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内斜視とは?

スマホやパソコン、ゲーム機などのデジタル機器の使い過ぎに伴って、医療現場で相次いで報告されているのが急性の内斜視。

ある日突然目が内側に寄ってしまい元に戻らなくなることもあるという。内斜視になると物が二重に見えて思わぬ事故につながることもあるので注意が必要。

浜松医科大学 2017~2019の統計によると、後天的内斜視の患者数が約3倍になっているという報告もあるという。

コロナ禍でテレワークによる在宅勤務やオンライン授業になり、デジタル機器を使う時間が増えていて目にどのような影響があるのか心配されている。

なぜ内斜視に?
目には外直筋と内直筋があり、近くを見る時は外直筋が緩み内直筋が縮んで目を寄せて見る。遠くを見る時は内直筋が緩んで外直筋が縮む。

近くを見たり遠くを見ることで目の筋肉の緊張を適度にゆるめている。ところが近くの物ばかりを見ていると、内直筋の柔軟性が失われ元に戻らなくなる。

これが内斜視です。内斜視は元々多い病気ではなかった。ここ数年で患者が増えている。デジタル機器が内斜視の原因ではないかと考えれている。

一番注意が必要なのが、スマートフォンや携帯型のゲーム機といわれている。スマホはスクロールして目を動かさずに読むのでダーメジを受けやすい。

内斜視になると、目が鼻の方に寄って白目が隠れてしまう。人と対面するとどこを見ているか分からない。また複視といって物が二重に見える。

複視があると距離感が掴めなくなり生活しにくくなる。小学生が多いのはゲーム機、中高生ではスマホ、大人では仕事でパソコンを見る時間が多いためと考えられている。

中高年はデジタル機器を使う時間は少ないが、糖尿病や高血圧が原因で眼の動きが悪くなり内斜視になることがある。また近視が進むと内斜視になることもある。

<内斜視にセルフチェック>
1.遠くに目標物を決めてしっかり見る。

2.手で右目を隠す。

3.次に左目を隠す。

※通常は両目で見る方がはっきり見えるが、内斜視は方目ずつの方が見やすい。

使用時間の制限
デジタル機器を使う時間を減らすことが大事。ACE-DD studyのデジタル機器の使用制限(3か月)による変化によると、治癒8%、改善28%。

眼科でメガネのチェックをする。デジタル機器を使う時間を、小学生1時間以内、中学生以上2時間以内を目指す。

使う時の距離や。30分につき5分休憩をとるなどの指導を受けた。デジタル機器を使った時間を日記に記録する。

<内斜視の治療>
・プリズムレンズメガネ
見える映像をずらして視線が揃わなくても像が1つに見える。

・手術
3か月以上元に戻らない場合は手術を検討、小さな子供は早めに手術しないと両目で立体で見る能力を失ってしまう。1年以内の手術が推奨される。

また斜視の程度が強い場合は手術が推奨される。内直筋の位置をずらす、外直筋を切るまたはたたむ。

・ボツリヌス療法
ボツリヌス菌が作り出すたんぱく質ボツリヌストキシンを筋肉に注射して、一時的に内直筋を麻痺させる。効果が現れるのは1週間後、3~4か月で効果がなくなる。

斜視のボツリヌス療法は2015年6月から保険適用になっている。但し施設が限られる。12歳以上しか受けられない。

目に優しいデジタル機器の使い方
・子供だけじゃなく大人も、1日に使う時間を決める。

・30分使ったら5分遠くを見る。

・スマホと目の距離は30cm以上離す。30cm未満だと目にかかる負担が大きくなる。