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大腸がん治療の新薬とは?

治療の柱 分子標的薬
分子標的薬はがん細胞の発生・増殖に関わるもののみを標的にするので、従来の薬と比べて正常細胞へのダメージが少なくまた副作用が少ない。

従来の抗がん剤は、吐き気、下痢、痺れ、脱毛などの副作用が起きやすかったといいます。

・血管新生阻害薬
がん細胞は血管新生を作って栄養を得てどんどん増殖していきます。血管新生阻害薬はがん細胞が血管を作るのを妨げる。

・抗EGFR抗体薬
がん細胞の表面にあるEGFR(受容体)に細胞を成長させるたんぱく質がくっつくと、がんが増大してしまう。抗EGFR抗体薬は先にくっつくことで、がんの成長を防ぐ。

患者のがんの性質をみて薬を選択する。患者のタイプは、がんの組織の一部を取り遺伝子検査を行って判断する。最近では血液検査でできることもあるといいます。

この遺伝子検査により一人一人に合った薬を選べることで、治療成績が向上したといいます。

遺伝子検査でタイプを判別
薬を決める検査は2つの遺伝子(RAS、BRAF)を調べる。

Aタイプ約50% RAS変異あり、BRAF → 血管新生阻害薬+従来の抗がん剤(殺細胞性)

Bタイプ約6% RAS変異なし、BRAF変異あり → 血管新生阻害薬+従来の抗がん剤(FOLFXIRI)

Cタイプ約44% RAS変異なし、BRAF変異なし → 抗EGFR抗体薬+従来の抗がん剤(殺細胞性)

生存期間の中央値(最も多い数値)は、2000年代前半頃までは12か月ほどだった(転移などで手術ができないケース)

生存期間の中央値(最も多い数値)が2015年の段階では約30か月に延びた。2021年では3年を超えていると考えられています。

但し、治療を続けているうちに薬が効かなくなってくる。2次治療に切り替えることが今後の課題になってくる。

※Bタイプ約6%の生存期間の中央値は1年満たない、2次治療以降でがんが縮小するケースは2%ほど。

2020年11月 2次治療 がんが縮小する可能性 約30%、生存期間の中央値は従来の2倍以上。
・BRAF阻害薬+抗EGFR抗体薬

・MEK阻害薬+抗EGFR抗体薬

強い副作用で入院するようなケースは100人に1~2ほど。副作用が不安な場合は、次の受信日を待たずに医療機関に電話するなど早く相談をしましょう。

薬を使い続けていると、がんが小さくなり手術できる状態に戻せることがある。また、これから出てくる新しい薬が使える可能性も出てきます。