扁桃炎（扁桃腺炎）は、扁桃腺の炎症によって引き起こされる病気です。
主に細菌やウイルス感染が原因で発症します。
扁桃炎の主な症状に加えて、痰が出ることがあります。
以下に、扁桃炎の症状と痰について詳しく説明します。
〇扁桃炎の症状
1.喉の痛み
扁桃炎の最も一般的な症状は喉の痛みです。
痛みは飲み込む時に特に強く感じられます。
2.扁桃腺の腫れと赤み
扁桃腺が赤く腫れ、場合によっては膿が見えることもあります。
3.発熱
高熱が出ることがよくあります。
4.喉の乾燥と違和感
喉が乾燥し、違和感を感じることがあります。
5.リンパ節の腫れ
首のリンパ節が腫れて痛むことがあります。
6.声の変化
喉の腫れや炎症により声がかすれることがあります。
7.悪寒と倦怠感
全身の倦怠感や寒気を感じることがあります。
8.口臭
扁桃炎によって口臭が発生することがあります。
〇痰の症状
扁桃炎によって痰が出ることがあります。
これは、喉の炎症が原因で粘液が増加し、それが痰となって現れるためです。
痰は以下のような特徴を持つことがあります。
1.粘度の高い痰
痰は通常よりも粘り気が強いことがあります。
2.色の変化
痰の色が黄色や緑色になることがあります。
これは細菌感染の兆候であることが多いです。
3.量の増加
炎症によって分泌される粘液の量が増加するため、痰の量も増えることがあります。
4.痰による喉の不快感
痰が喉に絡み、違和感や不快感を引き起こすことがあります。
〇病院での診察
扁桃炎の症状が重い場合や、痰の色が変化したり量が増加したりする場合は、早めに医師の診察を受けることが重要です。
特に発熱が続く場合や、呼吸が困難になる場合は、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
扁桃炎 原因 疲れ
扁桃炎（扁桃腺炎）は、主に扁桃腺の細菌やウイルス感染によって引き起こされる病気です。
疲れが原因で扁桃炎が発症するわけではありませんが、疲れやストレスが免疫力を低下させることによって、扁桃炎が発症しやすくなることがあります。
以下に、扁桃炎の原因と疲れとの関連について詳しく説明します。
〇扁桃炎の主な原因
1.ウイルス感染
・風邪ウイルス
ライノウイルスやアデノウイルスなど、一般的な風邪の原因となるウイルスが扁桃腺に感染することがあります。
・インフルエンザウイルス
インフルエンザウイルスも扁桃炎の原因になることがあります。
・エプスタイン-バーウイルス（EBV）
伝染性単核球症（モノ）を引き起こすウイルスで、扁桃炎の原因となることがあります。
2.細菌感染
・A群β溶血性連鎖球菌
最も一般的な細菌性扁桃炎の原因であり、溶連菌性咽頭炎（ストレプトスロート）として知られています。
・その他の細菌
混合感染や他の細菌も原因となることがあります。
〇疲れと扁桃炎の関連
疲れやストレスが直接扁桃炎を引き起こすことはありませんが、これらの要因は免疫システムに影響を与え、感染に対する抵抗力を低下させることがあります。
具体的には以下のようなメカニズムが考えられます。
1.免疫力の低下
慢性的な疲労やストレスは免疫系の機能を低下させ、ウイルスや細菌に対する抵抗力を弱めることがあります。
これにより、扁桃腺が感染しやすくなります。
2.睡眠不足
十分な睡眠が取れていないと、免疫系の機能が低下し、病原体に対する防御が弱まります。
睡眠不足が続くと、扁桃炎にかかりやすくなります。
3.ストレス
精神的ストレスは体内のホルモンバランスに影響を与え、免疫機能を抑制することがあります。
ストレスが多いと扁桃炎を引き起こしやすくなります。
〇疲れによる影響を軽減する方法
扁桃炎を予防するためには、以下のような方法で疲れやストレスを管理し、免疫力を維持することが重要です。
