身近で手に入りやすい市販薬だが、その中で解熱鎮痛薬などが薬剤アレルギーの原因になっていることが分かってきている。
市販薬 注意すべきタイプ
解熱鎮痛薬の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は薬剤アレルギーを起こしやすいといわれている。
解熱鎮痛薬には、非ステロイド性抗炎症薬とは書いておらず、成分名のアスピリン、イブプロフェンなどと書かれている。
このタイプの薬は比較的身近な薬で内服する機会が多いこともあって、発症するリスクが高いと考えられている。
度々服用しているうちに、IgEという免疫を司るたんぱく質が産生されて過敏反応が起こってくる。
薬剤アレルギーは、服用後数分から2時間以内に発症することが多い。じんましんや、目や口の周りが腫れる血管性浮腫などが起こる。
その他、息苦しさ、ぜんそく、腹痛、おう吐、下痢など全身の症状が現れることがある。
このような症状はアナフィラキシーといって、息苦しい、意識がもうろうとする場合には救急受診が必要。
処方薬で重症化
突発性発疹は子どもの頃かかる病気だが、一度かかるとヒトヘルペスウイルス6型が潜伏する。
これが処方される薬剤が原因のアレルギーでウイルスが活性化して、薬剤性過敏症症候群にかかることがあるという。
薬剤性過敏症症候群は、薬を飲んで2週間以上経過してから起こる。また薬を中止しても症状を繰り返す。
薬剤性過敏症症候群の症状は、38度以上の発熱、全身に赤い斑点、リンパ節が腫れる(首、脇の下、股の付け根など)、肝機能障害などが挙げられる。
薬剤性過敏症症候群は抗てんかん薬、痛風の薬で起こることが多いといわれている。
ごくまれに市販の総合感冒薬で発症する場合もある。
検査と対策
〇パッチテスト
原因となりやすいものを背中などに約48時間貼り付けて、発疹が出るかを調べる。
〇プリックテスト
薬剤を溶かした溶液を垂らした上から、針で刺して調べる。入院して行うこともある。
〇内服テスト
薬を少量から徐々に増やして服用して検査する。
解熱鎮痛薬が原因の場合は薬を中止する。服用可能な代替えの薬を探すことも重要。
例えばアスピリン → アセトアミノフェンに変更する。
それでも症状が出る場合は、別のアレルギーや病気が隠れていることもあるので専門医に相談することが推奨される。