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食道がんの最新治療法とは?

食道がんは早期に見つかれば内視鏡で治療を行うことができますが、早期には殆ど症状がないので、ある程度進行した段階で発見される人が多いといいます。但し治療法が進歩し、進行した食道がんであっても完治できるケースも増えているといいます。

治療法はどう選ぶ?
ステージⅠでは手術でがんを取り除き、取った細胞を顕微鏡で調べて転移が明らかになった場合には、抗がん剤を追加することもあるといいます。

ステージⅡとⅢについては、術前化学療法といって最初に抗がん剤でがんをある程度小さくしてから、手術でがんを摘出するといいます。この方法が現在主流になっているといいます。

ステージⅣでは抗がん剤治療や放射線治療が選択されるといいます。また患者さんの希望などで、手術の代わりに抗がん剤と放射線を組み合わせた化学放射線療法が行われる場合があるといいます。

大手術
日本人は食道の真ん中辺りにがんができるケースが約90%といわれています。食道の周りにはリンパ節が豊富に存在していて転移しやすいので、のどの部分の数センチだけ食道を残して、そこから下の食道全てと胃の一部を切除するといいます。

〇開胸手術
現在も食道がん手術全体の4割を占めるのが開胸手術。右胸の横にメスを入れ、ろっ骨を切って右肺をしぼませて、食道にアプローチ。

更に胃の一部を切除したり、胃とのどの食道をつなぐためにお腹とのども切開するといいます。このように同時に3か所も切開する手術は他になく大がかりな手術といわれています。

術後には肺炎や声のかすれ、縫合不全など、何らかの合併症が40%ほどの頻度で起こると報告されているといいます。

〇胸くう鏡と腹くう鏡手術
開胸手術に比べて傷が小さく、ろっ骨を切らないので術後の痛みは比較的軽いといいます。但し片方の肺をしぼませなくてはならないので、術後の肺炎の発生は余り減っていないことが最近の研究で分かっているといいます。

体に優しい手術
〇縦隔鏡手術
縦隔とは肺と肺の間にある空間のことで、縦隔鏡手術ではのどとお腹を小さく切開し、そこから手術器具を入れて上と下からトンネルを掘るように食道とリンパ節を切除するといいます。

片方の肺をしぼませる必要がないので、肺への負担を大きく減らすことができると考えられています。縦隔鏡手術は2018年に保険適用。

〇ロボット支援下手術
縦隔鏡手術は非常に高度な技術が要求されるといいます。そこでロボット支援による手術が進んで2018年に保険適用にもなっています。

ロボット手術では、コンソールと呼ばれる操縦席に座った医師が、患者から離れた場所からロボットを操作。アームには医師の手の動きが伝わり、手振れすることなく手術を行うことができるといいます。

術後の重い肺炎の発生が、従来の手術に比べて大幅に減ったという報告もあります。現在のところ限られた医療機関のみで実施。保険適用になったことで、今後は実施する医療機関が増えていくと考えられています。