1.十分な睡眠
1日に7?9時間の質の高い睡眠を確保することが推奨されます。
2.バランスの取れた食事
栄養バランスの取れた食事を摂ることで、免疫力を高めることができます。
3.適度な運動
定期的な運動はストレスを軽減し、免疫力を強化します。
4.ストレス管理
瞑想、深呼吸、趣味の時間を取るなど、ストレスを効果的に管理する方法を見つけることが大切です。
5.十分な水分補給
喉の乾燥を防ぎ、粘膜を健康に保つために水分を十分に摂取することが重要です。
〇医師の診察
疲れが原因で免疫力が低下し、扁桃炎の症状が現れた場合は、早めに医師の診察を受けることが重要です。
特に、発熱や喉の痛みが続く場合、または症状が重篤化する場合は、専門的な医療が必要です。
扁桃炎 治し方
扁桃炎の治療について説明します。
主な治療方法は以下の通りです。
1.安静と水分摂取
十分な休息を取り、水分を多めに摂取することが重要です。
2.薬物療法
・抗生物質
細菌性扁桃炎の場合、医師の処方に基づいて使用します。
・鎮痛剤、解熱剤
痛みや発熱を和らげるために使用します。
3.うがい
塩水やイソジンなどでのうがいは、症状緩和に効果があります。
4.食事の工夫
刺激の少ない柔らかい食事を心がけます。
5.手術療法（扁桃摘出術）
頻繁に再発する場合や合併症がある場合に検討されます。
扁桃摘出術は、口蓋扁桃（こうがいへんとう）を外科的に取り除く手術です。
1)手術の準備
・全身麻酔を行います。
・患者は仰向けに寝て、口を大きく開けた状態になります。
2)手術の方法
主に以下の2つの方法があります。
a) 従来法
メスや電気メスを使用して扁桃を切除します。
b) コブレーション法
低温の電磁波を使用して組織を蒸散させます。
コブレーション法は比較的新しい技術で、従来の方法と比べていくつかの利点がありますが、完全にリスクがないわけではありません。
コブレーション法の安全性と潜在的なリスクについて説明します。
◎利点
*低温で組織を除去するため、周囲の健康な組織へのダメージが少ない
*出血が少ない
*術後の痛みが軽減される傾向がある
*回復が早い場合が多い
▽潜在的なリスクと注意点
*出血
従来法と比べて少ないですが、術中・術後の出血のリスクは依然としてあります。
*感染
どの手術でも感染のリスクはあり、コブレーション法も例外ではありません。
*不完全な除去
扁桃組織が完全に除去されない可能性があり、再発のリスクがあります。
*熱損傷
低温とはいえ熱を使用するため、周囲の組織に軽度の熱損傷を与える可能性があります。
*機器の不具合
稀ですが、使用する機器の故障や誤作動のリスクがあります。
*長期的な影響
比較的新しい技術のため、長期的な影響についてはまだ研究段階の部分もあります。
*術者の経験
この技術に熟練した術者が行う必要があり、経験の少ない医師が行う場合はリスクが高まる可能性があります。
+コスト
従来の方法より高額になる場合があります。
※重要なのは、どの手術方法を選択するにしても、経験豊富な医師と十分に相談し、自分の症状や状態に最適な方法を選ぶことです。
また、手術前に詳細なインフォームド・コンセントを受け、リスクと利点を十分に理解することが大切です。
コブレーション法は多くの場合で安全に行われていますが、完全にリスクフリーな手術方法は存在しないことを認識しておくことが重要です。
3)手術の手順
・口腔内に器具を挿入し、扁桃を露出させます。
・扁桃周囲の組織から慎重に分離します。
・扁桃を完全に切除します。
・出血がある場合は止血処置を行います。
4)手術時間
通常30分から1時間程度です。
5)術後の経過
・1~2週間程度の回復期間が必要です。
