スポンサーリンク

大腸がんの疑問に答える!?

遺伝の影響は?
Q:60代女性、親戚2人を大腸がんで亡くしている。母親も完治したが64歳で大腸がんと告知を受けた。大腸がんの家系だと思い心配。

A:遺伝に関係する大腸がんは全体の20%程度と考えられている。大腸がんになりやすい遺伝性の病気がある。

・家族性大腸腺腫症 … 大腸にポリープが沢山できがん化しやすい。約半数が40歳までに大腸がんを発症する。

・リンチ症候群 … 発がんを抑える遺伝子に異常が起こる。若いうちから大腸がんを発症しやすい。

但し、相談者は60代で大腸がんと診断されていないので、遺伝性の病気である可能性は高くない。

また、親戚は比較的遠い血縁で母親は60歳を過ぎてから発症したため遺伝性の病気である可能性は高くない。

大腸がんになりやすい遺伝性の病気を疑う場合は、親、子、兄弟姉妹で、50歳未満で大腸がんと診断された人が1人でもいる。

または、年齢に関わらず大腸がんと診断された人が2人以上いる場合は、遺伝子検査をすることが推奨されている。

遺伝以外でも40歳を過ぎたら年1回大腸がん検診を受けることが望まれる。

良性ポリープ切除後の検査は?
Q:2年前に大腸内視鏡検査でポリープが3個見つかりその場で切除した。ポリープは良性のもので念のために1年後にもう一度検査をといわれた。検査を受けないまま2年が過ぎた。

A:大腸ポリープの約8割は良性、但しその後がんになる可能性があるため良性であってでも切除した方が良い。見つかっていないポリープがあるかもしれないし、新たにポリープができているかもしれないので1年後に調べた方が良い。

混む時間帯を事前に聞いたうえでそれを避けて検査を申し込みましょう。

下痢や便秘は大腸がんと関係する?
Q:20代女性、下痢型・ガス型の重症な過敏性腸症候群で10年程前から様々な薬を服用している。大腸がんのリスクは高いのか?

Q:他の20代女性、下垂体機能低下症があり便秘にも悩んでいる。大腸がんのリスクは高いのか?

A:過敏性腸症候群は国内に数百万人と考えられているが、大腸がんのリスクが高いという報告はない。下痢を起こす病気で大腸がんにつながりやすいのは、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸の粘膜に炎症が起こり潰瘍ができやすい。炎症が続くことががんの発生に関係すると考えられている。薬でコントロール、炎症の少ない状態にすることが重要。また定期的な内視鏡検査で大腸がんを早期発見する。

A:下垂体機能低下症や便秘が大腸がんになりやすいという報告はない。40歳を過ぎたら年1回大腸がん検診を受けることが推奨されている。

大腸がんを予防する食事は?
Q:大腸がんの予防に人参ジュースが効果があるといわれるが本当か?

A:そういう事実はないが、野菜を多く食べる人は大腸がんになりにくいといわれる。食物繊維の摂取量が多い人は大腸がんになりにくく、少ない人はなりやすい傾向がある。

食物繊維は便通が良くなるので、それが大腸がん予防と関係する可能性があると考えられている。大腸がんの患者は、食事については医師や管理栄養士に従って下さい。