非定型うつ病は、一般的なうつ病とは異なる特徴を持つ一種のうつ病です。
その症状は次のようなものがあります。
1.ムードの変動
気分が急激に変わることがあります。
例えば、一時的に明るい気分になることがありますが、その後に憂鬱な気分になることもあります。
2.過食や体重増加
非定型うつ病の特徴の一つとして、ストレスや憂鬱な気分の時に食欲が増すことがあります。
その結果、体重が増加することもあります。
3.強い眠気
非定型うつ病の人は、通常のうつ病患者よりも睡眠の欲求が強くなることがあります。
昼間でも眠気を感じることがあります。
4.過眠
一般的なうつ病患者は睡眠障害を抱えることがありますが、非定型うつ病の人は逆に過眠の症状が見られることがあります。
5.感情の敏感さ
非定型うつ病の人は、他のうつ病患者よりも感情的に敏感な傾向があります。
小さなことでも傷つきやすくなることがあります。
6.社交不安
他の人との社会的な交流や活動が苦手になることがあります。
孤立感や対人関係の問題を抱えることもあります。
※これらは非定型うつ病の一般的な症状ですが、個々の人によって表れ方や程度が異なることを考慮する必要があります。
また、うつ病の診断と治療には専門家の助言が重要です。
非定型うつ病 原因
非定型うつ病の原因は明確にはわかっていませんが、複数の要因が関与していると考えられています。
主な要因には以下のようなものがあります。
1.生物学的要因
脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることが関与していると考えられています。
セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の異常がうつ病の原因となることがあります。
2.遺伝的要因
家族歴にうつ病や精神疾患を持つ人が多い場合、遺伝的な要因が関与している可能性があります。
遺伝的な素因は、うつ病を発症するリスクを増加させると考えられています。
3.ストレス
ストレスやトラウマなどの心理的要因も非定型うつ病の原因とされています。
特に、人間関係の問題や職場でのストレス、経済的な困難などがうつ病を引き起こす要因となることがあります。
4.生活環境
睡眠不足、不規則な食生活、運動不足などの生活環境の乱れもうつ病のリスクを高める要因となります。
健康的な生活習慣の欠如が非定型うつ病の発症に関連していると考えられています。
5.パーソナリティ特性
極端な完璧主義や過剰な自己評価など、特定のパーソナリティ特性もうつ病の発症リスクを増加させることがあります。
※これらの要因は相互に関連し合い、個々の人によって異なる影響を及ぼすことがあります。
非定型うつ病の原因は複雑であり、精神科医や心理カウンセラーとの相談が重要です。
非定型うつ病 危険性
非定型うつ病は、一般的なうつ病とは異なる特徴を持つ病気です。
1.気分反応性
基本的には気持ちが落ち込んでいる状態が続いているのですが、何か良い出来事があると気持ちが持ち上がることがあります。
2.拒絶過敏性
他人から自分を否定されることに対して、過度に敏感になっています。
3.過眠
一般的なうつ病では不眠がほとんどですが、非定型うつ病では、むしろ寝すぎの傾向がある人が多いです。
4.過食
食べることで気を紛らわせ、体重が増加傾向にあるのが非定型うつ病です。
5.鉛管様麻痺
非定型うつ病では、鉛がのっているように体が動きにくい「鉛様麻痺」の傾向が見られます。
※非定型うつ病は、他のうつ病に比べて心身の機能に支障が生じやすく、また若い時に（普通は十代に）発病して慢性化しやすいとされています。
また、非定型うつ病は、単純に休めば治るという病気でもなく、抗うつ剤も効きにくいのです。
カウンセリングなどによる精神療法的な関わりが必要となる病気なのです。
非定型うつ病の症状は軽症～中等症であることが多いのですが、しばしば慢性化してしまいます。
不安障害や摂食障害が合併しやすく、性格として固定してしまうとパーソナリティ障害となってしまいます。
そのため、早くから「非定型うつ病という病気」と捉えて治療をしていくことが大切です。
以上のような特徴から、非定型うつ病は周囲から誤解されやすく、しばしば「怠けている」とか「甘えている」と見られがちです。
しかし、これらの症状は病気によるものであり、適切な理解と治療が必要です。
非定型うつ病 治療
非定型うつ病は、うつ病の一種で、従来型のうつ病とは異なる症状が表れる疾患です。
非定型うつ病の特徴的な症状には、「好きなことには元気に取り組めるのに、嫌なことはやる気が出ない」、「気分の浮き沈みが激しい」、「いくら寝ても眠い」などがあります。
非定型うつ病の治療方法は以下の通りです。
1.生活習慣の改善
非定型うつ病においては生活リズムを規則正しくすることが非常に重要です。
過眠・過食・強い疲労感などで生活リズムが不規則になると、更に不眠・過食・疲労感が増悪するという悪循環に陥ってしまいます。
2.適度な負荷
非定型うつ病においては、適度な負荷をかけることが治療に有効です。
就労中の方は、なるべく仕事は休職せず継続できるようにがんばってみる必要があります。
3.精神療法
非定型うつ病の治療の中心は精神療法です。
精神療法はカウンセリングのように、治療者と話していく中で様々な気付きを得ていき、少しずつ自分の中の問題点となっている事を修正していく治療法になります。
4.薬物療法
非定型うつ病の治療は通常のうつ病と同様に抗うつ薬による薬物治療が中心です。
ただし、うつ病の治療に使われる薬でも、患者の状態や症状によっては非定型うつ病に効果がない場合もあります。
※非定型うつ病では、従来型のうつ病と比べて症状の表れ方によって治療法が異なるため、「非定型うつ病かもしれない」と思っても自己判断せず、医療機関で診断を受けることが大切です。
また、治療は個々の症状や状況により異なるため、具体的な治療法については専門の医療機関にご相談ください。
非定型うつ病 予防
非定型うつ病の予防については以下のようなセルフケアが有効とされています。
1.規則正しい生活を送る
非定型うつ病の予防には、規則正しい生活を送ることが大切です。
具体的には、勤務時間より1時間前には起床し、23時には就寝する（休みの日も意識する）、起床したらできるだけ日光を浴びる、1日3食を決まった時間に食べる、日中は活動的に過ごす（寝てしまわないようにする）などが挙げられます。
2.軽めの運動を習慣づける
適度な運動は心身の健康に良い影響を与え、ストレスの軽減にも役立ちます。
3.「気分が落ち込んだ出来事」をメモしておく
自分の感情や反応を客観的に理解するために、気分が落ち込んだ出来事をメモしておくことが有効です。
4.できることは通常通り行う
無理をしすぎない程度に活動を継続することが発症を予防するポイントです。
仕事をしている場合には、完全に休むのではなく、無理のない範囲で仕事を続け生活リズムを保つことが推奨されます。
5.必要に応じてカウンセリングを受ける
非定型うつ病のような症状が気になっている場合は、専門家のアドバイスを受けるのも一つの選択肢です。
※これらのセルフケアは、非定型うつ病の予防だけでなく、一般的なメンタルヘルスの維持にも役立つと考えられます。
ただし、これらの方法が全ての人に効果的であるとは限らないため、自分自身の状況や感じ方に合わせて適切な対策をとることが重要です。
また、自分一人で解決しようとせず、必要な場合は専門家の助けを求めることも忘れないでください。
