踊る意味
人間は体を動かさないでしゃべるのは難しい。社会、進化を考える上で踊りは重要。
生後6か月以降に見られる赤子の動き、母親が歌を歌うと手や足などを一定のリズムで繰り返す動きはまさにダンスだ。
鶴のオスもメスもダンスをする。タイミングが重要。相性が良いか分かるらしい。
踊ることによって、体のキレ、健康さ、栄養状態の良さなどが伝えようとしなくても伝わると考えられている。
動物は踊りという無駄な行為で生存力の強さをアピールしている。
危険をあえておかすことのできる余裕があるともいえる。
輪になって踊る
人類初の踊り、エジプトの王朝時代から「神の踊り子」と呼ばれる人々が、ナイル川の上流に住んでいると知られていた。
ピグミーと呼ばれる人たち。輪になる踊りが日常的に自然に踊っているという。
多くなると100人位集まることもある。長い時は、夕方から始まって翌日の昼過ぎまで、歌と踊りが絶え間なく続く。
日本の盆踊りも輪になって踊る。世界中でも輪になって踊ることが多いという。
輪になって踊ると中央にパワーが集まる。輪の中心に聖なるものがやどる。
輪=終りがない ずっと踊ることで盛り上がる。聖なるものとフィードバックする。
踊りと進化
身体に同調・共鳴を通じて心を1つにする。
ダンス、音楽によって高められた。
危険や恐怖を乗り越えなくてはいけない。
集団の力、社会力が必要。
人間に進化的に近いゴリラは、ダンスの能力には大きな差がある。
ゴリラができる踊りらしい動きはドラミングという行為。
2足で立って歩き始めた人間は、複雑な動作を交えた踊りを発明した。
ゴリラ、チンパンジー、オラウータンなど人間に近い類人猿は、いまだに熱帯雨林とその近いところにしか生息していない。
それは人間と違って4足歩行だからと考えられている。
2足歩行の人間だけが森林を超えて足を延ばすことができた。
体の同調と共鳴のおかげ。
弱い人間がみんなで踊り肉食獣を追い払ったのかもしれない。
アニマルダンスは体を動かして人と同じ動きをするのがダンスになった。
それはオウムなど人の声真似ができるのに関係しているらしい。
人と同じような声を出すコミュニケーションが言葉になった。
ダンスと言葉は共に進化した。
ダンスは言葉を持つ重要なきっかけになったと考えられる。
声マネとダンスの根源は、脳内のミラーミューロンという自分の動きと他人の動きを対応づけるものがあったこと。