慢性腎臓病の進行を抑えるために食事療法や運動療法などを行う。それでも腎機能の低下が止められない場合、かかせないのが薬による治療。
腎機能低下を抑える新薬
2021年9月に腎機能の低下そのものを抑える新薬が承認された。
SGLT2阻害薬という薬は、これまでも糖尿病に使われていた。
しかし糖尿病あるなしに関わらず、直接的に腎機能の低下を抑える効果が分かった。
多くの慢性腎臓病患者に対し保険適用で使えるようになった。
慢性腎臓病患者は日本国内で1,330万人と推定されている。
SGLT2阻害薬は、多くの患者に対して病気の進行を遅らせ命を守る薬になると期待されている。
新薬を早くから使い健康寿命を延ばす。
SGLT2は尿細管の細胞にあるタンパク、糸球体と大きく関わっている。
糸球体は0.1mm~0.2mmほど、1つの腎臓に約100万個ある。ここで老廃物をろ過している。
SGLT2は必要なブドウ糖やナトリウムを再吸収して戻す。これが正常な腎臓の働き。
慢性腎臓病では糸球体高血圧になりろ過が過剰に行われる。働き過ぎの状態。腎機能低下が進行。
SGLT2阻害薬によってブドウ糖やナトリウムを再吸収を抑える。
これによって糸球体が正常化して腎臓への負荷が軽減される。
また腎臓の低酸素を解消し、末期腎不全に進行しやすい線維化を防ぐ。
但し透析治療を行っている患者には使えない。
SGLT2を早い段階で使い始めるほど腎機能が十分維持しやすい、透析に至らず寿命を全うすることも期待できる。
最近では一番遅かった透析開始の年代が
女性80~84歳、男性70~74歳
更に様々な進行度の患者全てを合わせて、心不全などの合併症が平均3~4割減ったという。
SGLT2阻害薬の副作用
頻尿、生殖器感染症、体重減少など対処が必要な場合があるため医師に相談下さい。
腎臓では赤血球をつくるために必要なEPO産出している。腎機能が低下すると赤血球が少なくなって貧血が起こりやすくなる。
腎臓で貧血がある場合
活動や機能が低下してフレイルになるリスクが高くなる。その後の経過や人生に悪影響を及ぼしやすい。
従来は注射薬のみ。飲み薬HIF-PH阻害薬、2021年4月に5種類まで増えた。
HIF-PH阻害薬は、腎臓がEPOをつくる働きを改善する。
注射が効かなかった人でも効きやすくなる。
透析治療を患者と医師で決めていく
透析患者には高齢、重大な合併症を持っている人が少なくない。
医師が透析によるリスクが高く患者が耐えられないと判断。
患者自身が透析を希望しないという場合がある。
透析治療をしないと尿毒症、吐き気や呼吸困難などの辛い症状が現れ、最終的に命に関わる。
保存的腎臓療法
尿毒症などの症状の軽減に集中する治療を行う。
共同意思決定
患者と医師が共に考え話し合って治療を決定する。
医師はその患者にとって何が大切か価値観を理解し、患者は治療法についてよく理解することが大事。
保存的腎臓療法ガイドでは、共同意思決定、症状を軽減する治療、心理面での苦痛を和らげるケアなどの重要性、方法が示されている。


