脳出血の初期症状は、発症の場所や範囲によって様々です。
一般的な初期症状には以下のようなものがあります。
・突然の激しい頭痛
・吐き気や嘔吐
・視力障害や複視
・言語障害
・片麻痺や筋力低下
・意識障害や昏睡状態
脳出血は脳内の血管が破れ、出血することで起こります。
血腫ができると周囲の脳組織を圧迫するため、これらの症状が現れます。
※初期症状が現れた場合は、すぐに救急車を要請し、迅速に病院で検査と治療を受ける必要があります。
早期発見と適切な治療が重要です。
一方で、くも膜下出血のように出血の場所によっては、軽い頭痛から始まり、次第に症状が悪化することもあります。
このように、初期症状のあり方は様々です。
いずれの場合も、頭の異常を感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。
迅速な対応が、後遺症を最小限に抑えるためにも重要となります。
脳出血 原因 多い順
脳出血の主な原因を多い順に説明します。
1.高血圧
高血圧は脳出血の最大の危険因子です。
長期的な高血圧は脳血管を傷つけ、出血のリスクを高めます。
2.脳動脈瘤
脳動脈瘤は脳血管の一部が膨らんだ状態で、これが破裂すると脳出血を引き起こします。
3.脳血管病変
脳動脈硬化症や脳動静脈奇形などの先天的な脳血管の異常が原因となることがあります。
4.血液疾患
血液が固まりにくい病気(血液凝固障害)では出血のリスクが高まります。
5.外傷
頭部への強い衝撃が脳内の血管を損傷し、出血を引き起こすことがあります。
6.腫瘍
脳腫瘍が血管を圧迫したり浸潤したりすると、出血を起こすリスクがあります。
7.加齢
年齢を重ねるごとに脳血管が硬くなり、脆くなるため出血のリスクが高まります。
8.血液凝固異常
血液が固まりすぎる状態は血栓ができやすく、脳梗塞の原因になる一方、固まりにくい状態は出血を引き起こします。
※高血圧対策や動脈瘤の早期発見などが予防につながります。
初期症状が現れた場合は、迅速な治療が重要となります。
脳出血 最新治療
脳出血の最新治療については、以下のようなものがあります。
1.IVES療法、HANDS療法
後遺症によって思うようにできない動きを補助し、その動きを自力でできるようにする治療法です。
特殊な低周波の電気刺激装置によるIVES療法や、手関節装具を併用したHANDS療法があります。
2.ロボットによるリハビリ
ロボットを活用したリハビリがあります。
人が体を動かそうとするときに、その意思が脳から筋肉へと伝達されます。
そのときに生じる生体電気信号を検知して動作支援をする歩行支援ロボットなどです。
3.ボツリヌス療法
脳出血の後遺症のひとつに、「つっぱり」によって動かしにくい、勝手に動いてしまうなど「痙縮(けいしゅく)」という症状があります。
この痙縮の最新治療として、ボツリヌス療法があります。
筋肉の緊張を緩める作用があるボツリヌストキシンという成分を筋肉に注射する治療方法です。
4.再生医療
機能しなくなった細胞を復活させる「再生医療」も新たな治療法として注目を浴びています。
骨髄由来幹細胞、脂肪由来幹細胞、歯髄由来幹細胞などが用いられます。
*骨髄由来幹細胞
骨髄は、骨の内部にある海綿状の組織で、血液細胞を作る造血幹細胞が含まれています。
骨髄由来幹細胞は、これらの造血幹細胞を含む多能性幹細胞であり、様々な種類の細胞に分化することができます。
*脂肪由来幹細胞
脂肪組織から採取される幹細胞で、骨髄由来幹細胞と同様に多能性幹細胞です。
脂肪由来幹細胞は、骨や軟骨、筋肉など様々な組織に分化することができ、再生医療への応用が期待されています。
*歯髄由来幹細胞
歯の内部にある歯髄から採取される幹細胞です。
歯髄由来幹細胞は、神経細胞や歯質細胞など、歯に関連する細胞に分化することができ、歯周病や歯髄炎などの治療への応用が期待されています。
※また、脳出血の治療法は出血の場所や出血量により変わります。
出血自体は数週間で吸収されてなくなりますので、多くの場合は脳の腫れを取る薬を使ったり、血圧をコントロールしたりしながらリハビリテーションを行ないます。
出血が多く脳を圧迫して症状を悪くしている場合には、手術を行ないます。
手術には全身麻酔で開頭して血腫を取る方法、血腫に針を刺して吸引する方法、内視鏡を挿入して血腫を取る方法などがあります3。
これらの治療法は、患者の状態や治療のタイミングによって異なりますが、以下のような改善が期待されます。
・麻痺の改善
神経細胞が再生することで、運動機能の回復が期待されます。
・言語障害の改善
言語機能を司る脳領域の修復により、コミュニケーション能力の向上が期待されます。
・感覚障害の改善
感覚神経が再生することにより、感覚機能の回復が期待されます。
早期にリハビリテーションを始めることがすすめられています。
再生医療と併用することで効果を高めるために、早期にリハビリテーションを始めることがすすめられています。
さらに、リハビリテーションにより、幹細胞治療で再生された神経細胞の機能を最大限に活用し、後遺症の改善を促進することができます。
