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好酸球性副鼻腔炎とは?

慢性副鼻腔炎の中で、ウイルスや細菌に感染しなくても起こるのが好酸球性副鼻腔炎といわれています。慢性副鼻腔炎の患者は約20万人といわれ、そのうちの2万人が好酸球性副鼻腔炎で増加している傾向があるといいます。男性より女性に多い傾向があり、成人になってから発症するといいます。

カギは好酸球
好酸球性副鼻腔炎の原因はよく分かっていません。炎症が起こっている部位で、好酸球が異常に増殖しているのですが、なぜ好酸球が増えるのか不明で、2015年に難病に指定されています。

好酸球性副鼻腔炎の症状としては、鼻づまりは少ない、鼻水は非常に粘りが強く黄色い、初期の段階で嗅覚障害が出るといいます。

特徴は嗅覚障害
においを関知する嗅神経は、顔の中心付近にある。好酸球性副鼻腔炎では鼻の中心に鼻茸が発生することが多く、においの通り道を鼻茸が塞いでしまうので、嗅覚障害が起こりやすくなると考えられています。

嗅覚障害では食事が味気なくなる、ガス漏れなどの危険察知能力の低下等々、生活の質の悪化が懸念されます。

研究が進む最新治療
一般的な慢性副鼻腔炎の場合は、ぜんそくを併発している割合は3割程度、好酸球性副鼻腔炎の場合は、7~8割といわれています。

副鼻腔炎が悪化すると、ぜんそくも悪化して呼吸困難に陥り命に関わる危険性があると考えられています。副鼻腔炎が改善するとぜんそくも改善するといわれています。

ぜんそくと副鼻腔炎のそれぞれをしっかり治療していくことで、相乗効果が得られるといわれています。完治は難しいが、症状を和らげながら生活の質を保っていくといいます。

【手術】
内視鏡とマイクロデブリッダーを使用して、鼻茸を切除し空気の通り道を確保するといいます。手術後5~6年の間に、約半数の人が再発するといわれ、再発防止のため治療を継続していくといいます。

【薬物療法】
ステロイド薬を使って炎症や再発を抑える。好酸球性副鼻腔炎の8割に効果があるといいます。患部だけに効果を発揮し、長期間使っても副作用が出にくい点鼻薬が多く使われているといいます。

好酸球性副鼻腔炎が再発したら、飲む薬のステロイド薬や、再手術することも検討していくといいます。

新たな治療薬として分子標的薬のデュピルマブが注目されています。2020年3月に健康保険が適用、自己注射で使用するタイプの注射薬です。

デュピルマブは、炎症の原因分子が副鼻腔の粘膜の細胞にある受容体に結合しないようにすることで、副鼻腔に炎症が起こるのを防ぐといいます。

新たな治療法として期待されています。但し高価なこともあり、限られた重症の患者さん、特に鼻茸が大きい人などに投与が始められているといいます。