スポンサーリンク

穴があいた鼓膜の再生!?

なぜ鼓膜に穴が?
・病気:中耳炎など。

・外傷:耳かき中の事故、ボールなどがぶつかったりする場合。

・急激な気圧の変化:飛行機に乗った時、ダイビングの時など。

※鼓膜は再生力が高いので、穴が小さい場合は1~2か月ほどで自然にふさがるのですが、場合によって穴がふさがらず、開いた状態のままになってしまうことがあるといいます。

【鼓膜の穴による影響】
・聴力の低下
・認知症のリスク
・耳鳴り、めまい
・補聴器の効果が出にくい

【鼓膜の穴がふさがらない理由】
鼓膜の穴から細菌やウイルスが入り感染症を起こし、鼓膜の再生を妨げてしまうといいます。また穴が大き過ぎると、組織が再生した細胞の支えがないため全体を覆えないといいます。

鼓膜再生療法とは?
1.鼓膜周辺に麻酔をかけ、穴の周縁を切って除去する。 そうすると、傷ついた部分を修復しようとして、鼓膜を作る元になる細胞が活性化して増殖が始まるといいます。

2.細胞の成長を助け薬剤(トラフェルミン)を浸したゼラチンスポンジを穴に詰め、鼓膜の再生を促します。耳の中に残ったスポンジは体内に吸収されるといいます。

3.医療用の糊で蓋をして、接着・固定します。

4.3週間ほどでかさぶたが形成されるので、それを剥がして下に鼓膜が再生されていることが確認できれば終了。

治療の現状と課題
このような最先端の鼓膜再生療法はこれまで500例ほど実施されていて、そのうちの約85%の患者で鼓膜が完全に再生して聴力も大きく改善したといいます。

但し1回の治療で完全に穴がふさがらない場合もあり、最大4回まで行うといいます。1~2回の治療で75%が完全に再生するといいます。

完全にふさがらない場合でもほぼ再生されるので、処置前に比べで聴力が上がるといいます。鼓膜再生の度合いは内耳の状態により異なるといいます。

治療による副作用・後遺症は、約30%の患者さんに炎症(軽症)やアレルギーが起こる場合もあるといいます。

【治療適用の条件】
○耳の穴が狭すぎないこと
○炎症がなく、鼓膜が乾燥していること
○鼓膜・鼓室形成術の経験がないこと

大学病院を中心に全国300か所以上で治療が可能、、まずはかかりつけ医に相談して下さい。

【鼓膜再生療法の費用】
3割負担の場合で6000円程度。
但し、その他治療前後の検査費や治療にかかる薬などの費用が約3万円になるといいます。

※これらはあくまで軽症で鼓室内の清掃などの必要がない患者さんのケースになります。