スポンサーリンク

味が分からない?

味覚障害の患者数は1990年では14万人、2003年では24万人、2019年では27万人と増えているといいます。加齢とともに味覚は低下するので、高齢化の影響があると考えられています。

味が分からないと食欲が低下して栄養不足や、塩分・糖分の摂り過ぎで健康に影響が出てくるので注意が必要です。

なぜ味が分からなくなる?
味覚障害の約半数が亜鉛の不足といわれています。亜鉛が不足すると、味を感じる味蕾が再生しないので → 味を感じられないといいます。

亜鉛不足は、偏った食事、病気(糖尿病、腎臓病、肝臓病、胃腸の病気)、亜鉛の吸収を抑える薬(200種類以上)が原因で起こるといいます。

また、一般の風邪やインフルエンザのウイルスによって舌の細胞が壊れることもあり、風が治った後も味覚障害が続く場合もあるといいます。

味覚の機能は正常なのに、うつ病などで心因性味覚障害を起こすこともあるといいます。仕事が上手くいかない、失恋、対人関係に支障がある場合、砂をかむような味気なさをという表現もありますよね。

加齢によって、味蕾の働きが低下や数の減少が起きて味覚障害になると考えられています。

早期発見のサイン
【味覚障害のセルフチェック】
・何を食べても味がまった分からない。
・特定の味を感じない。
・いつもと違う味がする。
・いつも口の中が苦く感じる。

1つでもあてはまる場合には、味覚障害の可能性があります。

徐々に味覚が低下している場合は自分では症状がに気づきにくいとといいます。いつも通り料理しているはずが、味付けが濃くなったといわれて気づくことがあるといいます。

例えば、ラーメンを食べてもゴムのような味、味噌の味だけが分からないなどもあるといいます。

塩辛いが苦いと感じたり、すっぱいが塩辛いなどいつもと違う味がするのも味覚障害の1つです。

いつも口の中が苦く感じられ食事が美味しくない、食欲低下で体重が減る場合もあるといいます。

美味しいを取り戻す
味覚障害の検査・診断は、耳鼻咽喉科が専門。全国の大学病院では味覚外来という専門外来を設置しているところもあるといいます。

味覚障害の主な検査は、血液中の亜鉛の量を調べる血液検査、ろ紙ディスク法、電気味覚検査などが挙げられます。

ろ紙ディスク法は、味の染み付いたろ紙を舌の上に置きどんな味がするか識別します。甘味、塩味、酸味、苦味、それぞれ味の濃さは5段階。濃さを変えて味の感度を調べていくといいます。

電気味覚検査では、舌にわずかな電気を流すと金属の味がする。流す電量を調整しながら神経経路に異常がないか調べるといいます。

味覚障害の原因を特定し原因に合わせて治療を行っていくといいます。例えば薬が原因の場合は、病気の担当医と相談して薬を変更するといいます。

糖尿病、口の中の病気の場合は、それぞれの病気の治療を行っていくといいます。うつ病など心の状態による場合は、カウンセリングを行うといいます。

亜鉛不足の場合は、亜鉛は体内で作れないので亜鉛製剤、食事、サプリメントなどで補っていくといいます。個人差はありますが、7~8割の人が3か月~半年で徐々に味覚が回復してくるといいます。

亜鉛を多く含む食材は、牡蠣、レバー、牛赤身、ホタテなど貝類、納豆など大豆製品、ココア、抹茶などが挙げられます。バランスの良い食事が大事だと考えられています。

新型コロナと味覚障害
新型コロナウイルス感染症の場合、約半数の患者に嗅覚あるいは味覚の異常が起こると報告されています。初期にある日突然味覚障害が現れる人が多いといわれています。

ウイルスが味蕾や神経を壊す、嗅覚障害に伴って食べ物の匂いが分からなくなるのではないかと考えられています。

ある日突然急に味が分からなくなったら、今は新型コロナ感染を疑い、発熱の症状がなくても感染を前提にした行動をすることが推奨されています。

外出はできるだけ避ける、直ぐに病院にいかない、患者相談窓口や医療機関に電話で相談するようにしましょう。

新型コロナにおける味覚障害は現在は治療法がないといいますが、7~8割は1か月程度で自然に治るといわれています。