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夢の水中接着剤とは?

船底やスクリューに付着し漁業関係者にとっては大迷惑のフジツボですが、水の中でもピッタリくっつく驚異的な接着力の謎が解明され、夢の接着材に道が開けてきたといいます。

普通の接着剤を使って物を水の中でくっつけようとしてもそう簡単にはいきません。水に濡れた表面を接着させるのはとても難しいのです。フジツボはそれを克服した強力な接着剤を体内で合成できるようになったのです。

この接着剤は一度くっついたら、ちょっとやそっとでは取れません。がっちりくっつけば、フジツボ1個当たり100kgの力で引っ張ってもびくともしないといいます。

フジツボの接着剤の成分は、5種類のタンパク質、CP20k、cp100k、cp52k、cp68k、cp19kが絶妙に混ぜ合わせることで水中でぴったりくっつく接着剤になったといいます。

その仕組みですが、最初にcp68k、cp19kが物の表面にくっつ役割をします。フジツボ側にはCP20kがあります。これらをまとめてぎゅっとくっつけるのがcp100k、cp52kであることが分かってきています。

実際に現在、3種類のタンパク質は微生物などに作らせることができているといいます。残念ながら、cp100k、cp52kはまだまだ難しいといわれています。しかしながら、cp100k、cp52kは難しくても、水の中で固まるような物を他から借りることで実現できるかもしれないといいます。

この接着剤が実現したら、岩にそのままサンゴをくっつけて、人間が壊してしまった環境を戻す手伝いに使えるかもしれませんね。自然界でも接着剤は将来的に分解しますので問題ありません。また、自然な水中接着剤ですので歯科治療に使うと便利だと思われます。

ちなみに進化論で著名なダーウィンですが、進化論以前の8年間はフジツボを研究していたそうです。ダーウィンが書いたフジツボの専門書があるのですが、現在でもその著書は研究者によって参照されているそうです。