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体力を回復させる補剤とは?

補剤
補剤は健康な体に必要な気力や血液、エネルギーなど足りないものを補ってくれる力を持っているといわれています。

3大補剤 … 人参+黄耆の生薬が基本となり、症状によって生薬が更にプラスされます。

1.補中益気湯(ほちゅうえっきとう)疲労けん怠+虚脱状態、だるい、食欲不振など

2.十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)疲労けん怠+貧血、産後の体調不良など

3.人参養栄湯(にんじんようえいとう)疲労けん怠+呼吸器のダメージ、息苦しさなど

補剤はがん患者にも処方されることもあるといいます。がんの治療によって、体力、免疫、気力などがどうしても低下するので、それらを補剤によって補っていくといいます。

このようにがんに伴う症状や副作用などを軽くするための支持療法に補剤が使われているといいます。

効果の秘密は免疫
<倦怠感で悩む患者に十全大補湯を4週間投与>
【活性の目印】免疫細胞(NK細胞)の表面には、その活性度合いを示す目印がある。

補剤を服用した患者は、その目印が増加。補剤を飲むことで、免疫細胞が活性化されることが示されたと考えられます。

【抑制の目印】免疫細胞の抑制を示す目印も増えていた。

免疫は働き過ぎると、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性の疾患の症状を起こしてしまう。補剤は免疫細胞の機能を調整する効果があると考えられています。

効果的に使うには
<北里大学 岡田特任教授の研究>
注目されているのが補剤が持つ老化への効果。通常のマウスと老化の速度が速い特別なマウスを用意して実験。

通常のマウスは遺伝子の持つ情報が正しく、次々と読み取られていきます。老化速度の速いマウスは、遺伝子の情報を読み取るときにエラーが発生するといいます。

これが積み重なることで細胞がダメージを受け、老化が早まってしまうのではないかと考えられています。

この老化速度の速いマウスに補剤を与えた結果、増加していたエラーの数が、通常のマウスと同じ程度まで回復していたといいます。

漢方薬が遺伝子のレベルで、老化の進行を抑える可能性があると考えられます。

<副作用のリスク>
3大補剤で使用されている甘草の成分のグリチルリチン酸による副作用のリスクとして、むくみ、血圧上昇、低カリウム血症などが挙げられます。

誰でも同じように効果がある訳ではなく、副作用のリスクもあるので医療機関でしっかりと経過観察していく必要があります。

補剤を使ってみたい場合は、主治医やかかりつけ医に相談し、必要であれば大学病院や専門医を紹介して貰うのが良いのではないでしょうか。