自由な意志は、何をしようか自分で考えて自覚的意識的に決断すること。
しかし脳科学者によると、我々に自由な意志はない。自由な意志は、脳がつくっている錯覚、幻想だという。
玉川大学 松田哲也教授によると、
脳科学が進むにつれて、脳の中の「もう1人の自分」が見えてきたという。このもう1人の自分が考えている。
人生は決断の連続、職業選び、誰と結婚するのか、今日はどこに行って何を食べようかといったことまで、その選択は様々である。
もし私達に自由な意志がないとすれば、決断をどう導きだしているのか?
新潟大学 伊藤浩介准教授によると、
意志が発生する前に、脳が勝手に意志が発生することを決めている。
自分の意志が関与する余地がない。脳の中で偶然意志は生まれるもの。
本人の意識とか自覚とか無関係に神経活動が上がってきて、それがある一定の大きさ閾値を超えると運動をしようという意志が半ば勝手に発生してしまって、それに応じて運動が起きる。
押し寄せる波の形とか音とか、そこには一定のリズムがあるが、完全に一定ではなくて少しゆらぎがある。
そうしたゆらぎは私達の脳にもあって、脳のゆらぎを詳しく見ることで、私達の意志がどうして生じるのか解明できるのではないかと考えられている。
脳のゆらぎ
脳のリズムのゆらぎ方で意志が発生するタイミングが決まる。
脳のリズムに合った時は心地よく決断できるのかもしれない。
本来ほとんどが無意識の中に埋まっているものが、ゆらぎがあって波が変わってくると、無意識の部分が意識上に出てきたりする。
急に何かを食べたくなるのは脳が勝手に決めている?
自分の意志の前に何かが働いてしまう。
意志以外
大阪大学 前田太郎教授によると、
脳の前庭は平衡感覚を司る感覚器、重力もこれが捉えている。
前庭電気刺激と呼ばれる刺激の装置で、弱電流を流すと錯覚をつくることができる。
刺激によって重力が変わったように感じて、まっすぐ歩けなくなる。
私達は普段から自分が全ての動きを決めていると思っているが、意志以外の部分が働いている現象としてよく分かる。
自動化
日常化しているものだったり、生きていく上に必要なものはできる限り無意識で自動化している。
日常で繰り返す行動は脳の自動化の1つ。
スポーツ選手のプロがよくやるのがオーバートレーニングをして、同じことを何回もやると自動化が起こる。
自動化のメリットは、正確にできる、早く反応できる。
ゾーンというプロフェッショナルの「極度の集中状態」の入ると、自動化が継続して起きている。
後付け
人は自分の意志で決めたと思いたがる生き物
脳の中の後付け再構成といわれる現象、選択の正当化をしている。
脳が自分の解釈を書き換えて、自分が選択したように思い込ませている。
重要なのは本人は適当に選んでいる訳ではない。
人は選択してから理由を後付けする。
自分という存在を得るために、人は理由の後付けをする。
自覚していないこともかなり重要である。
夢を持つと、脳が自動的に目標に向かう。