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慢性腎臓病の新薬とは?

糖尿病や高血圧が原因で慢性腎臓病を発症する人が多く、それらの病気が悪化すると慢性腎臓病も悪化してしまうので糖尿病や高血圧の薬をよく使うといいます。

こういった薬は動脈硬化を抑え心筋梗塞や脳卒中を防ぐためにも重要だと考えられています。また脂質異常症があれば、動脈硬化を予防するためその薬を使うといいます。

慢性腎臓病が進行すると、貧血、骨やミネラルの異常、高カリウム血症、体が酸性になるなどの異常が起こるといいます。また全身のだるさ、食欲不振、頭痛、吐き気、手足のむくみ、動悸、息切れといった症状が現れるといわれています。

慢性腎臓病 期待の新薬
<新しい薬1>
・貧血の薬
腎臓は赤血球を作る指令を出すのですが、慢性腎臓病ではその働きが低下して貧血が起こりやすくなるといいます。進行すると動悸や息切れが起こったり疲れやすくなったりするといいます。

こういったことに対する従来の薬は注射薬だけでしたが、新しい薬HIF-PH阻害薬は、飲み薬なので使いやすくなっているといいます。

・高カリウム血症の薬
腎臓は血液中のカリウム濃度を調節しているのですが、慢性腎臓病でその働きが低下するとカリウム濃度が異常に高くなるといいます。そうなると危険なタイプの不整脈や、筋力の低下、下痢などの症状が出やすくなるといいます。

従来の薬はポリマー性で、お腹が張ったり便秘になることもあったといいます。新しい薬は非ポリマー性で飲んでも膨らまない、またカリウムをピンポイントで排出できるといわれています。

<新しい薬2>
・SGLT2阻害薬(糖尿病)
・MR拮抗薬(高血圧)

糖尿病や高血圧の薬として既に使われているのですが、慢性腎臓病の薬としてはまだ承認されていないため、臨床試験を行って効果を確認しているといいます。

また、糖尿病に使われているGLP-1受容体作動薬も、慢性腎臓病の薬として臨床試験が行われているといいます。

バルドキソロンメチルという新しい薬も臨床試験中。これは体内の活性酸素によるダメージや炎症反応を抑える作用があり、腎臓の機能低下が抑えられたり、腎臓の働きが少し改善するのではないかと期待されているといいます。

ビッグデータを活用
慢性腎臓病の患者の電子カルテを全国規模で統合してデータベースを作るプロジェクトが、日本腎臓学会と日本医療情報学会が協力して進められているといいます。

15の大学病院から15万人分の60項目以上(医療機関名、患者の年齢・性別、病名、検査値、治療など)の情報が集まっているといいます。

・医療の見える化
標準的な治療は全国でどこまで普及しているか、様々な治療や薬にどこまで効果があるかリアルな現場で明らかにしていきたいといいます。

・新しい治療法や薬の開発
ビッグデータは大規模な臨床試験に相当、これまで気づかなかった慢性腎臓病の原因や治療法が見つかる可能性があると考えられています。

・次世代の研究への貢献
AI(人工知能)によるビッグデータの解析などによって。

<ビッグデータから分かったこと>
1.慢性腎臓病の患者
・高リスク者:男性30%、女性26%
・65歳以上:70%

2.貧血
・腎不全末期 患者の60%
・治療薬は全国で同じように使われていない

3.高尿酸血症
・腎不全末期 患者の50%(心臓病や脳卒中のリスクが高い)

<慢性腎臓病の患者の生体試料>血液・尿・遺伝子
    ↓
バイオバンク
・2019年にスタート
・日本腎臓学会と東北大学の東北メディカル・メガバンク機構

▽遺伝子:糖尿病や高血圧になりやすいかどうかに関係。
▽血液や尿:腎臓病が重症化するかどうかを示す指標があるのでは。

※バイオバンクによってこれらが解明されれば、個別化(オーダーメード)医療が可能になると考えられています。