・喉の痛みや軽度の出血が見られることがあります。
・軟らかい食事や水分摂取が推奨されます。
6)リスクと合併症
・出血、感染、麻酔に関連するリスクがあります。
・まれに味覚障害や発声への影響が生じることがあります。
7)術後のフォローアップ
定期的な診察を受け、回復状況を確認します。
※この手術は、慢性扁桃炎や頻繁に再発する扁桃炎、睡眠時無呼吸症候群などの症例で検討されます。
手術の適応については、耳鼻咽喉科医との詳細な相談が必要です。
6.代替療法
はちみつやプロポリスなどが症状緩和に役立つ可能性がありますが、効果は個人差があります。
※重要なのは、症状が重い場合や長引く場合は必ず医療機関を受診することです。
自己判断での治療は避け、専門家の指示に従うことが大切です。
扁桃炎 危険性
扁桃炎（扁桃腺炎）は、一般的には治療可能であり、多くの人が完全に回復しますが、適切に治療されない場合や重症化した場合には、いくつかの危険性や合併症が生じることがあります。
以下に、扁桃炎の危険性について詳しく説明します。
〇扁桃炎の主な危険性と合併症
1.膿瘍形成
・扁桃周囲膿瘍
扁桃腺の周りに膿が溜まることがあります。
これを扁桃周囲膿瘍（パリトンシラールアブセス）と呼びます。
膿瘍は非常に痛みを伴い、喉の奥にしこりや腫れを感じることがあります。
膿瘍が大きくなると、呼吸や飲み込みが困難になることがあります。
2.扁桃腺肥大
扁桃腺が大きく腫れることがあり、これが気道を狭くして睡眠時無呼吸症候群（SAS）を引き起こすことがあります。
特に子供では、扁桃腺の肥大が成長や発育に影響を及ぼすことがあります。
3.急性中耳炎
扁桃炎が原因で中耳炎を引き起こすことがあります。
これは特に子供に多く見られる合併症です。
4.慢性扁桃炎
扁桃炎が繰り返し発生すると、慢性扁桃炎と呼ばれる状態になることがあります。
この状態では、扁桃腺が慢性的に炎症を起こし、定期的な喉の痛みや不快感を感じることがあります。
5.腎臓や心臓の合併症
A群β溶血性連鎖球菌（溶連菌）による扁桃炎が適切に治療されない場合、リウマチ熱や糸球体腎炎（急性腎炎）などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。
リウマチ熱は関節や心臓にダメージを与えることがあり、糸球体腎炎は腎臓に炎症を引き起こします。
6.敗血症
非常に稀ですが、扁桃炎が重症化して細菌が血流に乗ると敗血症を引き起こすことがあります。
これは生命を脅かす状態であり、緊急の治療が必要です。
〇扁桃炎の予防と対策
扁桃炎のリスクを減らすためには、以下のような予防と対策が重要です。
1.適切な衛生管理
手洗いやうがいを徹底し、感染予防に努めることが重要です。
特にインフルエンザや風邪の流行時期には注意が必要です。
2.免疫力の維持
バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、免疫力を高めることが予防に繋がります。
3.禁煙
喫煙は扁桃腺に悪影響を与えるため、禁煙することが推奨されます。
4.定期的な医師の診察
扁桃炎の症状が現れた場合は、早めに医師の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。
特に、症状が重い場合や繰り返し発生する場合は、専門医の診察を受けることが推奨されます。
〇まとめ
扁桃炎は一般的には治療可能な病気ですが、適切に管理されないと様々な危険性や合併症が発生する可能性があります。
特に膿瘍形成や慢性化、腎臓や心臓の合併症などは注意が必要です。
早期の診断と適切な治療、そして予防策の実践が、扁桃炎による危険性を最小限に抑えるために重要です。
