1型糖尿病の予防方法については、現在のところ確立された方法はありません。

これは1型糖尿病が遺伝的要素やウイルス感染など、個々の生活習慣や環境要素など複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられているためです。

しかし、以下のような健康的な生活習慣を心がけることで、全体的な健康状態を保つことが可能です。

1.バランスの良い食事
適度なエネルギー量で、バランスの良い、規則正しい食事は健康維持の基本です。

また、食品中に含まれる目で見てわかりにくい油「隠れ油」や、アルコール、おやつの過剰摂取に注意し、なるべく減塩の食事をとるようにしましょう。

2.適度な運動
できるだけ外出時は歩く、エスカレーターより階段を使う、ひまな時間にストレッチをする、といったことを心掛けなしょう。

3.定期的な健康診断
定期的な健康診断を受け、早期に健康問題を発見し、適切な治療を受けることも重要です。

これらの生活習慣は、1型糖尿病だけでなく、他の慢性疾患の予防にも役立ちます。

ただし、これらの生活習慣を守ることが1型糖尿病を必ずしも予防するわけではないことを理解してください。

具体的な予防策や治療法については、医療専門家と相談することをおすすめします。

1型糖尿病 2型糖尿病 違い
1型糖尿病と2型糖尿病は、発症の原因や治療法が異なる2つの主要な糖尿病の形態です。

1型糖尿病
1型糖尿病は主に自己免疫反応により発症します。

体の免疫システムが誤ってインスリンを生成する膵臓のβ細胞を攻撃し、破壊します。

この結果、体はインスリンをほとんどまたは全く生産できなくなります。

1型糖尿病は通常、若年者に見られ、生活習慣は発症に無関係です1245。

治療としては、インスリン注射が必要になります。

2型糖尿病
2型糖尿病は主に生活習慣と遺伝的要素により発症します。

このタイプの糖尿病では、インスリンの分泌が低下したり、体がインスリンに十分に反応しなくなったりします。

2型糖尿病は一般的に成人に見られますが、近年では子供の肥満が増え、子供でも発症するケースが増えています。

治療は食事療法、運動療法、薬物療法(経口血糖降下薬、インスリン療法等)があります。

これらの違いを理解することは、糖尿病の管理と治療にとって重要です。

具体的な治療法や予防策については、医療専門家と相談することをおすすめします。