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胃がんの最新治療法とは?

早期がんの治療
がんが基本的に粘膜にとどまっていて他の場所に転移が見られない場合に内視鏡治療が行われます。胃カメラを口から入れて、モニターを見ながら電気メスを使ってがんの場所を切除します。

体への負担が少なく体の表面には傷跡が残りません。数時間で終了し入院は数日から1週間程度。胃の機能が治療前と変わらず食欲も残るといいます。ステージⅠの5年後の生存割合は約95%。

胃がんの主な症状としては、みぞおちの痛み、不快感、違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などが挙げられます。更に進行すると食事がつかえる、体重が減ったりするといいます。症状がある場合は検診を待たずに医療機関を受診しましょう。

負担が減った手術
胃がんの標準的手術は、胃を全て取る、胃を2/3取る。いずれの手術も周囲のリンパ節も切除するといいます。最近では胃の下に近いリンパ節転移の可能性がなければ胃の下側を残す(噴門側胃切除術)こともあるといいます。

腹腔鏡手術は、傷口が小さい、手術後の痛みが少ない、回復が早いので多く行われるようになったといいます。2018年にはロボット支援による腹腔鏡手術も、保険で受けらえるようになったといいます。

選択肢が増えたがんの薬
胃がんの進行を抑える治療として、抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの薬による治療が挙げられます。

抗がん剤治療が必要になるのは、手術ができない場合。がんが腹膜や肝臓など離れた場所に転移していて、切除しきれない場合は抗がん剤で治療するといいます。

また、手術後にがんが再発した場合、がんの増殖を抑えるために抗がん剤を長期間に渡って使います。手術の前や後に補助的に使われる場合もあるといいます。

手術前に使うのは、がんを小さくして切除しやすくする目的で2~3か月使う場合もあるといいます。手術後に使うのは再発予防が目的、離れた場所にがん細胞が潜んでいる可能性があるので、手術後半年から1年間抗がん剤を使います。

HER2検査
薬による治療を開始する前に、がん細胞の増殖を刺激する物質HER2(ハーツー)が胃がんの組織にあるかどうかを調べる検査が行われるといいます。日本では陰性の人が約8割といわれています。

【HER2がない場合(陰性)】1次治療
・S-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)+シスプラチン
・カペシタビン+シスプラチン
・S-1+オキサリプラチン
・カペシタビン+オキサリプラチン

※例えば、S-1(のみ薬)を1日2回3週間続け、その後2週間休薬。シスプラチン(点滴)は8日目に投与。この5週間を1サイクルとして繰り返すといいます。

【HER2がある場合(陽性)】1次治療
・カペシタビン+シスプラチン+トラスツズマブ(分子標的薬)

・S-1+シスプラチン+トラスツズマブ(分子標的薬)

※カペシタビン(のみ薬)またはS-1(のみ薬)を1日2回、2週間続け、その後1週間休薬。シスプラチン(点滴)とトラスツズマブ(点滴)は、1日目に投与。この3週間1サイクルとして繰り返すといいます。

1次治療を続けても効果がみられなくなった場合や、薬の副作用などで1次治療を継続することが難しい場合は、HER2あり、なしを問わず2次治療として基本的にパクリタキセルと分子標的薬のラムシルマブを併用。

2次治療の効果がみられなくなった場合は、まだ使っていない薬による3次治療が検討されるといいます。

【薬の副作用】
吐き気やおう吐などの対策として、薬を予防的に使われるようになってきたといいます。生活の質を保ちながらがん治療を続けることが可能になってきているようです。

専門施設ではチーム医療の体制もとられているので、副作用が出た場合は遠慮無く医師や看護師に相談しましょう。