これからご紹介する人は、19歳からの4年間、史上最も濃い可能性がある人かもしれない。
19歳
チョコレートが大好きで、女性のタグチさんは19歳でガーナへ渡った。
それは中学生の時に読んだ本、低賃金で児童が労働する悲惨な現実を知ったからのようだ。
自分がガーナのカカオ農家を救うと。
大学生になりアルバイトで20万円貯めた。
航空券15万円、保険代3万円、生活費2万円で2か月。
アマンフロム村では、「チョコが好きで、日本から来ました」
本来陽気なガーナ人も気味が悪いと、しっかり引かれたという。
ラグビーボール級のネズミが食卓に登場したり、生活は大変だったがいつしか馴染んでいった。
そして、カカオ農家の低賃金の原因が判明する。
それはカカオ省は質に関係なく重さで買取り、品質がバラバラなカカオが輸出されるので安く買い取られる。
また、アマンフロム村ではカカオ豆を育てる知識や技術が不足しているので収穫量を増やせない。
20歳
20歳でカカオ作り修行のために、世界各国に旅に出る。
世界中のカカオ農家から作り方を学ぶため。
ベナン共和国、タンザニア連合共和国、台湾、インドネシア共和国などをアポなしで渡り歩く。
カカオ豆の乾燥、発酵が重要だと学んだ。
ベナンでは、黒魔術師詐欺の被害に遭ったこともるという。
21歳
21歳の時、低賃金で働いているカカオ農家を救うため、再びガーナへ。
黒い豆=質が悪い、茶色い豆=質が良い
市場で安いケータイを購入し、品質が良い豆を作った人にプレゼントした。
カカオ豆とケイタイ交換キャンペーンで品質改善していった。
そしてカカオ省に乗り込む。
ガーナにはカカオ産業を統括する政府機関=カカオ省がある。
農家 → タグチ → カカオ省
カカオ省に交渉すること7か月、品質優先のシステムへの変更に成功する。
アマンフロム村のカカオ豆の品質が劇的に向上。
カカオ豆が輸出で高く売れる。
賃金が今までの約1.5倍になる。
近隣の村からも良質なカカオ豆が持ち込まれるようになる。
この間不注意でマラリアに感染して4回ほど死にかけたそうだ。
22歳
コロナ禍になりガーナへ行けなくなった。
そこでガーナのカカオ豆でチョコを試作してみた。
デパートのバイヤーの目にとまり商品化する。
22歳で2時間睡眠でチョコ製造開始。
23歳
23歳で人気チョコブランドを作った。
そのオリジナルブランドは、MAAHA CHOCOLATE。
ガーナのカカオ豆を使用した本格チョコが人気。
自宅にリビングをDIYで作業場を作り、デザイナーや事務員さんに手伝ってもらいながら基本一人で販売している。
2022年のバレンタインに手作りなのに2万個を完売。
「世界に貢献する日本人30」に選出される。