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高脂血症 原因

高脂血症は、血液中の脂質(脂肪)の濃度が異常に高くなる状態を指します。

主な脂質にはコレステロールとトリグリセリドが含まれます。

高脂血症は動脈硬化や心血管疾患のリスクを高める可能性があります。

高脂血症の主な原因とリスクファクターについて説明します。

1.遺伝的要因
遺伝的な傾向が高脂血症の原因となることがあります。

家族歴に高脂血症や動脈硬化がある場合、個人のリスクが増加する可能性があります。

2.食事
高脂血症は食事によっても引き起こされることがあります。

飽和脂肪酸や転化脂肪酸を多く含む食品、高コレステロール食品の摂取が過剰な場合、血中のコレステロール濃度が上昇する可能性があります。

・飽和脂肪酸とは、脂質の構成要素である脂肪酸の一種で、主に動物性の脂肪やココナッツオイルなどの植物油に多く含まれています。

飽和脂肪酸の摂り過ぎは、血中コレステロールの上昇や動脈硬化などの生活習慣病のリスクを高めると言われています。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、飽和脂肪酸の摂取量は1日の総摂取エネルギーの7%未満にすることが推奨されています。

・転化脂肪酸とは、不飽和脂肪酸が加工されて飽和脂肪酸に近い形に変化したもので、マーガリンやショートニングなどの油脂類や、それらを使った菓子類などに含まれています。

転化脂肪酸は、飽和脂肪酸と同様に血中コレステロールの上昇や動脈硬化などの生活習慣病のリスクを高めると言われています。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、転化脂肪酸の摂取量は1日の総摂取エネルギーの1%未満にすることが推奨されています。

