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誰だっけ? 名前が出てこない…

会ったことのある人でも名前がなかなか出てこないことありませんか?私たちの頭の中でどういうふうに記憶が形成されているのでしょうか。記憶に自分の今の行動自体も影響を受けるのかもしれません。

脳内には神経細胞(ニューロン)が1000億個あるといわれています。例えば、場所の情報と不安という情動の情報が結びついて、ある場所に行くと不安な気持ちになるといいます。

頭の中で色々な情報と情報がつながっていくことで私たちの記憶ができて、個性みたいなその個人というものができあがっていったのではないかと考えられています。

脳内の海馬には、比較的新しい記憶や誰という他者の記憶が保存されていることが分かっています。視覚なり聴覚なりで思い出している時、実は同じ神経細胞が活動しているといいます。

海馬の中にある特定の神経細胞が記憶を貯蔵しているといわれています。例えば、顔、名前の文字、声を見たり聞いたりしても同じ神経細胞が活動しているといいます。これをジェニファー・アニストン細胞というそうです。

複数個の神経細胞の組み合わせで1つの記憶を表現してると考えられています。違う人の記憶は違う神経細胞集団に格納されているといいます。1つの細胞だけ刺激しても記憶は立ち上がらない。ある一定以上のパーセンテージが活動しなければいけないと考えられています。

「この人誰だっけ」というその人自体を思い出せない時は、十分な数の神経細胞が活動していなくて全体の記憶を思い出すことができないからだと考えられます。何回も使っている神経回路はどんどんつながりが強くなっていくといいます。情動と記憶は結びついた時にその記憶が長期化しやすいそうです。

記憶の操作
オプトジェネティクス(光遺伝学)といって、光を使って特定の神経細胞だけを活動させるという方法があるといいます。2005年カール・ダイゼロスによって発表された技術です。

光で狙った神経細胞の活動だけをコントロールできるといいます。実験はマウスを使って行われているといいます。脳に光ファイバーを入れて神経細胞に直接光をあてると、動きを活発にしたり抑えたりできるといいます。

「この人」という記憶の細胞を光を使って興奮させることで強制的に思い出させることも可能だといいます。記憶そのものを持っている神経細胞を光で活動させて思い出させていることになります。

もし人間にも応用できるのであれば、狙った細胞を光で活動させて強制的に相手のことを思い出させることができるでしょう。将来的には「誰だっけ?」をなくせるかもしれませんね。

アルツハイマーの治療にも使えることが分かっているそうです。初期のアルツハイマーは、神経細胞と神経細胞のつながりが弱く記憶に影響を及ぼしているので、そこに光を使って思い出させたという研究発表があるといいます。

アルツハイマー病モデルマウスの失われた記憶を取り戻すことに成功したといいます。将来、人間に対してオプトジェネティクスを自由自在に活用できれば少なくとも物忘れはなくなるのではないでしょうか。

また特定の記憶を消すこともできるそうです。ということは、トラウマやPTSDを消す方向に働かせられるかもしれませんね。