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甲状腺がん 症状

甲状腺がんは、甲状腺組織でがんが発生した状態を指します。

甲状腺は、のどの前部にある小さな腺で、ホルモンの甲状腺ホルモンを生産し、代謝や成長に関与しています。

以下は、甲状腺がんの一般的な症状ですが、注意が必要であり、これらの症状が出た場合は早めに医師に相談することが重要です。

1.甲状腺腫脹(腫れ)
甲状腺がんが進行すると、腫瘍が腺組織内に形成され、のどの前に腫れが現れることがあります。

2.のどの不快感や圧迫感
腫れが進行すると、のどに不快感や圧迫感が生じることがあります。

3.声のかすれ
甲状腺腫瘍が近くの神経や組織に圧力をかけると、声がかすれることがあります。

4.嚥下困難
甲状腺が腫れていると、嚥下(飲み込むこと)が困難になることがあります。

5.リンパ節の腫れ
がんが進行すると、近くのリンパ節が腫れることがあります。

6.甲状腺ホルモンの異常
一部の甲状腺がんは、甲状腺ホルモンの過剰分泌を引き起こすことがあり、これが体内の代謝に影響を与える可能性があります。

7.甲状腺結節の急激な増大
既存の甲状腺結節が急激に大きくなることがあります。

甲状腺がんは初期段階では症状が目立ちにくいことがあり、検診や定期的な健康診断が重要です。

症状が見られた場合は、早期発見と治療が重要ですので、迅速に医師の診察を受けることが推奨されます。

甲状腺がん 原因
甲状腺がんの具体的な原因はまだ完全には解明されていませんが、いくつかのリスク要因が関連しています。

以下は、甲状腺がんの原因に関する一般的な要因や考えられる要素です。

1.遺伝的要因
遺伝的な傾向がある場合、家族に甲状腺がんの歴史があると、個人の発症リスクが高まる可能性があります。

一部の遺伝子変異も甲状腺がんのリスクと関連していると考えられています。

2.放射線暴露
頭部や首部に放射線治療を受けたことがある場合、特に幼少期に受けた治療が甲状腺がんのリスクを増加させることがあります。

また、放射線の影響を受けた地域での生活もリスク因子とされています。

3.甲状腺疾患の歴史
甲状腺結節、甲状腺腫瘍、甲状腺炎などの甲状腺関連の疾患の歴史がある場合、甲状腺がんの発症リスクが高まる可能性があります。

4.年齢と性別
甲状腺がんは通常、中年から後期の成人によく見られます。また、女性の方が男性よりも発症しやすい傾向があります。

5.ヨウ素の過剰摂取または不足
ヨウ素は甲状腺ホルモンの重要な構成要素であり、ヨウ素の過剰摂取や不足が甲状腺がんのリスクに影響する可能性があります。

ただし、これは地域によって異なることがあります。

6.喫煙
喫煙は一部の研究で甲状腺がんのリスクと関連しているとされていますが、そのメカニズムはまだ完全には理解されていません。

7.ホルモン療法
過去に甲状腺関連の疾患を治療するためにホルモン補充療法を受けた場合、甲状腺がんの発症リスクが増加することが報告されています。

これらの要因が一つまたは複数組み合わさることによって、甲状腺がんの発症リスクが増加する可能性があります。

ただし、これらの要因がすべての患者に当てはまるわけではなく、個々の状況によって異なります。

甲状腺がんの具体的な原因については、今なお研究が進行中です。

甲状腺がん 治療
甲状腺がんの治療は、がんの種類、ステージ、患者の年齢、一般的な健康状態などに基づいて個々に決定されます。

主な治療法には以下のようなものがあります。

1.手術(甲状腺摘出術)
甲状腺がんのほとんどの場合、手術が主要な治療法となります。

手術の範囲はがんのタイプやステージによって異なり、一般的には甲状腺全体または一部を摘出する手術が行われます。

手術後、甲状腺ホルモンの補充療法が必要な場合があります。

2.放射線療法
手術後やがんが周囲の組織に広がっている場合、放射線療法が行われることがあります。

これはがん細胞を破壊し、再発を防ぐために使用されます。

3.甲状腺ホルモン補充療法
甲状腺全摘出の場合、甲状腺ホルモンが不足するため、生涯にわたって甲状腺ホルモン補充療法が必要になります。

これにより、体内のホルモンバランスが維持され、患者の健康がサポートされます。

4.化学療法
甲状腺がんは一般的に化学療法にはあまり反応しないことが多いため、通常は他の治療法が優先されます。

ただし、特定の状況下で化学療法が検討されることもあります。

5.薬物療法
内分泌療法、分子標的療法、細胞障害性抗がん薬などの方法があります。

内分泌療法は、甲状腺ホルモンの分泌を抑えることで、がんの成長を阻止する方法です。

分子標的療法は、がん細胞の特定の分子に作用する薬剤を用いて、がんの増殖や転移を防ぐ方法です。

細胞障害性抗がん薬は、がん細胞の分裂を妨げることで、がんの進行を抑える方法です。

6.経過観察(ウォッチフル・ウェイティング)
一部の低リスクの甲状腺がんでは、手術後の経過観察が選択されることもあります。

これは、がんが進行していない場合や他の治療が不要な場合に採用されるアプローチです。

7.光免疫療法
近年では、光免疫療法という治療法も注目されています。

これは、がん細胞に特異的に結合する抗体と光に反応する物質を組み合わせて、がん細胞を光で殺す方法です。

治療計画は個々の患者に合わせて決定されるため、医師との密な相談が重要です。

治療の目的はがんを制御し、再発を防ぐことであり、患者の生活の質を最大限に保つことが求められます。

甲状腺がん 予後
甲状腺がんの予後は、がんの種類やステージによって異なります。

一般的に、甲状腺がんは予後の良いがんとされており、全体の5年生存率は94.7%と推計されています。

しかし、遠隔転移がある場合の5年生存率は47%まで低下してしまいます。

また、悪性度の高い未分化がんの場合、平均余命は4~6か月程度と非常に短くなります。

甲状腺がんの予後については、以下のようなポイントがあります。

甲状腺がんの種類は、乳頭がん、濾胞がん、低分化がん、未分化がん、髄様がんなどがあります。

乳頭がんと濾胞がんは分化型の甲状腺がんと呼ばれ、予後が良いとされています。

低分化がんは分化型と未分化型の中間のような性質を持ち、予後はやや悪くなります。

未分化がんは予後が非常に悪いとされています。

髄様がんは遺伝性を示すこともあり、予後は分化型よりも悪くなります。

甲状腺がんのステージは、がんの大きさや浸潤度合い、リンパ節転移や遠隔転移の有無によって分けられます。

ステージはⅠからⅣまであり、数字が大きいほど進行度が高くなります。

ステージ別の5年生存率は、

ステージⅠ 100.0%
ステージⅡ 98.6%
ステージⅢ 99.0%
ステージⅣ 73.2%

となっています。

ステージⅣの中でも、遠隔転移がある場合は予後が悪くなります。

甲状腺がんは早期発見・早期治療が予後に大きく影響するため、甲状腺がん検診を受けることや、首にしこりや痛みなどの異常があれば医療機関を受診することが大切です。