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抗体カクテル療法のまとめ

抗体カクテル療法は、2種類の抗体を混ぜて点滴で同時に投与するもので、従来は入院患者などに限って使用が認められていた。

しかしコロナ感染が拡大し、自宅療養者が増えていることから、厚労省は外来患者にも使用を認めることを2021年8月26日自治体に通知した。

抗体カクテル療法
体に抗体をつくらせるのではなく、外部から抗体を体に入れることで効果を発揮。2種類の抗体を同時に使うのでカクテル。

1種類の抗体だけだとウイルスが変異した時に効果が落ちるが、スパイクたんぱく質の異なる部位にくっつく2種類の抗体を同時に使うことで、ウイルス変異による耐性が起きにくくなる。2か所同時に変異が起きる確率は小さいという。

日本で承認されたのはカシリビマブとイムデビマブを組み合わせた製剤。

【条件】
・投与後の病状悪化に緊急対応できる医療機関が対象。

・発症から7日以内で感染から時間が経っていないこと。

・酸素を必要としないような軽症または中等症であること。

・肥満や慢性的な肺疾患などの重症化リスクがあること。

【効果】
海外で行われた治験では重症化を防ぎ、入院または死亡を70%減らすことができたという研究結果が報告されている。

【注意点】
アメリカの製薬会社のリジェネロンによると、治験で投与を受けた4206人のうち、0.2%にあたる10人に発熱や呼吸困難、酸素飽和度低下、悪寒、不整脈、胸痛、脱力、頭痛、じんましんなどの症状がみられたという。

ナフィラキシーと呼ばれる重いアレルギー反応も報告。このうち少なくとも1件は、症状を緩和する薬剤の投与などが必要だったという。

これらの症状は、副作用なのか新型コロナウイルスによる症状なのかは不明で、いずれも容体は回復したという。投与中や投与直後の経過観察が必要。

【予防的】
中外製薬は抗体カクテル療法に関し、一般的な予防接種と同じ皮下注射や、感染前の注射による予防的な投与についても、厚労省に承認申請する方針。

皮下注射ができるようになれば外来での処方が容易になる。また予防投与によって感染拡大の抑制も期待される。