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ドラゴン伝説はどうやって生まれた?

鋼ののように固いウロコとカミソリのように鋭い歯があり、口から火を吐く伝説の怪物ドラゴンの凶暴なイメージはどのようにして生まれたのでしょうか。

ドラゴン伝説が広まった中世ヨーロッパ、500年前火を吐く怪物が街を焼き尽くすという話が社会を恐怖に陥れました。何故人々は怪物がいると信じたのでしょうか。

ドラゴンは昔から人々の身近にいる存在だったといいます。現代でもハリーポッターなど多くの作品に登場して私たちを魅了しています。

ドラゴンの物語は何世紀にもわたって語り継がれました。ドラゴンを倒して乙女を救うヒーローが皆通る道です。現代でも人間がドラゴンを恐れる気持ちは残っているといいます。

多くのドラゴンに共通する特徴は、空を飛び火を吐く爬虫類というものです。その原形はどこにあるのでしょう。北ヨーロッパに伝わるファフニールという怪物がいます。

ライン川沿いの渓谷に住むドラゴンです。巨大な体と鋭いツメどんな武器でも貫くことができない硬いうろこに覆われていました。住処には略奪した財宝が積まれていました。

ある時英雄ジイクフリートがドラゴンに立ち向かう決意を固めたといいます。洞窟で怪物を待ち構えました。ファフニールの唯一の弱点である下腹を狙い一突きで倒したといいます。

西洋と東洋との違い
人間は心の奥底に説明しようのない恐怖を抱えているといいます。蜘蛛を怖がる人もいれば、ヘビやライオンを恐れる人もいます。このような恐怖が神話的な怪物を生み出したと考えられます。

それではなぜドラゴンはどこでも同じような姿で描かれていたのでしょうか。古代に生息していた巨大生物(恐竜)がドラゴンの起源になったと考えられています。巨大な恐竜の化石を見て復元しようと試みたときドラゴンになっていったのかもしれません。

また古い聖書には、鯨も食べてしまう海の怪物リバイヤサンが描かれています。リバイヤサンが悪魔のドラゴンをとらえたと書かれているといいます。中世の教会がドラゴンが実在したとし人々に刷り込まれていったと考えられます。

中世に広く読まれた叙事詩ベーオウルフの中に火を吐くドラゴンが初めて登場するといいます。火を吐くのはヘビの舌からイメージされたのではないかとという説があるようです。

教会の戒めで地獄に落ちると永遠に火に焼かれると信じた人々は、火を吐く怪物も信じるようになったと考えられます。そしてドラゴンが火を吐くというイメージが定着していったのではないでしょうか。

中世では火事は深刻な脅威だったと考えられます。当時はほとんどが木造建築で、火を消す術もなかったからです。一度火災が出ると広範囲に焼き尽くしたといわれています。また原因の分からない人々が恐れた自然災害などもドラゴンのせいにしたようです。

邪悪で凶暴なヨーロッパのドラゴンに対して、中国のドラゴンは善を施す魔法の力を持った霊的な存在でした。ヘビのように体が長く翼が無くても空を飛ぶことができます。自然を操り霊界に住んでいると信じられていました。権威の象徴としても利用されていたようです。