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動脈硬化の最新検査とは?

動脈硬化は初期のうちは自覚症状がない。知らないうちに徐々に進行し、心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる病気につながることがある。

そこで大事なのが事前に危険を発見する検査、心臓や脳を調べる検査や血管の中を見る検査など最新の検査法をご紹介する。

健診結果を見直す
<動脈硬化に関わる主な項目>
・LDLコレステロール
・HDLコレステロール
・中性脂肪
・クレアチニン
・尿たんぱく
・血糖値
・尿酸値
・血圧
・へそ周りの腹囲

LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪のうち1つでも異常があると脂質異常症が疑われる。

血糖値がたかければ糖尿病、尿酸値が高ければ高尿酸血症、クレアチニンや尿たんぱくに異常があれば慢性腎臓病が疑われる。

血圧が高ければ高血圧症、へそ周りの腹囲が太ければ内装脂肪型肥満が疑われる。

危険因子が1つでもある、または喫煙歴がある場合は、動脈硬化を調べる検査が推奨される。

男性は50歳過ぎると狭心症や心筋梗塞のリスクが上がることが大規模な調査から分かっている。それを防ぐため40歳頃から動脈硬化の検査が奨められる。

【頸動脈エコー(超音波)検査】
首にゼリーを塗って器具を密着させて頸動脈を観察。

動脈硬化が疑われる場合、血管の壁にプラークがあり、血管が狭くなっているのが分かる。心臓や脳の血管でも動脈硬化が進んでいると推定される。

人間ドックのオプションで自己負担6,000円程度で受けることができる。一部の企業などでは検診に含まれている。

一度受けて動脈硬化が分かれば危険因子に注意して生活習慣の改善につなげられる。

狭心症や心筋梗塞の危険
階段を上ったり速足で歩いた時や緊張した時などに、締め付けられるような胸の痛み、強い動悸、冷や汗、吐き気、息苦しさなどが5~10分程続く、または安静にしていると症状が消える。

そのような場合は循環器内科を受診し、運動負荷心電図や心臓の超音波検査を受ける。狭心症が疑われる時はCT検査、症状がある場合は保険適用で検査が受けられる。

【CT検査】
CT検査は装置の丸い穴の中を体が通過する時にX線が体の断面を撮影する。手から造影剤を注射して行う。冠動脈が狭くなっていれば、かなり確実に発見できる。

【冠動脈造影検査】
カテーテルを手首などの動脈から挿入して、心臓の入口まで到達させたカテーテルから、造影剤を冠動脈に注入し心臓をX線で撮影する。血管が狭くなり血液の流れが悪くなっていれば、はっきり観察できる。

【血管内超音波検査】
カテーテルを冠動脈の中まで挿入し、カテーテルの先端から超音波を発生させ血管内のプラークを観察する。血管を輪切りにして見る。

動脈硬化の血管ではプラークによって内腔が狭くなっている。また脂質が多いプラークは破れやすく、心筋梗塞を起こす危険性が高いと考えられている。

脳や脚の血管は?
【MRI検査】
MRI検査はX線ではなく磁気を当てる。血流が少し低下している段階ラクナ梗塞(小さい脳梗塞)でも発見できる。

高血圧、糖尿病、脂質異常症がずっと続いている脳梗塞のリスクが高い人は、脳神経内科や脳神経外科などで脳の検査を受けることが推奨されている。

【脚の血管の検査】
・ABI検査(腕と足の血圧比)

足首の血圧が低い場合は、脚の動脈硬化と推測される。

・CAVI検査(血脈の速度)血流が速過ぎると、脚や腕の動脈硬化と推測される。

脚の動脈硬化、下肢抹消動脈疾患は、しばらく歩くとお尻、太もも、ふくらはぎなどが痛む。立ち止まり安静にすると治まる。

両脚を触ってみて明らかに温度差がある場合、冷たい方は下肢抹消動脈疾患が疑われる。

また足背動脈を触っても脈を感じない場合も、下肢抹消動脈疾患が疑われる。

下肢抹消動脈疾患の場合は、心臓、脳、首でも動脈硬化が進行している怖れがあるので検査して必要な治療を受けることが大事です。