ある程度同じ建築の中に住んでいたらそこそこ満足できるはずですが、昭和基地などで暮らしてみると両極端になるといいます。
つまり、アイソレーション isolation(閉じ込める隔離)、インサレーション insulaiton(保護する隔離)とあって閉ざされた空間では人によって両極端に感じてしまうようなのです。
人を保護してくれる建築、昭和基地は極限の環境に適応していない人でも住めるような発達の仕方ないをしているといいます。自分たちで快適さを追及していったからなのかもしれません。
過酷な環境では、意志より気分が大事なときがあるといいます。自分たちでしぶとく生きていくんだという気分になっていくといいます。
居心地を良くする線
人間観察を考えた時にどこが人を見るのに面白そうか、食堂でのその時のチーム状態が席の配置で見えてきたりするといいます。どの文化の人にも共通ではないが、快適でいるためには何かしら線を引くものが必要なんだろうと考えられます。
5月末から7月半ばくらいまで太陽が出ない日があって精神的に落ち込むような時期を過ごしてくると、だんだんお互いのことが丸分かりになってくるといいます。
分かってきたからといって、ちかづきすぎるとまずかったりするといいます。どこか一線を引いておかなければいけないといいます。
局地建築から学ぶ
命を預ける器、1991年~1993年にアメリカのアリゾナ州にある閉鎖生態系実験施設 バイオスフィア2は約1万㎡のドームの中に、海、熱帯雨林、砂漠、サバンナ、湿地などが作られたといいます。
完全に閉鎖され空気、食糧、水など全て施設内で循環されたといいます。2年間、男女8人の研究者たちが自給自足の生活を送ったといいます。人間関係に様々な問題が生じました。
生物のプロジェクトだけども、一番建築のプロジェクトではないかと思われます。地球の人たちが別の惑星で暮らすときにヒントになると考えられます。本当に人が暮らすということに向き合うことができるといいます。
また、1999年ロシアのモスクワにある生物医学問題研究所で、宇宙ステーションの実現のために様々な国籍のクルーを集めて共同生活実験が行われたといいます。
模擬宇宙ステーションで110日間の共同生活です。1か月後新年のパーティーでトラブル発生、酒に酔ったロシア人が大喧嘩をしてしまった。60日目、日本人クルーが耐えきれず実験施設を出てしまったといいます。
2016年アメリカのユタ州にある模擬火星生活施設でもシムブレイク(シミュレーションから離脱)こそなかったといいますが、次第にやるきを失っていったそうです。
限られた空間で快適に暮らしていくには、はなれたりくっついたり人間の距離感をどうデザインしていくかがポインントになるようです。
各国の南極基地
コンコルディア基地(イタリア・フランス)は風の抵抗を弱めるため円筒形になっているといいます。昭和基地自然エネルギー棟(日本)では風の抵抗を弱めるため流線型になっているといいます。
サナエⅣ基地(南アフリカ)では風が吹き抜けやすいよう断崖沿いに建っているといいます。ノイマイヤー川基地(ドイツ)では雪に埋もれると地下の油圧ジャッキでかさ上げするといいます。
アムンセン・スコット基地(アメリカ)は埋没を防ぐためドームの下に建物を収容していたといいます。現在は撤去。ハリーⅣ基地(イギリス)は柱の下がソリになっていて雪に埋もれると移動するといいます。