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慢性副鼻腔炎とは?

慢性副鼻腔炎は別名蓄膿症、患者数は約20万人といわれ身近な病気と考えられています。

鼻づまりや鼻水だけではない
副鼻腔は、鼻の中の空間の周囲に点在する空洞。1つの大きな空洞ではなく、左右に4つずつ合計8つあるといいます。

副鼻腔がなぜ存在するのかは、頭の重さを少しでも軽くするため、声を反響させるためなど諸説がありますが、はっきりとは分かっていないといいます。

慢性副鼻腔炎の約9割は、ウイルスや細菌に感染することが原因となって起こると考えられています。

副鼻腔の粘膜が腫れて、鼻腔と副鼻腔をつないでいる孔が塞がってしまうと、副鼻腔内に鼻水や膿が溜まりウイルスや細菌が増殖して炎症が起こるといいます。

炎症が続くと粘膜の一部が腫れ上がって鼻茸ができることがあり、空気の通り道が塞がれてしまい呼吸がしにくくなるといいます。

典型的な症状は、鼻づまりと鼻水。鼻水が喉に回って痰が絡む後鼻漏という症状が出ることもあるといいます。症状が3か月以上続くと慢性副鼻腔炎と診断されます。

重症化すると、目の奥が痛い、頭痛がする、奥歯が痛むなど、鼻以外の場所で症状がでることがあるといいます。

こんな人がなりやすい
慢性副鼻腔炎の診断は、問診でどんな症状か、症状が始まった時期などを確認。内視鏡を使って鼻茸があるかどうかを検査。またCTによる画像検査も行い、副鼻腔の状態を調べるといいます。

・アレルギー性鼻炎のある人
鼻の粘膜が腫れていることが多いので鼻腔や副鼻腔の喚気が悪く、慢性化しやすい。

・免疫の働きが低下している人
糖尿病のある人や、リウマチなどの治療で免疫の働きを抑える薬を使っている人などは、免疫の低下によって慢性化しやすい。

・鼻中隔が著しく曲がっている人
左右の鼻腔を隔てている壁の鼻中隔が、極端に曲がっていると鼻づまりが起こりやすくなり、副鼻腔炎が慢性化しやすい。鼻中隔矯正術という手術を行うこともある。

長引く前に治療を
・薬物療法
マクロライド系抗菌薬という抗生物質を少量、長期間服用するといいます。この治療で、6~7割の人が治るといわれています。

・手術
内視鏡の映像を確認しながら、先端に刃が付いたマイクロデブリッダーで、吸引しながら鼻茸を切除したり、腫れた粘膜を除去したりするといいます。

手術で鼻茸などを切除すれば、概ね再発することはないといわれています。手術時間は、一般に2~3時間程度。出血リスクがあるので入院が必要です。

症状が出て1か月以内の急性副鼻腔炎の段階で薬物療法を行うことで、殆どの場合完治すると考えられています。

熱などの症状がなくなっても鼻の症状だけが長引く場合は、急性副鼻腔炎の可能性があるので、早めに耳鼻咽喉科を受診することが推奨されています。