※ただし、治療費用は高額であり、経済的な負担を考慮する必要があります。
また、早期リハビリテーションとの併用により、治療効果の向上が期待されます。
これらの情報は、脳出血の最新治療についての一部です。
具体的な治療法やプロセスは、患者の状態や医師の判断により異なるため、医療専門家と相談することをおすすめします。
脳出血 治療費用
脳出血の治療費用や保険適用については、以下のような情報があります。
1.リハビリ入院費用
急性期病院での治療を終えた後、回復期リハビリテーション病院/病棟で1ヶ月にかかる入院費用の目安は以下のとおりです。
・一般保険70歳未満
約130,000円(低所得者は約75,000円、上位所得者は約200,000円)
・高齢受給者70~74歳、後期高齢者保険75歳以上
約90,000円(低所得者は約63,000円、上位所得者は約130,000円)
・身障害、生活保護者
約45,000円(身障害1級/2級)、約20,000円(生活保護)
2.再生医療の費用
脳卒中(脳梗塞、脳出血。くも膜下出血)、脊髄損傷の後遺症に対する再生医療の治療費は、すべて自費診療になります。
医療保険、高度先進医療保険の適用もありませんが、医療費控除は適用されます。
3.高額療養費制度
高額に及ぶ医療に対しては「高額療養費制度」という制度が適用されるため、自己負担額は大きく軽減されます。
補助される金額は年収や年齢によって異なります。
※これらの情報は一部の例であり、具体的な費用は治療内容や病院、地域などにより異なります。
また、医療保険の適用範囲や制度も個々の保険契約内容によりますので、詳細は医療機関や保険会社に直接ご確認ください。
脳出血 致死率
脳出血の致死率については、出血の種類、程度、患者の年齢など様々な要因によって大きく変わってきます。
一般的に、脳出血は脳梗塞に比べて致死率が高い傾向にあります。
・くも膜下出血の致死率は約40%
くも膜下出血は、破裂した動脈瘤からの出血によるものです。
早期死亡率が高く、生存した場合でも後遺症が残りやすいのが特徴です。
・脳実質内出血の致死率は約35~52%
脳実質内に血腫ができる出血で、高齢者ほど致死率が高くなる傾向にあります。
血腫の大きさが大きいほど予後は悪化します。
・脳室内出血の致死率は約50%前後
脳室系に出血が起こり、進行すると水頭症などの合併症を引き起こしやすくなります。
※早期発見と適切な治療を行えば、致死率を下げられる可能性があります。
しかし、重症例では残念ながら高い致死率となっているのが現状です。
脳出血は命に関わる重大な疾患ですので、一刻も早い対応が求められます。
予防と早期発見が何よりも重要となります。
脳出血 予防 食べ物
脳出血を予防する上で、食生活の改善は非常に重要な役割を果たします。
脳出血のリスク低減に役立つ食べ物には以下のようなものがあります。
1.野菜、果物
カリウム、食物繊維、ビタミン、抗酸化物質が豊富に含まれており、血圧の上昇を抑え、血管の健康を維持する働きがあります。
緑黄色野菜、りんご、バナナ、ベリー類などがおすすめです。
2.魚介類
DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を多く含み、血液をサラサラにして血栓のリスクを下げる効果があります。
特に青魚は効果的です。
3.納豆、きな粉
ナトリウム(塩分)を排出する働きがあり、高血圧予防に役立ちます。
納豆にはナトキナーゼも含まれ、血液をサラサラにします。
4.大豆製品
食物繊維とたんぱく質が豊富で、血管の健康維持に役立ちます。
5.緑茶
ポリフェノールが抗酸化作用を持ち、動脈硬化の予防につながります。
6.緑茶以外にも、抗酸化作用のある食品は多く存在します。
主なものを挙げると以下のようになります。
・ブルーベリー、ラズベリーなどの色鮮やかなベリー類
ポリフェノールやアントシアニンといった抗酸化物質が豊富に含まれています。
・トマト
リコピンという赤い色素に強い抗酸化力があります。
・赤ワイン
ポリフェノールの一種であるレスベラトロールが含まれ、抗酸化・抗炎症作用があります。
・赤紫蘇
アントシアニンを多く含む食品の一つです。
・にんにく
アリシン、ケルセチンなどの抗酸化物質が豊富です。
・大豆製品(味噌、納豆、豆乳など)
イソフラボンという抗酸化力の高い成分が含まれています。
・緑黄色野菜(ブロッコリー、カボチャなど)
ビタミンCやカロテノイドなどの抗酸化物質が豊富です。
・香辛料(ターメリック、ローズマリーなど)
クルクミンやロスマリン酸など、強力な抗酸化成分を多く含んでいます。
※一方、塩分の過剰摂取、飽和脂肪の多い食事は控えめにすることが大切です。
脂身の多い肉はあまり食べないから大丈夫、と思っていても、生クリームやバターをたっぷり使った菓子パンやケーキ類、チョコレート、そしてカップラーメンなどの即席めんに多く含まれます。
脳出血の発症リスクを下げるためには、総合的な食生活の見直しが必要不可欠です。