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肥満症とは

肥満症は、体重が過剰であり、健康に影響を及ぼす状態を指します。

一般的に、肥満は身体の脂肪組織が異常に多い状態を指し、その結果として体重が増加します。

肥満は様々な要因によって引き起こされる可能性がありますが、最も一般的な原因は、エネルギー摂取がエネルギー消費よりも多い場合に起こります。

肥満は健康に様々なリスクをもたらすことが知られています。

肥満は糖尿病、高血圧、心臓病、脳卒中、特定のがん、関節炎などの病気のリスクを増加させる可能性があります。

また、肥満は精神的な健康にも影響を及ぼし、うつ病や不安障害などの精神疾患のリスクを高めることがあります。

肥満は、体重を減らすことや健康的な生活習慣を取り入れることで管理することができます。

健康的な食事、適切な運動、ストレス管理、睡眠の充実などが、肥満管理のための重要な要素です。

また、医師や栄養士との相談を通じて、個々の状況に合わせたアプローチを見つけることも重要です。

肥満症 ガイドライン
「肥満症診療ガイドライン2022」は、肥満症の診療を取り巻くさまざまな進歩を踏まえ、6年ぶりに改訂されました。

以下に主なポイントを要約します。

1.肥満症の定義
BMI 25 kg/m2以上を肥満とし、健康障害を合併する肥満や内臓脂肪型肥満と診断される場合を肥満症と定義しています。

BMI(Body Mass Index)は体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値で、肥満度を示す指標です。

BMIが25 kg/m2以上の場合、それは肥満と定義されます。

具体的な例を挙げると、以下のようになります。

・身長が1.7mで体重が72.25kgの場合:25kg/m2

・身長が1.6cmで体重が64kgの場合:25kg/m2

これらの例では、それぞれの人物のBMIは25 kg/m2で、これは肥満の閾値(しきいち=変化が起こる基準や限界のこと)です。

ただし、BMIはあくまで一つの指標であり、健康状態を評価する際には他の要素も考慮する必要があります。

2.治療の目的
治療の目的は体重を大きく減量することではなく、減量によって健康障害を予防・改善することです。

3.新設された章
高度肥満症、小児と高齢者の肥満・肥満症、肥満症の治療薬の適応および評価基準などの4つの章が新設されました。

4.スティグマ解消
肥満症に対する社会的な認識や偏見(スティグマ)の解消を目指しています。

5.高度肥満症の治療
高度肥満症は食事療法、運動療法、行動療法に抵抗性があり、薬物療法や外科手術も選択肢として考慮する必要があるとされています。

詳細な内容については、ガイドライン本文をご覧いただくことをおすすめします。

【PR】肥満症診療ガイドライン2022

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肥満症 原因

肥満症の原因は複数あり、一般的には以下の要因が関与しています。

1.遺伝的要因
遺伝的な傾向は肥満のリスクに影響を与える可能性があります。

特定の遺伝子や家族歴が肥満と関連していることがあります。

2.食事と栄養
過剰なカロリー摂取、高脂肪や高糖質の食事、栄養バランスの乱れなど、不健康な食生活が肥満の原因となります。

3.運動不足
運動不足はエネルギーの消費が十分でないため、摂取したカロリーが脂肪として蓄積されやすくなります。

4.生活習慣
睡眠不足、ストレス、喫煙、アルコールの過剰摂取などの生活習慣が肥満のリスクを高める可能性があります。

5.環境要因
現代社会では、環境の変化が肥満の増加に影響を与えています。

食事の大型化、加工食品の普及、座りがちな生活スタイルなどが挙げられます。

6.心理的要因
ストレス、うつ病、不安などの心理的側面も肥満の原因となる可能性があります。

これらの状態は、過食や運動不足などの不健康な行動を引き起こすことがあります。

これらの要因はしばしば複雑に絡み合い、個々の人々の肥満リスクを異なる程度で影響します。

肥満を管理するためには、個々の状況に応じた栄養バランスの取れた食事、適度な運動、健康的な生活習慣の確立が重要です。

また、医師や栄養士の指導を受けることも効果的です。

肥満症 合併症
肥満症は、BMIが25以上で、肥満による健康障害(合併症)が1つ以上あるか、健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積がある場合に診断されます。

