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クローン病とは?

クローン病は潰瘍性大腸炎と同じように、免疫細胞の過剰な反応によって腸に炎症が起こる病気だといいます。口腔内から肛門まで、消化管の色々な部位に炎症が起こる可能性があるといわれています。

腸全体に病変が
クローン病の炎症は、消化管の粘膜の表面だけではなく粘膜下層から炎症が始まり、固有筋層、漿膜(しょうまく)下層、漿膜にまで及ぶといいます。

腸の深いところまで炎症が及ぶと、潰瘍ができて腸が狭くなる狭窄や腸に穴があく穿孔(せんこう)、腸と腸がつながって内部でトンネルが形成される瘻孔(ろうこう)など腸の変形が起こるといいます。腸の変形は自然に元に戻ることはないので、手術が必要になることもあるといいます。

クローン病の原因はまだはっきりと分かっていませんが、免疫の働きを担う白血球の1つマクロファージの機能異常によって起こると考えられています。

全身に症状を引き起こすこともあるといわれています。関節炎約20%、皮膚の異常約2%、また口内炎を繰り返す人は消化器の検査をすることが推奨されています。

新しい検査法
カプセル内視鏡
カプセル内視鏡は長さが約3cm、幅が約1cmの大きさでカプセルの片側にカメラが付いているといいます。カプセル内視鏡を口からのみ込み、小腸の中を移動させながら撮影していきます。

朝飲み込めば夕方には小腸の様子が撮影されるといいます。その間激しい運動をしなければ、仕事や家事など通常の生活しながら検査することができるといいます。カプセルは便とともに排出されます。

実際には使用する前にダミーカプセルを飲んでもらい、狭窄を調べるため通過するかどうかで確認するといいます。ダミーカプセルは体内で100時間程経過すると自然に溶けるといいます。ダミーカプセルが出てくればカプセル内視鏡の検査ができるということです。

バルーン内視鏡検査
バルーンを膨らませて小腸を広げて固定し、内視鏡を進めながら小腸内を観察していきます。内視鏡から出す器具で、狭窄を拡張したり、止血を行ったり、ポリープを切除することもあるといいます。

大腸にできる敷石像、縦走潰瘍はクローン病の特徴的な症例だといわれています。

腸を休ませる栄養療法
クローン病になると小腸で十分に栄養を吸収することができなくなるといいます。また、食事による腸の負担を減らすために腸を休ませる必要があるといいます。

食事以外の方法で栄養を補給する栄養療法が行われるといいます。
経腸栄養療法:鼻から十二指腸まで挿入したチューブを通して、消化しやすい栄養剤を注入するといいます。

中心静脈栄養療法:胸などの静脈から挿入したカテーテルを通して栄養剤を注入。腸の狭窄が強い場合や炎症が広範囲に及んでいる場合に行われるといいます。

【薬による治療】
・軽症:5-アミノサリチル酸製剤

・中等症:ステロイド薬と免疫調節薬を併用

・重症:TNF-α抗体製剤、抗IL-12/23p40抗体製剤(クローン病の発症に関わると考えられている物質の働きを抑え、症状を改善)

・肛門症状:抗菌薬

※現在は、抗α4βインテグリン抗体製剤モ使用可能だといいます。