唾石は食事中の痛みが特徴、腫れて痛みが出たり熱が出たりする。石がなくならない限り症状が続く。
唾石症の人は900人に1人いると考えられている。これまでは顔や首の皮膚を切開して摘出するしか治療法がなかった。
最近は極細内視鏡を使い石だけを取り出すことが可能になったという。体を傷つけることなく痛みがとれるようになった。
唾液で流せ唾の石
唾石の痛みは、唾液が通る管の中にできた石が唾液の流れをせき止めてしまうことで起こる。
唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺があり、直径は2~4mm。
耳下腺が詰まると、耳の前側、こめかみ辺りに腫れや痛みが出る。
顎下腺が詰まると、首、口の中、喉などに腫れや痛みが出る。
舌下腺は非常に短いので、石ができることはほとんどない。
唾液には歯の再石灰化を促しカルシウムが沢山含まれている。
管の上皮細胞が何らかの理由で剥がれて、その剥がれた上皮細胞を核として回りにくっつき始める。
やがて通り道の管を塞いでしまうほど大きくなり、唾液をせき止めてしまう。これが唾石症。
唾石は1~2年かけて出来てくる。中には5~6年かけて出来てくることもあるという。
食事中から食後2時間に症状が現れた場合は、唾石症を疑う。耳鼻咽喉科を受診して下さい。
唾石の診断にはCT検査、超音波検査が有効である。
<唾石の治療>
・小さくてつまりが少ない。
痛み止めの薬
抗菌薬
唾液腺マッサージ
・生活に支障をきたした場合。
石を取出す治療を検討
内視鏡治療
・皮膚などを傷つけることなく体に負担が少ない。
・神経麻痺などの合併症が少ない。
・手術時間が短く入院期間も短い。
・手術翌日から食事が可能。
・石が大きい、癒着すると摘出できない。
※内視鏡補助での口内摘出
内視鏡から出す光を唾石に当てて、口の中から最小限の切開で石を取り出す。
※外切開
顔や首の皮膚を切開して唾液腺ごと石を取出す。
唾石を予防するには、唾液腺マッサージすること。
唾液の流れを促して石が小さいうちに流すことができる。
【耳下腺マッサージ】
指4本をそろえる。
耳の前から奥歯あたりをクルクルと回すように揉む。10回位。
耳の前から頬骨に沿って指を滑らせていく。
【顎下腺マッサージ】
指3本をそろえる。
耳の下から顎の骨に沿って前の方へ動かしながら押していく。5回位。