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線維筋痛症とは?

線維筋痛症は全身を激しい痛みが繰り返し襲う病気。ズキズキする痛み、針で刺されるような痛み、カッターで切りつけられるような痛みなどと表現されるくらい激しい痛み。

2011年の調査によると患者数は国内に推計212万人。実際に線維筋痛症と診断されているのは数万人ともいわれ、まだまだ一般には知られていない。

どんな病気か?
激しい痛みはあるので、医療機関で画像検査や血液検査などを行っても、骨、筋肉、関節に異常は見つからない。

痛む場所や痛み方は人によって様々、また全身痛、疲労感、関節痛、頭痛、睡眠障害、こわばり、しびれ、不安・抑うつ、ドライアイなどの症状も併発することがあるという。

長い間原因不明とされてきたが、近年ようやく痛みの原因は中枢神経にあることが分かってきたという。

<痛みの理由>
・痛み抑制系の異常
私達の体は、痛みを感じるとその信号が脳まで伝わる。すると脳からセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンなどの神経伝達物質が出て、痛みを抑える仕組みがある。

ところが線維筋痛症の患者は、この痛みを抑える経路が上手く働かないため、痛みが続くのではないかと考えられている。

・脳内炎症
脳や脊髄にはミクログリアという中枢の免疫担当細胞があって免役機能を担っている。線維筋痛症では、そのミクログリアが異常に活性化し痛みに関係する神経回路の周りで炎症を起こし、痛みを生み出しているのではないかという説がある。

・脳内ネットワークの変化
脳内には、作業をしていない時に活動する神経のネットワークがある。線維筋痛症では、このネットワークと痛み体験に関わる脳の部位との結びつきが強くなっていることが分かっている。そのため何か特別なことをしていなくても痛みを感じてしまうと考えられている。

発症のきっかけは、過度なストレスが長く続いた時に痛みが始まる人が多いという。他に事故、怪我、感染などが発症のきっかけになる人も多いという。

診断基準
<診断の条件>
1.WPI(広範囲疼痛指数)、SS(症候重症度)という指標での評価。目安は日常生活に支障が出るレベル。

WPI=体の19カ所のうち、最近1週間に痛んだ場所の数を点数にしたもの

SS=痛み以外の症状。疲労感、起きた時の不快感、認知症状を、重症度によって0~3点の数値で表す。他に41の症状の中で当てはまるものをチェックする。

WPIが7点以上で、SSが5点以上。またはWPIが3~6点で、SSが9点以上の時は線維筋痛症と診断される。

2.症状が3か月以上続く。

3.悪性腫瘍、関節リウマチ、シェーグレン症候群などの疾患ではないこと。

線維筋痛症かなと思ったら日本線維筋痛症学会HPに「診療ネットワーク」http://jcfi.jp/network/network_map/index.html

線維筋痛症を診療可能な全国のリストの中からお近くの医療機関を探して受診して下さい。

また、厚生労働省の承認を受けた集学的痛みセンターという痛みを総合的に見てくれる医療機関もあります。受診してみて下さい。

治療とケア
痛みを抑えるプレガバリン、デュロキセチンという薬が線維筋痛症に保険適用となっている。また症状に合わせて、抗うつ薬、抗けいれん薬、鎮痛薬なども使われる。

<薬物治療>
・プレガバリン
脳内で痛みを伝える神経伝達物質の量を減らす。

・デュロキセチン
セロトニンやノルアドレナリンという痛みを抑えるの神経伝達物質の量を増やす。

<非薬物治療>
有酸素運動、マッサージ、太極拳、ヨガ、マインドフルネス、認知行動療法など、自分に合ったものを試していく。

日々の生活では、不快な時間を減らし、心地よい時間を増やすことが重要です。

中枢神経の病気ですので、ストレスを減らすことが痛みの軽減につながる。そのためには自分のことをよく知ることが大事。

自分のストレスの原因を知り、うまく付き合っていくことが推奨される。周囲の人は患者の声をしっかり受け止めよう。