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猫背 呼吸機能の低下

猫背は、背中が丸まった前傾姿勢のことを指します。

この姿勢が長期化すると、以下のような呼吸機能の低下をはじめとする様々な問題が起こる可能性があります。

1.呼吸機能の低下
猫背になると胸郭が圧迫され、肺の拡張が阻害されます。

そのため、肺活量(最大吸気から最大呼気までの空気の量)が低下し、十分な酸素を取り込めなくなります。

2.呼吸筋の疲労
猫背では、呼吸に関わる筋肉(肩甲骨周囲の筋肉、肋間筋など)が過剰に伸び、効率的に機能できなくなります。

その結果、呼吸筋が疲労しやすくなります。

3.無呼吸の発症リスク増加
胸郭が圧迫されると、気道が狭くなり無呼吸の発症リスクが高まります。

4.肺機能の低下
長期的な猫背は、肺の弾力性を低下させ、気腫性変化を引き起こす可能性があります。

猫背を是正し、正しい姿勢を保つことが重要です。

猫背が習慣化している場合は、姿勢の自己チェックや筋力トレーニング、ストレッチなどで改善を図ることをおすすめします。

呼吸障害など健康面の不安がある場合は、医師に相談することが賢明でしょう。

猫背 誤嚥
猫背は誤嚥(食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまうこと)のリスクを高める可能性があります。

その理由は以下の通りです。

1.頸部の過度な前屈
猫背になると、頸部が前に折れ曲がった状態になります。

この姿勢では、食道と気管の走行がつぶれやすくなり、誤嚥を起こしやすくなります。

2.咽頭機能の低下
正しい姿勢を保つことで機能する咽頭筋が、猫背では緊張が高まり適切に機能しなくなります。

咽頭の輪状咽頭筋の開大不全が起こり、誤嚥のリスクが高まります。

3.嚥下反射の低下
猫背では、頸部の屈曲により嚥下関連神経への影響が出る可能性があり、嚥下反射が鈍くなることがあります。

4.肺機能の低下
猫背は肺活量の低下をまねき、誤嚥した場合の排出力(咳の力)が低下する恐れがあります。

特に高齢者の場合、筋力の低下と相まって、猫背による誤嚥のリスクは高くなります。

誤嚥性肺炎を引き起こす危険もあるため、日頃から正しい姿勢を心がけ、嚥下機能を維持することが重要です。

摂食時の姿勢にも気を付ける必要があります。

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猫背 圧迫骨折

猫背姿勢は、圧迫骨折のリスクを高める可能性があります。

その理由は主に以下の点です。

1.脊柱への過剰な負荷
猫背では、背骨の生理的な湾曲がくずれ、特に胸椎部に過度の負荷がかかります。

この異常な力の加わり方が、椎体に微小な破壊(骨折)を生じさせる原因となります。

2.骨密度の低下
猫背では、重力による椎体への圧力が適切に分散されません。

特定の椎体に力が集中し、その部分の骨密度が低下する恐れがあります。

骨密度が低ければ、骨折のリスクも高くなります。

3.筋力の低下
猫背を長期間放置すると、背筋を中心とした体幹筋力が低下します。

筋力低下は、椎体を保護する機能が失われ、骨折につながります。

4.バランス障害
猫背はバランス能力を低下させるため、転倒による外力が加わりやすくなり、骨折の危険が高まります。

特に高齢者の場合、骨粗鬆症も加わり、猫背による圧迫骨折のリスクは一層高くなります。

猫背を放置せず、積極的に姿勢の矯正に取り組むことが重要となります。

適度な運動習慣や食事など、全身の健康維持にも気を付けましょう。

猫背 食道裂孔ヘルニア
猫背姿勢は、食道裂孔ヘルニアの発症やその症状の悪化につながる可能性があります。

その理由は以下の通りです。

1.腹圧の上昇
猫背では、上半身が前傾姿勢になるため、内臓への圧迫が強まり、腹圧が上昇します。

腹圧の上昇は、食道裂孔部の緊張を高め、ヘルニア嚢が押し上げられやすい状態になります。

2.横隔膜の機能低下
正常な姿勢では、横隔膜は楕円形をしていますが、猫背では扁平化し、食道裂孔部への圧迫が強まります。

これがヘルニア形成の一因となります。

3.腹腔内圧の上昇
猫背では腹壁の緊張が高まり、腹腔内圧が上昇します。

この圧力が食道裂孔部に作用し、ヘルニア嚢が押し上げられやすくなります。

4.食道括約機能の低下
猫背により食道の走行が湾曲すると、下部食道括約筋の機能が低下し、逆流が起こりやすくなります。

これがヘルニア症状を悪化させます。

症状がある場合は、姿勢の矯正と並行して、食事療法や内服治療、手術などの対症療法を受ける必要があります。

猫背は放置せず、早期の改善に努めましょう。

猫背 逆流性食道炎
猫背姿勢は、逆流性食道炎のリスクを高める可能性があります。

その理由は以下のようなことが考えられます。

1.食道入口部の開大
猫背になると上半身が前傾し、横隔膜や腹圧が食道入口部に影響を与えます。

これにより、食道入口部が開大しやすくなり、逆流が起こりやすい状態になります。

2.食道の屈曲
猫背では胸郭が圧迫されるため、食道が過度に屈曲した状態になります。

この屈曲部分で、食物や胃酸が通りにくくなり、逆流しやすくなるのです。

3.下部食道括約筋の機能低下
食道と胃の接合部にある下部食道括約筋の働きが低下し、胃内容物が食道内に逆流しやすくなります。

猫背による食道の変形がこの機能低下の一因とされています。

4.重力の影響
猫背により上半身が前傾すると、胃内容物が食道入口部に向かって押し上げられやすくなり、逆流が促進されます。

逆流性食道炎を予防するには、猫背を正す姿勢の改善が重要です。

また、食生活の改善や体重管理、禁煙なども有効な対策となります。

症状が続く場合は医療機関を受診し、適切な治療を受けることが賢明です。