3.生活習慣
不健康な生活習慣も高脂血症の原因となります。

運動不足や喫煙、過度のアルコール摂取は、脂質代謝に影響を与え、高脂血症のリスクを高める可能性があります。

4.肥満
過体重や肥満も高脂血症の原因となります。

過剰な脂肪組織が存在すると、脂質代謝が妨げられ、血中の脂質濃度が上昇する可能性があります。

5.糖尿病
糖尿病も高脂血症の原因となります。

高血糖状態が脂質代謝に影響を与え、血中の脂質濃度が上昇することがあります。

6.薬物
特定の薬物や治療法も高脂血症を引き起こす可能性があります。

例えば、一部の抗精神病薬や利尿薬が影響を与えることがあります。

高脂血症の診断や治療は医師の指導のもとで行われるべきです。

適切な食事、運動、薬物療法などが用いられ、患者の状態に合わせたアプローチが取られます。

高脂血症 合併症
高脂血症は放置されると、様々な健康問題や合併症を引き起こす可能性があります。

高脂血症の主な合併症について説明します。

1.動脈硬化
高脂血症は、コレステロールが血管壁に蓄積し、プラーク(動脈硬化斑)を形成することで関連しています。

これが進行すると、血管が狭くなり、血液の流れが制限され、最終的には血管が閉塞する可能性があります。

動脈硬化は心臓病や脳卒中の原因となります。

2.冠動脈疾患(冠動脈粥状硬化)
冠動脈は心臓に酸素と栄養を供給する重要な血管です。

高脂血症による動脈硬化が進行すると、冠動脈が狭窄し、心筋梗塞(心臓筋の損傷)や不整脈などの冠動脈疾患が発生する可能性があります。

3.動脈疾患
高脂血症が進行すると、全身の動脈に影響を与え、血液の循環が悪化する可能性があります。

これにより、下肢の動脈疾患や腎動脈狭窄などが発生する可能性があります。

4.膵炎(膵臓の炎症)
トリグリセリドの増加が引き金となり、膵炎を引き起こすことがあります。

膵炎は膵臓の炎症であり、重篤な合併症をもたらす可能性があります。

5.脂肪肝
高脂血症が持続すると、肝臓に脂肪が蓄積し、脂肪肝と呼ばれる状態が生じることがあります。

脂肪肝は肝臓の機能を損なう可能性があります。

これらの合併症は、高脂血症を管理するためには適切な治療や生活習慣の変更が必要です。

医師の指導を仰ぎ、薬物療法や食事療法、運動などを組み合わせたアプローチが取られることが一般的です。

定期的な健康チェックや血液検査を受けることも重要です。

高脂血症 予防
高脂血症を予防するためには、健康的な生活習慣や適切な食事、運動が重要です。

高脂血症の予防に役立つ一般的なアプローチをいくつか紹介します。

1.バランスの取れた食事
飽和脂肪酸や転化脂肪酸を含む食品を制限し、モノ不飽和脂肪酸やポリ不飽和脂肪酸を摂取するよう心がけましょう。

魚、ナッツ、オリーブオイルなどは良い脂質の源です。

また、食物繊維を豊富に含む果物、野菜、穀物も摂取することが大切です。

2.適度な運動
定期的な運動は脂質代謝を改善し、全体的な健康を促進します。

有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど)や筋力トレーニングを組み合わせると効果的です。

週に150分以上の有酸素運動を心がけましょう。

3.体重の管理
適正な体重を維持することが重要です。

肥満は高脂血症のリスクを高めますので、バランスの取れた食事と運動を通じて体重を管理しましょう。

4.禁煙
喫煙は動脈硬化を促進し、高脂血症の合併症を引き起こす可能性があります。

禁煙は心血管系の健康に寄与します。

5.適度なアルコール摂取
過度なアルコール摂取は脂質代謝に悪影響を与えることがあります。

飲酒は控えめにし、健康な範囲内で摂取するようにしましょう。

6.定期的な健康チェック
定期的な健康診断や血液検査を受け、脂質レベルや他のリスク因子をモニタリングすることが重要です。

早期の発見と介入が合併症のリスクを減少させる助けになります。

これらの予防策は個々の状況によって異なりますので、具体的なアプローチについては医師や栄養士と相談することが重要です。

高脂血症 薬
高脂血症の治療には、食事療法や運動療法のほかに、薬物療法が用いられます。

高脂血症の薬には、主に以下の8種類があります。

1.スタチン薬
肝臓でのコレステロール合成を抑制し、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らす効果があります。

例えば、リピトール1やクレストール2などがあります。

2.フィブラート薬
中性脂肪の分解を促進し、中性脂肪を減らす効果があります。

例えば、ベザトール3やリピディルなどがあります。

3.小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
食事からのコレステロールの吸収を抑え、LDLコレステロールを減らす効果があります。

例えば、ゼチーアがあります。

4.陰イオン交換樹脂
胆汁酸と結合して消化管からの再吸収を防ぎ、コレステロールの排泄を促進し、LDLコレステロールを減らす効果があります。

例えば、クエストランやコレパインなどがあります。

5.コレステロール異化促進薬
胆汁酸へのコレステロールの変換を促進し、LDLコレステロールと中性脂肪を減らす効果があります。

例えば、ロレルコやシンレスタールなどがあります。

6.多価不飽和脂肪酸
魚の油成分に含まれる不飽和脂肪酸で、中性脂肪を減らし、血液の流れを改善する効果があります。

例えば、エパデールやロトリガなどがあります。

7.ニコチン酸誘導体
ビタミンEとニコチン酸が結合した薬で、中性脂肪を減らし、血管を広げる効果があります。

例えば、ユベラNがあります。

8.PCSK9阻害薬
PCSK9というタンパク質の働きを阻害し、LDLコレステロールを減らす効果があります。

例えば、プラルエントやレパサなどがあります。

これらの薬は、それぞれ作用機序や副作用が異なりますので、主治医の指示に従って服用するようにしてください。

また、薬だけに頼らず、食事や運動などの生活習慣の改善も心がけましょう。