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死 生命最大の謎とは?

人は生まれて必ず死ぬ。しかし死については、まだかなり曖昧な部分があるという。

生と死の境目がはっきりしていない。生命は多様なのに死だけは多様ではない。

東京都健康長寿医療センター 遠藤昌吾氏によると、

死については余り研究が進んでいないという。

死を経験した人はこの世にはいない。その人から聞き取りすることはできないから。

人の死はグラデーション
<墓地、埋葬等に関する法律>
24時間内の埋葬、火葬の禁止。

死を判断したけど、ぱしっと境界線があるかというと、非常に曖昧な境界がある。グラデーションある。

だからこそ24時間は絶対に火葬するまでは空ける法律ができている。

【死の三兆侯】
1.心臓 心配の停止

2.肺 呼吸の停止

3.脳 瞳孔反応の消失

※医師が経験に基づいて判断している。

2013年イランである死刑囚が刑を執行された時のこと、医師によって死亡が確認されたものの、その翌日遺体安置所で男性は息を吹き返した。

死の三兆侯が起こったからといって、死とは考えられないかもしれない。

臓器あるいは細胞レベルでは生きていたからこそ起こったと考えられる。

人はどの時点で死んだと言えるのか?

【脳死患者の測定データ】
生命維持装置を外すと、直ぐに心配・呼吸停止する。

脳の神経細胞の反応は、逆に上昇する。反応が治まるのははるか後のこと。

これは神経細胞が死んでいく過程だという。神経細胞の穏やかな死。

この過程で神経細胞は色々なものを放出する。

その中にエンドルフィンという多幸感をもたらす神経伝達物質がある。

臨死体験で幸福感を示す人が多いそうだが、この成分のせいかもしれない。

細胞が死んでいってだんだん臓器も駄目になっていく。その間に臓器移植が行われる。

死のシステム
スティーブ・ジョブズは「死は生命最大の発明」といった。

京都大学大学院 石川冬木教授によると、

命の上限があるのにはテロメアが関係しているのではないかと考えられている。

テロメアは染色体の末端、染色体の中のDNAを保護するためのキャップのようなもの。

人間の37兆個の細胞は、常に分裂を繰り返している。

この細胞分裂の度にテロメアは短くなるという。つまり死に近づいていく。

テロメアが短くなり過ぎると、細胞分裂がスムーズにできなくなる。

細胞分裂がきなくなると細胞が老化する。全身に広がると臓器や筋肉が低下する。おのずと死へ向かっていく。

テロメアが短くならない細胞があるという。それは生殖細胞。細胞分裂に限界がない。

東京大学 小林武彦教授によると、

テロメアが短くならないような操作をすると、永久に細胞は分裂し続ける。

しかし残念ながら、テロメアを修復するとがんになる。

マウスによる実験で、細胞の老化は抑えられるがその組織はがん化する。

細胞のがん化を防ぐため、あえて細胞の分裂を止める役割があったと考えられる。

不老不死を許さない強い死のシステムがあるのかもしれない。

ストレスがテロメアを短くする1つの原因。一番有名なのは喫煙。

生殖細胞が不死だから生物が進化したともいえる。

生殖細胞命のバトンを次に渡さなければいけないので、テロメアは短くなっては困る。

色々な新しい遺伝的組合せで多様性を作くる。親より子供の方が優秀。

サケは川を遡上して産卵を行う。そして直後全ての体力を使い果たし死んでしまう。

寿命は生直(子供がつくれる)期間と相関関係がある。

多くの生き物は子孫を残したら生き物としての役目は終わる。

人間は特殊な生き物で、生殖期を終えた後も長い余生がある。

おばあちゃん仮説
残った能力を子孫の世話に振り分ける。

文化の継承には時間がかかるから、教育機関が長くないといけない。

そのために寿命長くなったと推定される。

人だけが死に対する強い恐怖を持っている。

人は社会の中で進化してきた。

未来はどうなるのか?

死に方はやっぱり社会が決める?

「死に方」を模索できる社会を作ることが大事なのでは…