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腸内細菌は全身に影響する

腸内細菌は、口から入ってきた食べ物を餌にして腸内にすみついている細菌。

私達の腸内には約1000種類、100兆個もの腸内細菌が生息しているといわれている。

ウイルス、細菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を助けることでお腹の調子を整えたりしている。

腸内には免疫細胞の7割が集中していて、腸内細菌がその働きを助け、活性化させることで体を守る働きをしていると考えられている。

腸内細菌と病気の関係
1.大腸がん
大腸がんで注目されているのが、フソバクテリウムという細菌。

大腸がんは食事の影響が強いといわれているが、そこにフソバクテリウムが関係しているのではないかと考えられている。

今後の研究で大腸がんと腸内細菌の関係が明らかになることが期待される。

2.肥満改善、糖尿病予防
肥満の指標であるBMIの数値と、日本人の多くが持っているブラウティア菌が相互に関係していることが分かっている。

ブラウティア菌の一種が脂肪蓄積を抑える物質をつくるといわれており、肥満予防に役立つと考えられている。

3.認知症
日本人の腸内に多いバクテロイデスという腸内細菌や、腸内細菌がつくる乳酸が少ないほど、認知機能が低下している傾向があるという報告がある。

乳酸をつくる乳酸菌の代表であるビフィズス菌を積極的にとり、腸内環境を整えることが大事。

腸内細菌の多様性
腸内細菌の働きは複雑で、この細菌がいればこの病気が防げるという単純なものではない。

重要なのが多様性。

色々な腸内細菌がいないと、バランスが崩れて体によくない働きをする細菌が多くなってしまう。

腸内細菌のバランスや多様性を保つために、食生活を見直すことが推奨される。

腸内細菌を育てる食事
ポイントは「まごわやさしいよ」の食材。


豆。大豆、納豆、豆腐など。

大豆や大豆製品には良質なタンパク質の他に食物繊維が豊富に含まれていル。

食物繊維は腸内細菌の餌になる。

納豆や味噌などの発酵食品は腸内細菌の餌になり、また悪い働きをする菌の増殖を抑える作用もある。


ごま。ごまにはオレイン酸やリノール酸などの良質な油が含まれている。

オレイン酸やリノール酸は血液中のLDLコレストロールを減少させる作用があり、動脈硬化予防が期待できる。

また腸内細菌が、オレイン酸やリノール酸を使って、肥満解消などに良い働きをするものを作っているという報告もある。


わかめ、もずく、ひじきなどの海藻類。

わかめなどの海藻類には水溶性食物繊維が含まれている。

水溶性食物繊維は腸内細菌の餌となり、腸内細菌を育て活性化させる働きがある。


野菜。野菜には食物繊維が豊富に含まれている。

お奨めは葉物野菜より、にんじん、ごぼう、れんこんなどの根菜類。

大切なのは色々な種類の野菜を摂ること。

腸内には約1000種類もの腸内細菌が生息していて、それぞれ餌にする食物繊維も違う。

摂取する食物繊維の種類が多いと、より多くの腸内細菌を活性化することにつながると考えられている。


魚。魚には良質なタンパク質が多く含まれている。

いわし、サバなどの青魚には良質な油であるDHAやEPAが豊富。

これらは腸内細菌の多様性を高めるという報告もある。


しいたけ等のきのこ類。

きのこ類には食物繊維が豊富で、免疫細胞にも作用するといわれている。


さつまいも、じゃがいも、里芋などのいも類。

長寿地域の京丹後市で調査したところ、毎日食べる高齢者は5%、週5~6日食べる人は33%いることが分かっている。

保存がきく食材なので常備して置くことが推奨される。


ヨーグルト。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は良い働きをする腸内細菌を増やす作用があり、腸内環境を整える。

1日1カップ(200g)を目安に摂ることが推奨される。

色々試して自分のお腹と味覚に合ったヨーグルトを見つけよう。