以下に、肥満症の主な合併症について詳しく説明します。

1.耐糖能異常(2型糖尿病・耐糖能異常など)
肥満の人では主にインスリンの効きが悪くなることで、血糖値が上がりやすくなります。

2.脂質異常症
肥満になると、中性脂肪が増加しHDLコレステロールが減少して脂質異常症になりやすくなります。

3.高血圧
肥満の人はそうでない人に比べて高血圧症を発症する確率が2-3倍高くなると言われています。

4.高尿酸血症・痛風
肥満の人では腎機能の低下によって尿酸の排泄が不十分になり、尿酸がたまりやすくなります。

5.冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)
肥満は心臓に大きな負担をかけ、冠動脈疾患のリスクを高めます。

6.脳梗塞(脳血栓症・一過性脳虚血発作)
肥満は脳血管に大きな負担をかけ、脳梗塞のリスクを高めます。

7.脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/NAFLD)
肥満の人では、肝臓に脂肪が蓄積しやすくなります。

8.月経異常及び妊娠合併症(妊娠高血圧症候群,妊娠糖尿病,難産)
肥満の女性では、月経異常や妊娠時の合併症のリスクが高まります。

9.睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満低換気症候群
肥満の人は、睡眠時無呼吸症候群や肥満低換気症候群のリスクが高まります。

10.整形外科的疾患(変形性関節症(膝,股関節)、変形性脊椎症,腰痛症)
肥満の人は、関節や脊椎に大きな負担をかけ、整形外科的疾患のリスクを高めます。

11.肥満関連腎臓病
肥満は腎臓に大きな負担をかけ、肥満関連腎臓病のリスクを高めます。

これらの合併症は、肥満症の治療としての減量によって予防・改善することが可能です。

具体的な治療法や対策については、医療専門家と相談することをおすすめします。

肥満症 治療薬
ウゴービは、肥満症治療薬として開発されたもので、主成分は持続性GLP-1受容体作動薬のセマグルチド(遺伝子組換え)です。

ウゴービは日本でも入手可能です。

ウゴービは2023年11月22日に薬価収載され、2024年2月22日に発売されます。

ただし、供給体制が整っていないため、十分な在庫が確保されていない可能性があります。

詳細な情報や最新の状況については、医療専門家や薬局にご確認ください。

以下に、その効果と注意点について詳しく説明します。

効果
1.肥満症治療
ウゴービは、BMIが27以上(身長170cmで78kg)で、高血圧、高脂血症、糖尿病のうち2つ以上を合併しているものか、あるいは、BMIが35以上(身長170cmで101kg)で高血圧、高脂血症、糖尿病の何れかを合併している患者に対して使用されます。

2.体重減少
ウゴービの投与により、体重が14.9%も減少したという報告があります。

注意点
1.副作用
ウゴービの使用により、3~4割の患者に悪心や下痢などの消化器症状が発生する可能性がありますが、多くは自己制御可能で、基本的には安全とされています。

2.筋肉量の減少
急激な減量により、脂肪よりも筋肉が減ってしまう可能性があります。

これは「サルコペニア肥満」と呼ばれ、通常の肥満よりも生活習慣病に罹りやすく、運動能力、特に歩行能力が低下することが分かっています。

3.皮膚の皺やたるみ
急速な減量は皮膚の皺やたるみを増やしてしまう可能性があります。

以上の情報は一部であり、詳細な情報や最新の知見を得るためには、医療専門家と相談することをおすすめします。

また、ウゴービの使用にあたっては、あらかじめ肥満症治療の基本である食事療法、運動療法を行っても、十分な効果が得られない場合で、薬物治療の対象として適切と判断された患者のみを対象とすることが重要です。