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アトピー性皮膚炎の最新治療とは?

アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎は強いかゆみを伴う発疹が顔や体にできる慢性の病気です。良くなったり、悪くなったりを繰り返すといいます。

アトピー性皮膚炎の症状として、左右対称に発疹できる、赤くプツプツと盛り上がる、ジクジクと水分がが多いなどが挙げられます。慢性期では皮膚が分厚くなりゴワゴワした状態になるといいます。

発症しやすい部位は、おでこ、目の周り、肘の内側、手首、ひざの裏、足首などです。大人になってから初めて発症する人もいるといいます。かゆみが続く場合は自己判断せずに皮膚科を受診しましょう。

知っておきたい三大要因
根本的な原因はまだ分かっていませんが、皮膚のバリア機能低下+免疫の異常+かきむしると考えられています。免疫異常は、2型免疫反応という免疫反応が過剰になっている状態と考えられています。

2型免疫反応というのは、主に寄生虫などの異物が体内に侵入してきた時に、攻撃するための免疫反応のことです。この反応が異物の侵入に関係なく、皮膚で過剰に起こることで、アトピー性皮膚炎のバリア機能の低下や、かゆみが生じていると考えられています。

2型免疫反応には、Tリンパ球や自然リンパ球が関与しており、リンパ球が炎症を引き起こすたんぱく質を作り出すインターロイキンIL-4、IL-13が作られるといいます。

最近の研究では、かきむしることが2型免疫反応が増強され、かけばかくほど、かゆみが強まると考えられています。またIL-4、IL-13により、天然保湿因子の量が低下してバリア機能が低下するといいます。

新薬登場!最新治療
従来は、保湿剤(皮膚のバリア機能維持)、ステロイド(免疫異常による炎症を抑える)、抗ヒスタミン薬(かゆみを抑える)などが使用されてきました。

これらに加えて、新薬が2種類登場したことにより、今まで治療を諦めていた方にも光が差すようになってきましたといいます。

生物学的製剤(皮下注射薬)
成人の中等症~重症患者さんの治療に期待ができる。この薬はかゆみを引き起こすIL4やIL13の受容体にフタをします。ピンポイントにブロックができるので、刺激を発生させない、つまり炎症を発生させないという薬になります。

従来の薬であるステロイドは、なんでもかんでも抑え込むというもので、抑えて欲しくないものまで抑えてしまい色々な副作用がありました。生物学的製剤は、2型免疫反応のみを抑えることができるので治療効果はしっかりとあり、副作用は少ないといいます。

初回は2本、その後は2週間に1本投与するといいます。現在は自宅でもできる自己注射があり劇的な治療効果あるといわれています。

JAK阻害薬(塗り薬)
非ステロイドの薬で、軽症~重症まで成人の患者さんが使えます。用量は1回5gで1日2回まで。

JAKというのは、IL4やIL13などの受容体からかゆみのシグナルを出すのを仲介する物質。JAK阻害薬を使うことで仲介物質を阻害、つまりブロックして2型免疫反応を抑えることができるといいます。

アトピー性皮膚炎のメカニズムの研究や治療法は、急激に進歩しているようです。自己流で治療することなく、主治医の先生としっかり話し合って治療を進めていくことが、適切なコントロールに最も大切なことです。

今まで治療を諦めている方もいたかもしれませんが、新しい治療法も出てきたので、ぜひ皮膚科医にご相談下さい。